失業保険申請件数は最悪期からは半減、でもコロナ前の7倍
更新日:2020年09月11日(金)
9月5日までの週の新規失業保険申請件数は88.4万件となって市場予想を上回り、前の週からも横ばい推移。8月29日までの週の失業保険継続受給者数は1338.5万人となり、6週ぶりに前週比で増加。労働市場の回復基調は足踏み状態となりました。
コロナ前、3月7日までの週を100とした指数の推移を比較すると、新規失業保険申請件数は3月28日までの週に3254.50へ、コロナ前の32倍へと急騰。9月5日までの週では418.95、コロナ前の4倍の水準まで戻しての足踏み状態。
継続需給と合わせた合計では、5月9日までの週に1442.71、コロナ前の14倍まで増加。8月末には745.9、コロナ前の7倍の水準まで戻して足踏み状態。
コロナ後の最大、最悪期を100とした指数の推移で比較すると、新規失業保険申請件数は実質2週程度で100に到達、9月5日までの週には12.87。最悪期からは87%回復したところで足踏み状態に。なお、コロナ前の指数は3.07。最悪期との比較では残り10%弱の回復が必要。実数では残り68万件程度減少する必要があります。
継続需給と合わせた合計では、およそ2ヵ月かけてピークに到達し、8月末時点では51.7。最悪期から4ヵ月弱でほぼ半減となったところで足踏み状態に。なお、コロナ前の指数は6.93。最悪期との比較では残り45%程度の回復が必要。実数ではあと1240万件程度、減少する必要があります。
10日のNY金相場は+9.4ドル、0.48%高で3日続伸。9月1日(1978.9)以来、10日ぶりの高値。ECB理事会では予想通りの政策据え置き、警戒されたユーロ高牽制はなく、「ECBはユーロ高に過剰に反応する必要はない」と合意したことが伝わるとユーロ高ドル安の流れが急進。1950ドル台半ばでの小幅揉み合い推移が続いていたNY金も追随、一時1970ドル台半ばまで急騰。しかし、ユーロドルの高値は1.19ドル台前半までにとどまり、直近高値で節目の1.20ドルには届かず、ほどなく戻り売りの展開に。また、この日はEUがジョンソン英首相に対して離脱合意違反の是正を要求するなど、英EU間の交渉決裂懸念の高まりからポンド安ドル高の流れが先行して加速。この流れにも連れるようにユーロドルも反落の流れとなって元の水準へと巻き戻し。欧州通貨安ドル高の流れとなったNY午後にかけては金も急反落となってNY引け後には一時1950ドル割れ。日足レベルでは20日移動平均線(1957.7)を上抜けてサポートに、という形も引け後にはこれを再度下抜けて抵抗線にも。結果的に1930ドルから1980ドル台までのレンジ半ば、1950ドル台が居心地の良い水準となり、抜け出せば変動幅拡大が意識される上下の節目を両睨み状態で保ち合い継続へ。
NYプラチナは+16.1ドル、1.74%高で4日続伸。9月1日(952.7)以来、10日ぶり高値となり、右肩下りの20日移動平均線(936.0)も上抜けて一時940ドル台後半まで上昇。880ドル台から950ドル台までの主要レンジ上限付近に迫る展開となって、上抜けトライの様相にも、となったのはNY午前まで。金に追随する展開で急騰後の急反落となってNY午後には930ドル近辺へと巻き戻し。ただし下げ幅は金に比べて若干控えめ、950ドル台の上限が意識される水準に踏みとどまり、上抜け再トライのチャンスをうかがう展開にも。上抜けできれば8月半ばの戻り高値990ドル近辺までが上値目標に。
ドル円は106円10銭台でほぼ横ばい推移。ユーロとポンドの値動きが拡大、欧州通貨主導でドルも急落、急反発の展開となるなか、ドル円の値動きは限定的に。東京朝につけた高値は前日高値と同水準の106円30銭付近、欧州・NY朝にかけてのドル安局面ではわずかに106円を割れる程度までにとどまり、NY午後にかけてのドル高局面でも106円20銭台まで。106円前半のさらに下半分が主要レンジ、という状況にもなり、次週のFOMCまでは多少のブレがあっても保ち合い継続か。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/10終値とチャート
11日の国内金価格はわずかに+1円、0.01%の小幅続伸。短期上値目標7300円の大台ライン近辺を突き抜けての一段高、となる可能性もあった状態はNY金の上に行って来いの展開によって巻き戻し。7月末以降では7200円前後が強めのサポート水準となり、上方向には何度か高値トライを試しながらも7270円前後がちょっとした抵抗水準となってきた様子も。7300円の大台ライン近辺再トライの可能性を残しながらも、7200円前後から7270円前後までの保ち合いレンジ内に押し戻されるような展開にも。
週間ベースでは+58円、0.8%高となって5週ぶりの反発。
プラチナ価格は+21円、0.61%の続伸。短期上値目標3450円台を突き抜けて、下降チャネル上限突破となってトレンド好転への可能性もあった状態から押し戻され、上値目標までもう少しの水準に。このまま目標水準に届かず失速するか、ギリギリ届いても即反落へと向かうような展開となれば、8月初旬から続く下降チャネルの範囲内での推移が続くことにも。
週間ベースでは+102円、3.05%高で5週ぶりの反発。
※参考:
金プラチナ国内価格9/11とチャート
2020年09月11日(金)時点の相場
国内金:7,271 円 9/11(金)
▲1(
0.01%)
国内プラチナ:3,442 円 9/11(金)
▲21(
0.61%)
NY金:1,964.3 ドル 9/10(木)
▲9.4(
0.48%)
NYプラチナ:941.0 ドル 9/10(木)
▲16.1(
1.74%)
ドル円:106.14 円 9/10(木)
▼0.04(
0.04%)
9/10(木)のその他主要マーケット指標
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