5月ユーロ圏景況感指数、製造業反発もサービス業は最低更新
更新日:2020年05月29日(金)
欧州委員会が発表したユーロ圏の5月景況感指数は67.5。市場予想の70.6を下回り、4月の64.9からの反発も限定的に。なお、4月の64.9は67.0から下方改定され、これまでの過去最低だった金融危機時の2009年3月(65.5)を下回って過去最低。5月は過去5番目の低水準。
回復基調が限定的となったのは、製造業の反発に対してサービス業が2ヵ月連続で過去最低更新となったことが響きました。
製造業は4月に-32.5となって2009年5月(-33.8)以来、10年11ヵ月ぶりの低水準、5月は-27.5へと5ポイントの急反発。
サービス業は4月に-38.6となり、それ以前の最低だった2009年3月(-25.0)を大きく下回っての過去最低更新。5月は-43.6へとさらに5ポイント下回って過去最低。
なお、小売も過去最低となった4月の-30.1から5月は-29.7へと小幅反発にとどまり、建設業も4月の-16.1から5月は-17.4へと4年ぶり低水準で一段と低下したことなども重石となったようで、経済活動再開本格化もまだまだこれから、という状況が表れている様子です。
景況感指数の国別では、ドイツが11年ぶり低水準となった4月の72.1から5月は75.3へと3ポイント超の反発で回復基調を牽引。フランスは過去最低となった4月の67.9から5月は67.6へと小幅ながら2ヵ月連続の過去最低更新。
4月に調査不能となったイタリアの5月は63.0。過去最低を大幅更新し、スペインの4-5月がいずれも70ポイント台までにとどまったことで、ビッグ4では最低水準。
景況感指数でイタリアの水準以下となったユーロ圏の国では、ポルトガルが63.0で同水準、スロバキアが59.0(4月は55.1)、マルタが56.6(4月は52.1)。
イタリアはユーロ圏19ヵ国のうち3番目タイの低水準となっています。
なお、EUを離脱した英国は61.7(11年2ヵ月ぶり低水準)と、さらに低迷状態に陥っています。
28日のNY金相場は+1.5ドル、0.09%の小幅続伸。欧州委員会による1兆ユーロを超える復興計画案を好感する形でユーロ買いが続き、対ドルでも対円でも3日続伸以上で3月末以来2ヵ月ぶり高値となり、ドルインデックスも2カ月ぶり安値へとドル安の流れが続き、NY金の反発局面をサポート。NY朝までに1週間ぶり高値となる1740ドル台を回復したものの、欧米株高の流れが続いたことも重石となり、反発基調一服となって1720ドル台へと反落。しかし、中国の香港国家安全法採択に対してトランプ米大統領が29日に新たな対中国政策を発表することが伝わり、NY引け後には米株急反落とともに1730ドル台へと反発。前日の下ヒゲ陽線の翌日に上ヒゲ陽線となって保ち合いを示唆する足型も、米中対立への警戒感などがサポート材料となる可能性も。目先、1740ドルの節目を上抜けできれば上値トライ再開で1760ドル程度までが目標水準に。
NYプラチナは-10ドル、1.14%の反落。NY朝までに小幅保ち合い上限890ドルに到達、しかしこれを維持できずNY市場では金の反落局面に追随、保ち合い下限870ドルをあっさり割れると一時860ドル割れも。NY引け後の金の反発には追随し切れず、860ドル代前半での小康状態。小幅保ち合い下放れの構図から、目先は下値トライへと向かう可能性も高まり、4月高値圏830ドル台までが下値目安に。上方向への抵抗水準は880ドルに切り下げ、これを上抜けた場合には上値トライ再開へ、この場合には3月高値圏920ドル付近までが上値目標に。
ドル円は5銭ほどのドル安円高で小反落。日経平均の堅調推移に連れて東京朝に107円90銭まで小幅に急騰、この水準では上値が重くなる状態は1週間以上経過しても変わらず、上値を押さえられ続けると欧州時間からはユーロ高ドル安の流れに加え、リスク選好の株高ドル安の流れにも連れる形でドル安円高方向へ。ただしNY時間での安値も107円50銭台までで下げ渋り。今朝の東京市場ではトランプ大統領の中国への政策会見への警戒感や、4日続伸後の日経平均が大幅反落となっていることなども重石となって107円台前半へと軟調推移の様相にも。下値目安としては107円前後まで、上方向には抵抗水準となりつつある108円を超えると108円半ばまでの上昇余地も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/28終値とチャート
29日の国内金価格は+26円、0.4%の続伸。
上値を切り上げて下値も切り上げる中期上昇トレンドを維持しつつも、短期的には上値を切り下げる調整局面の範囲内。6530円の節目を上抜けることができれば調整局面を脱却し、6600円の最高値付近を再度目指す流れにも。
週間では-21円、0.32%の続落。月間では+84円、1.31%の続伸。
プラチナ価格は-41円、1.29%の反落。下値トライの兆しから切り返し、今度は上値トライの兆しも巻き戻し。下落基調が続く90日移動平均線(3211)への抵抗感が重石となり、急上昇中の9日移動平均線(3151)に一度はサポートされて下げ渋り、3110円台から3190円まで保ち合いレンジを拡大。NYプラチナの軟調推移が続けば追随する展開に、3110円台の節目を割れると上昇基調の21日移動平均線(3012)までが下値目安に。切り返して3190円超へと抜け出し、90日線も上抜けできれば3300円の大台を目指す流れにも。
週間では+1円、0.03%の小幅高で3週続伸。月間では+229円、7.86%の続伸。2016年7月(+490円、13.78%)、ブレグジットの時以来、3年10ヵ月ぶりの大幅高。
※参考:
金プラチナ国内価格5/29とチャート
2020年05月29日(金)時点の相場
国内金:6,485 円 5/29(金)
▲26(
0.40%)
国内プラチナ:3,144 円 5/29(金)
▼41(
1.29%)
NY金:1,728.3 ドル 5/28(木)
▲1.5(
0.09%)
NYプラチナ:868.1 ドル 5/28(木)
▼10.0(
1.14%)
ドル円:107.68 円 5/28(木)
▼0.06(
0.06%)
5/28(木)のその他主要マーケット指標
コロナデフレ懸念?コアPCEは9年ぶり低インフレ 05/30(土)リッチモンド連銀製造業指数は過去最低から過去最大の急騰 05/28(木)コロナ・ショック後の回復率 05/27(水)IFOドイツ景況感、過去最低の4月から反発の5月は2番めの低水準 05/26(火)
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