7月雇用統計調査対象週、失業保険申請件数は新規も継続も増加
更新日:2020年07月31日(金)
この日発表された米4-6月期GDPは前期比年率で-32.9%となり、リーマンショック直後の2008年10-12月期の-8.4%の4倍弱、過去最大の落ち込み。
市場予想を少し上回る水準にとどまったとは言え、あらためて酷い数値を確認したことで、米国景気のV字回復に向けた淡い期待が剥落していく状態となり、リスク回避の流れが再度強まる様相にもなってきました。
1-3月期の-5.0%に続く2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション入りを再確認させられることにも。
同じタイミングで労働省が発表した新規失業保険申請件数は7月25日までの週で143.4万件。前週の142.2万件からは増加。その前の週の130.8万件から2週連続の増加に。
新規失業保険申請件数は、今年3月の急騰以前で過去最大となったのは1982年10月の69.5万件。今年3月末に687万件へ、それ以前の最大の約10倍へと急増した後、15週連続で減少し、直近2週で増加。以前の過去最大の2倍以上の水準で下げ渋る状態となっています。
失業保険継続受給者数も7月18日までの週に1701.8万人。これも前の週から増加。3月以前の継続需給者数の過去最大は2009年5月の663.5万人。今年3月末から急増し、5月には以前の過去最大の4倍弱となる2491万人。そこからゆるやかに減少傾向が9週続きましたが、10週めにして増加。以前の過去最大の2.25倍以上の水準で下げ渋り。
12日を含む雇用統計調査対象週には、新規失業保険申請件数も、継続需給者数も増加に転じてしまいました。単純合算値で1億6千万を分母で割ると、失業率は11.5%程度。
失業率は目先しばらくの高止まりも予想され、7-9月期に予想されるプラス成長回復に向けても、雇用情勢は厳しいスタートを強いられそうです。
30日のNY金相場は10日ぶりの反落。12月限となって前日比-9.9ドルで1966.8ドル。時間外には高値1987.3ドルまで上昇し、利益確定売りに押される形で調整へ。しかし、下がれば押し目買いとの攻防で高止まり。NY朝にかけて1960ドル割れを試すも、米4-6月期GDPの結果を受けて米10年債利回り急低下で過去最低金利へ、株安・ドル安も急進したことで消去法で買われる場面も。ただし反発局面でも1980ドルには届かず、1950ドルまでのレンジで保ち合いの展開に。NY引け後には1970ドル台へと堅調推移。米国の低調な経済指標も続き、早期の景気回復期待が後退しつつあり、月初の雇用統計までの指標結果などをきっかけにこの流れが加速するようだと2000ドルの大台トライの展開にも。ただし、目先のサポート候補も1900ドルの大台ライン辺りまで、特になし。
NYプラチナは-45.9ドル、4.79%の大幅続落。欧州時間に金の調整局面に連れ、950ドル台のサポートを割れると急落の展開に。下値目安となっていた930ドルを少し割り込んだところでは下げ渋るも、NY朝には米指標結果を受けた株安の流れに追随するように一段安となって一時900ドル割れ。NY午後には910ドル台を回復し、NY引け後には920ドルトライの動きにも。下値は20日移動平均線(890.8)に支えられ、7月16日安値(825.5)から28日高値(1002.0)までの半値戻し(913.8)付近に落ち着いたような状態にも。目先、自律反発継続なら38.2%戻し(934.6)とも重なる直近下値目安930ドル付近までが戻りの目安にも。
金との価格差は4月13日の1011.6ドルを大幅に上回る1054.2ドルまで拡大し、過去最大を更新。
ドル円は17銭のドル安円高、0.16%安で6日続落。6日続落は4月末以来3ヵ月ぶりで今年3度め。東京午後の時間帯には105円30銭手前まで上昇も、欧州時間にかけては戻り売りの展開となって105円前後まで反落。NY朝にかけては再び105円30銭手前まで反発も、米指標悪化を受けて急反落。105円30銭付近の高値を2度付けて小さなダブルトップを形成し、ネックラインの105円前後を割れると一段安、30銭程度の下落で一時104円70銭割れ。今朝の東京時間には104円80銭台まで戻して戻り売り。株安の流れとともに104円台前半へ。3月安値から戻り高値までの76.4%戻し、103円60銭近辺を目標にドル安円高の流れは継続中。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/30終値とチャート
31日の国内金価格は-72円、0.99%の反落。最高値圏での小幅保ち合いから一段高への可能性もあった状態から巻き戻しの展開へ、気持ち過熱感を解消する形にも。保ち合い下放れからの短期下値目安、7150-7170円辺りまでもう少しの下げ余地も。切り返して高値再更新となった場合には7300円台半ば辺りが上値目標となる展開にも。
週間ベースでは+288円、4.17%の大幅続伸。上昇率では4月7日(+287円、4.73%)以来で今年4番めの急騰。月間では+526円、7.89%の大幅高で4ヵ月続伸。上昇率では2013年7月(+361円、9.07%)以来、7年ぶりの急騰。
プラチナ価格は-82円、2.41%の大幅安で3日続落。NYパラジウムがこの月末3日間で2400ドルから2100ドル付近まで、約300ドルもの急落となった展開に引っ張られる形での急反落の流れが継続。7月半ば以降の急騰の23.6%戻し(3412)付近ではやはり下げ止まらず、38.2%戻し(3356)も突き抜けて半値戻し(3312)も意識される水準に。9日移動平均線3326)にサポートされるかどうか。
金との価格差は前日の3859円から3869円へとさらに拡大、過去最大を2日連続更新。
週間ベースでは+18円、0.54%高で5週続伸。5週続伸は2018年1月以来、2年半ぶり。月間では+267円、8.73%の大幅反発。2016年7月(+490円、13.78%)以来、4年ぶりの急騰。
※参考:
金プラチナ国内価格7/31とチャート
2020年07月31日(金)時点の相場
国内金:7,196 円 7/31(金)
▼72(
0.99%)
国内プラチナ:3,327 円 7/31(金)
▼82(
2.41%)
NY金:1,966.8 ドル 7/30(木)
▲13.4(
0.69%)
NYプラチナ:912.6 ドル 7/30(木)
▼45.9(
4.79%)
ドル円:104.79 円 7/30(木)
▼0.17(
0.16%)
7/30(木)のその他主要マーケット指標
コアPCEは3ヵ月連続過去最低レベルで低迷 08/01(土)250ドル超上昇した年のNY金の高値が8月以降となる確率は83% 07/30(木)逆相関強まるドルインデックスと金、ドルは一段安の兆しも 07/29(水)1400ドル到達から最高値更新までの金価格推移:2011年×2020年 07/28(火)
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