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★金プラチナ短期相場観★

インフレ2%超容認でドル安金急騰は一瞬、実質金利上昇で反落
更新日:2020年08月28日(金)
実質金利とNY金価格 2020年8月27日ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演は、オンライン環境を借りて臨時FOMC後の金融政策発表の場に。金融政策の枠組み変更で2%のインフレ目標を「平均で2%」に変更。つまり2%超のオーバーシュートを一定程度容認し、平均的に前年比+2%となることを目指す方針に転換。従って、PCEインフレが一時的に2%に到達した程度では実質ゼロ金利政策は解除しないことになり、長期低金利政策を約束する格好に。
また、講演では雇用や物価への下方リスクが強まっているとの判断に基づき、物価よりも雇用を重視し、最大雇用確保を目指すことなどにも言及。

パウエル議長講演を受けての市場反応は、ハト派的との解釈から長期金利低下とドル安、株高と金高へ。しかし、それぞれがひとしきり急落、急騰局面を形成すると、株価を除いて流れは逆転。米10年債利回りの急反発とともにドル高へと反転、ダウは上昇一服とはなったものの元の水準以上を維持し、金は急反落。
一時噂されたイールドカーブ・コントロールなどの金利固定化策は完全に除外された格好にもなり、純粋に景気支援策としての枠組み見直しがリスク選好の流れを誘発し、債券売りの利回り上昇で株高・円安優勢の流れとなった様子も。

この日、米10年債利回りは0.75%台へと上昇し、6月9日以来の高水準。10年期待インフレ率は1.73%となり、1月21日(1.74)以来、7ヵ月ぶりの高水準。結果、実質金利は前日の-1.03%から-0.97%へと上昇。
NY金価格が終値ベースでの過去最高値2069.4ドルをつけた8月6日に実質金利は-1.09%で過去最低を記録。その後は実質金利の-1.0%割れへの反発とともに金価格も2000ドル割れへと調整。足下では実質金利が-1%台へと再低下していた状態からの急反発となり、1900ドル台前半から後半へと反発の兆しとなっていたNY金は上値を押さえられて急反落、という展開となりました。

今後も米10年債利回りの反発基調が続けば、それだけでも金の重石に。インフレ期待が伸び悩むようなら実質金利も上昇し、さらに金の上値を押さえることにも。
逆に米10年債利回り上昇が一時的にとどまり、インフレ期待が上昇することになれば、実質金利低下とともに金の再上昇余地も。

NY金・日足チャート 2020/7/24 - 8/2727日のNY金相場は-19.9ドル、1.02%の反落。パウエルFRB議長講演を受けてゼロ金利長期化を好感する形で一度は40ドル程度の大幅急騰で1987ドルまで上昇後は、米10年債利回りの急低下後の急上昇に連れてドル高急進となり、上昇分を全て吐き出してさらに30ドル程急低下、1915ドル付近まで下落する乱高下の反応。この局面を除けば、時間外の1960ドル台からNY引けにかけての1930ドル台まで軟調推移。ゼロ金利長期化見通しは中長期的にはサポート要因も、短期的には事前織り込み済内容どおりの結果であり、むしろイールドカーブコントロールなどをあらためて否定した格好にもなり、プラスアルファの緩和策は特になし。短期的には最高値圏から一定の調整後、高値圏再トライには失敗し、調整継続か、保ち合い推移かという状況にも。1920ドルから1950ドル台までが目先の主要レンジとなり、下方ブレイクで調整継続となれば8月安値圏1880ドル近辺までが下値目安。反発して上方ブレイクへとなれば2000ドルの大台ラインが上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/24 - 8/27NYプラチナは-11.7ドル、1.24%安で3日ぶりの反落。NY朝にはパウエル議長講演を受けての金の乱高下に追随、940ドル付近から960ドルまで急騰後、一時920ドル割れへと急反落。上下40ドル程度の乱高下にとどまると、930ドル付近に収束。結果、乱高下局面を除けば940ドル台から930ドル近辺まで軟調推移。目先は920ドルから940ドルまでの小幅レンジで保ち合いを形成、軟調局面継続で下限割れなら900ドル近辺までが下値目安に、940ドル超へと反発できれば水平状態の20日移動平均線(956.6)超えから、この日の高値超え、8月前半までの保ち合い水準960ドル台回復が上値目標に。

ドル円・日足チャート 2020/7/24 - 8/27ドル円は60銭、0.57%のドル高円安へと反発。8月14日(106.60)以来、2週間ぶりのドル高円安水準に。パウエルFRB議長講演での初期反応は106円10銭台から105円60銭近辺までの急落。0.67%台から0.65%近辺へと急落で反応した米10年債利回りが0.7%台へと急反発すると、ドル安の巻戻しとなってドル円も元の水準まで急反発。米10年債利回りが2ヵ月半ぶり高水準となる0.75%台へとさらに上昇するとドル円も追随、NY午後には一時106円70銭台まで上昇。結果的にはインフレ許容の景気支援策を好感してのリスク選好の流れとなって債券売りの利回り上昇、株高・円安の流れが強まる格好に。節目の106円40銭台を超えてきたことで、失敗したばかりの107円台前半を目標にした上値トライに再チャレンジ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/27終値とチャート

28日の国内金価格は-40円、0.55%安となって3日ぶりの反落。パウエルFRB議長講演は市場期待どおりハト派寄りで株高とともに金も急反発の反応も一時的に。市場予想どおり過ぎてサプライズはなく、逆にドルの急反発がサプライズとなって上値トライに失敗。保ち合いレンジを微妙に拡大する動きとなり、目先は7190円から7270円までが主要レンジに。今晩のPCEインフレ指標から1週間後の雇用統計まで、回復基調を確認する指標結果に異変があればレンジブレイクにも。上方向へ抜け出せば最高値(7676)から8月安値(7191)までの38.2%戻し(7376)近辺までが上値目標。下方ブレイクなら7100円近辺を目指す展開にも。
週間ベースでは-37円、0.51%安で3週続落。3週続落は3月以来、5ヵ月ぶりで今年2度め。

プラチナ価格は-31円、0.9%安で4日ぶりの反落。下落基調が続く9日移動平均線(3455)が抵抗線となり、8月7日の高値から上値を切り下げる調整局面が継続。調整局面脱出に向けては3460円超へと直近高値超えが必須条件。これを超えると8月高値(3655)から直近安値24日(3379)までの半値戻し(3517)が上値目標に。直近安値を下回るようなら調整継続で一段安へ、7月末安値圏3330円近辺までが下値目安。
週間ベースでは-21円、0.61%安で3週続落。3週続落は6月以来2ヵ月ぶりで今年4度め。
※参考:金プラチナ国内価格8/28とチャート

2020年08月28日(金)時点の相場
国内金:7,226 円 8/28(金) ▼40(0.55%)
国内プラチナ:3,428 円 8/28(金) ▼31(0.90%)
NY金:1,932.6 ドル 8/27(木) ▼19.9(1.02%)
NYプラチナ:928.1 ドル 8/27(木) ▼11.7(1.24%)
ドル円:106.54 円 8/27(木) ▲0.60(0.57%)
→8/27(木)のその他主要マーケット指標

←コアPCEインフレの許容範囲超えは15年間ほぼなし 08/29(土)
→米耐久財受注は回復基調継続、コア受注は前年比プラス圏回復 08/27(木)
→ドイツ景況感回復継続でユーロ高ドル安も金利上昇で金の調整継続 08/26(水)
→シカゴ連銀全米活動指数も7月に急失速、ドル安巻戻しで金も失速 08/25(火)

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