米主要地区連銀製造業PMIの回復基調はいずれも11月に失速
更新日:2020年12月01日(火)
米11月のシカゴPMIは市場予想の59.2を下回る58.2。10月からは2.9ポイントの低下で9月の62.4がピークとなって続落、3ヵ月ぶりの低水準。
この日はダラス連銀製造業活動指数も発表され、11月は12.0。2年ぶり高水準となった10月の19.8からは7.8ポイントの急落。前月から低下するのは3月以来、8ヵ月ぶり。
先週発表された11月のリッチモンド連銀製造業指数は15.0。過去最高となった10月の29.0からは14.0ポイントの急落。前月比マイナスは4月以来、7ヵ月ぶり。
中旬に発表されたNY連銀製造業景況指数は6.3。前月比-4.2ポイントで続落。ピークは7月の17.2。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は26.3。8ヵ月ぶり高水準となった10月の32.3からは-6.0ポイント。6月に急回復後、7-9月には3ヵ月続落。
米主要地区連銀の製造業景況感(PMI)は夏場以降の回復基調が秋になって失速し、11月には指数の急落、もしくは続落となってその傾向が顕著になってきたようです。
本日発表予定のISM製造業景況指数も11月は低下が予想されるものの、市場予想ではやや控えめな低下にとどまっているようですが・・・。
30日のNY金相場は-7.2ドル、0.4%の続落で7月1日(1779.9)以来、5ヵ月ぶりの安値。週明け時間外スタート時点での1793ドルが戻り高値となって戻り売り。アジア時間に節目となる3月安値から8月最高値までの半値戻し(1770.1)を下回る1767ドルまで急落。その後は下げ渋って1780ドル台後半まで戻すもロンドン時間には再び1770ドル割れ、しかしこの水準では底堅さもあり、NY市場にかけては1780ドル台へと反発。この日は米モデルナがワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請。事前に米欧での申請予定が報道され、ファイザーに続いて2例目の申請となってワクチン相場の進行が金の重石となった様子。半値戻し(1770.1)までしっかり下げて、下ヒゲを残していったんは下げ止まりへの可能性も示す形に。目先、これを維持できるかどうか、上方向には1800ドルの大台ラインが当面の抵抗線候補となり、1770ドルを維持できなくなるようだと61.8%戻し(1694.7)が意識される展開にも。
月間ベースでは-99.0ドル、5.27%安となって4ヵ月続落。4ヵ月続落は2018年9月以来2年2ヵ月ぶり。下落率は2016年11月(-102.3ドル、8.04%)、前回の米大統領選以来4年ぶりの急落。
NYプラチナは+1.1ドル、0.11%の小反発。970ドル付近でスタートした時間外は金に連れての軟調推移、960ドル割れで下げ渋るとロンドン・NY時間にかけての反発局面ではこれまで上値を押さえられていた970ドル台前半を突破。980ドル台へと水準を切り上げ、高値では9月16日(989.5)以来、2ヵ月半ぶりの高値。短期上値目標980ドル近辺にしっかり到達したものの、この水準を維持することはできず、NY午後には970ドル台へと反落。目標到達による一服感と十字線に近い足型となって調整反落への可能性も示唆。目先は950-960ドル付近までがサポート候補に。
金との価格差は815.0ドル、3月13日(772.8)以来、8ヵ月半ぶり、ほぼコロナ前の水準に戻した状態に。
月間ベースでは+117.5ドル、13.85%の大幅高となって3ヵ月ぶりの反発。上昇幅では2013年1月(+136.7ドル、8.88%)以来7年10ヵ月ぶり、上昇率では2012年1月(+188.4ドル、13.46%)を超えて近年最大。
ドル円は24銭のドル高円安、0.23%高で3日ぶりの反発。週明け東京市場では先週までの株高の調整に追随、104円10銭台から103円80銭台まで急落も、これがこの日の安値となって下げ渋り。欧州時間には株価の反発に合わせて104円30銭台まで反発も、ユーロドル上昇に連れてのドル安で103円90銭台まで急反落。しかしユーロドルが3ヵ月ぶり高値となる1.20ドル台到達とともに戻り売り圧力が強まって急落。ドル高の流れを受けて再び104円30銭台へと反発、一時104円40銭台まで上値を試す場面も。結果的に104円割れでは底堅く、2日連続下ヒゲを残し、104円から104円半ばまでに主要レンジを縮小する形となり、上方向には20日移動平均線(104.40)から50銭台の抵抗帯を突破することができれば上値トライへ。11月高値105円70銭近辺までが上値目標に。逆に104円割れへと水準を切り下げることになれば11月安値103円10銭台から103円前後までが下値目安にも。
月間ベースでは-35銭、0.33%安で3ヵ月続落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/30終値とチャート
1日の国内金価格は+4円、0.06%の小幅高で9日ぶりの反発。夏場の上昇分を全て吐き出し、5月半ばから6月半ばまでの保ち合い中央付近の水準でようやく下げ止まった可能性も。目先は月初の経済指標などで上下に振られる展開も想定されるものの、下方向には6月後半の保ち合い下限6470円台がサポート候補となり、上方向には同時期の保ち合い上限6530円台が抵抗水準にも。
プラチナ価格は+12円、0.35%の続伸。下値サポートを3460円台に切り上げて高値保ち合いを形成、直近高値3490円台を上抜けることができれば短期上昇トレンド延長戦、まずは9月高値3540円近辺が短期上値目標に。NYプラチナが上値トライ一服から調整となれば、保ち合い下放れの展開にも。3460円台を割れると3400円近辺までが調整目安に。
金との価格差は3030円となり、3月16日(2953)以来、8ヵ月半ぶりの水準まで縮小。
※参考:
金プラチナ国内価格12/1とチャート
2020年12月01日(火)時点の相場
国内金:6,516 円 12/1(火)
▲4(
0.06%)
国内プラチナ:3,486 円 12/1(火)
▲12(
0.35%)
NY金:1,780.9 ドル 11/30(月)
▼7.2(
0.40%)
NYプラチナ:965.9 ドル 11/30(月)
▲1.1(
0.11%)
ドル円:104.32 円 11/30(月)
▲0.24(
0.23%)
11/30(月)のその他主要マーケット指標
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