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★金プラチナ短期相場観★

2019年プラチナ需給と2020年見通し
更新日:2020年02月14日(金)
世界のプラチナ自動車排ガス触媒需要 2019年ジョンソン・マッセイ社が今週発表したレポートによれば、2019年のプラチナ総需要は263.9トンとなって4年ぶりに増加、2011年以降では最大水準。供給量が2年連続小幅減となったことで、2019年は3年ぶりの供給不足となっています。
その主要因は投資需要の大幅増。2018年の2.1トンから2019年には35.2トンへと急増、2011年以降では最大。プラチナETFの現物保有高が大幅に増加しました。
供給不足懸念からパラジウム価格の急騰が続き、安値放置されたプラチナの割安感、ガソリン車用排ガス触媒需要としてパラジウムの代用としてのプラチナ需要への思惑なども背景にプラチナ価格も上昇したことが、その要因となっています。

反面、自動車触媒需要と宝飾品需要とを合わせると全体需要の70%超を占めていた状態から近年は減少し、2019年は合計シェアで60%割れ。
排ガス規制強化とディーゼル車離れを背景に欧州での自動車触媒需要は2016年の55.1トンでピークアウト、2019年には3年連続の減少で42.5トン、6年ぶり低水準。ピーク時には50%超となっていた世界シェアも46%台まで低下しています。
これを、中国やインドでの需要増がカバーするとの見方もありましたが、実際には中国やインドでも規制強化などが進み、自動車触媒需要は世界全体で2%減。なお、欧州でのディーゼル車の生産台数は2019年に6%減、インドでは20%減となっています。

世界のプラチナ宝飾品需要 2019年宝飾品需要も6年連続で減少し、2011年以降では最低水準となっています。この傾向は、中国の需要動向にほぼ一致。中国では、宝飾加工業者が金の宝飾品への転換を加速させたこともあり、2013年の65.3トンから2019年には34.8トン、6年間で47%もの大幅減、ほぼ半減となっています。

2020年の見通しとしては、投資需要が同レベルで続かない限りは供給過剰に転じる見込みとなっています。
インドと中国では、トラックのプラチナ使用量増加が見込まれており、これが自動車用プラチナ需要にある程度の支援材料になるとの見方が示されています。
なお、ガソリン車用排ガス浄化触媒のパラジウムをプラチナで代替する方式への関心は一段と高まりそうではあるものの、2020年にプラチナ代替が本格化すると見るのは時期尚早。
また、中国の宝飾需要は引き続き低調で、2020年にはさらに減少することが予想されています。

NY金・日足チャート 2020/1/9 - 2/1313日のNY金相場は+7.2ドル、0.46%の続伸。新型コロナウイルスの感染拡大に鈍化の兆候が見られるとの安心感が漂っていた前日から一転、東京朝の時間帯に中国湖北省での新型肺炎での感染者数増加報道。認定基準見直しに伴う結果とのことながら、もともと公表されていた数字も怪しく、より事実に近づけただけとも。これをきっかけにリスク回避の流れが強まり、株安と金利急低下の流れとともにNY金も1570ドル付近から5ドル程度の小幅急騰で時間外をスタート。その後もホワイトハウスは中国のデータを信用していない、中国は感染者数を少なくとも10万人は過小報告している、といった報道などもあり、疑心暗鬼のムードが漂うなかでNY市場にかけて堅調推移、1580ドルを試す展開に。
保ち合いレンジを1570ドルから1580ドルまでに縮小する形となり、三角保ち合いブレイク待ちの様相にも。上方ブレイクなら高値更新再トライへ、上値目標1620ドル。下方ブレイクなら調整再開で下値目標は今年安値1520ドル近辺まで。

NYプラチナ・日足チャート 2020/1/9 - 2/13NYプラチナは+7.4ドル、0.77%の反発。2月5日(987.1)以来、1週間ぶりの高値水準となり、960ドルから970ドル台まで縮小してきた保ち合いレンジ上限との攻防に。NY午前に960ドル台後半から970ドル台後半へと水準を切り上げる展開も、5日連続で970ドル後半で上値を押さえられる形となって失速、NY引けにかけては970ドル前半へと反落。陽線と陰線が交互に並ぶ鯨幕状態が続くなら次は960ドル台までの陰線にも。6日め以降に上限突破できれば上値トライ再開へ、1010ドル近辺までが上値目標にも。960ドルのサポート割れなら調整再開で下げ幅拡大も、12月半ばの保ち合い水準920ドル台辺りまでが下値目安にも。

ドル円・日足チャート 2020/1/10 - 2/13ドル円は30銭弱のドル安円高となって4日ぶりの反落。東京朝に中国の新型肺炎の基準見直しと感染者数増加報道を受けて110円10銭から109円80銭まで30銭の急落となった後、戻りを試す展開では東京午前の時間帯の109円98銭辺りまで。110円回復に失敗したことで、今年高値更新トライへと向かう可能性もあった流れは巻き戻され、1110円10銭台が当面の上値抵抗線となって軟調推移、欧州時間には109円60銭台まで水準を切り下げると、今朝の東京時間にかけても109円80銭台を上限に小幅保ち合いの様相に。米1月消費者物価指数は予想を上回り、CPIは1年3ヵ月ぶりに前年比+2.5%へと上昇し、コアCPIも+2.3%を維持したことで米10年債利回り上昇とともにドル高の流れでの反発も限定的に。目先は109円70銭から110円10銭までの小幅保ち合いを形成する形となり、上抜けできれば上値トライ再開で111円手前まで上昇余地拡大へ。下方ブレイクとなって20日移動平均線(109.52)も割り込むようだと109円付近までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/13終値とチャート

14日の国内金価格は+21円、0.35%の続伸。1ヵ月前には1月8日の6061円を上回ることは当面ないだろう、とも思われ、案の定の大幅急反落で110円超水準を切り下げたところで下げ止まると高値保ち合いを形成。急反落警戒感を抱えながらも徐々に上値を切り上げて5週間、再び近年最高値を更新。安全通貨としてのドルと円の動きの差が縮小傾向にあり、ドル円の膠着状態が鮮明となりつつある状況下で、新年からリスク要因も後を絶たず、金融政策の緩和姿勢も変わらずNY金の高止まりも続く現状からは、国内金価格の高値更新も納得せざるを得ない状況にも。短期的には反落警戒感を抱えたままで小幅保ち合い上抜けの形となり、もう一段押し上げられてしまう展開もあり得る状況にも、上値目標は6100円近辺。下方向には6030円台が目先のサポート、割り込めば1月後半安値5980円前後までが下値目安に。
週間ベースでは+33円、0.55%高で3週続伸。

プラチナ価格は+21円、0.57%の反発。3800円が抵抗水準となっての調整再開の流れから、3700円近辺をサポート水準として下げ止まろうか、という展開にも。しかし、わずかに下降の兆しとなってきた21日移動平均線(3780)の下で下落基調の9日移動平均線(3710)に上値を押さえられる形にもなって短期下落トレンドを形成し始めた状態にも。下落トレンド本格化回避に向けては9日線の早期上抜けが必須に。3680円のサポートを割り込むようだと今年安値更新へと向かう流れに、3600円の大台ライン付近までが下値目安にも。
週間ベースでは-11円、0.3%安で4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格2/14とチャート

2020年02月14日(金)時点の相場
国内金:6,068 円 2/14(金) ▲21(0.35%)
国内プラチナ:3,705 円 2/14(金) ▲21(0.57%)
NY金:1,578.8 ドル 2/13(木) ▲7.2(0.46%)
NYプラチナ:974.7 ドル 2/13(木) ▲7.4(0.77%)
ドル円:109.81 円 2/13(木) ▼0.29(0.26%)
→2/13(木)のその他主要マーケット指標

←米製造業景況感の1月回復に反して鉱工業生産は低調 02/15(土)
→消費者目線では1年後のインフレ期待は減速傾向 02/13(木)
→米12月求人件数は2年ぶり低水準で10年ぶりの急減 02/12(水)
→豚肉高騰、春節、新型肺炎で中国にスタグフレーションリスク 02/11(火)

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