雇用指数の6月急低下、ISM非製造業景況指数でも
更新日:2021年07月07日(水)
6月のISM非製造業景況指数は60.1。市場予想の63.5を下回り、5月からは3.9ポイントの急低下となり、4ヵ月ぶりの低水準。それでも節目の50を大幅に上回り、過去最高となった5月の64.0を少し下回る程度、長期的には依然高水準を維持。
ISM製造業景況指数が3月に64.7と37年ぶり高水準となってピークアウト、6月には60.6で5ヵ月ぶり低水準ながら長期的には依然高水準となっているのと連動する推移となっています。
製造業では雇用指数が6月には49.9となって7ヵ月ぶりの節目50割れとなった流れに同調するように、非製造業でも雇用指数は6月に49.3となり、6ヵ月ぶりの節目50割れとなっています。
募集側では、「職種に見合う候補者を見つけるのがますます困難」となり、「活況となっている求人市場では自発的離職者も」増え始め、人材確保に苦労している現状が現れているよううです。
また、政府の失業者支援策が一部継続中の州もあり、雇用復帰を望まない労働者もいまだ存在していることも影響しているものと思われます。
雇用のミスマッチ、労働市場の歪が存在し続け、6月時点では670万人程度まで縮小した「失った雇用」が解消されるまで、そしてISM製造業、非製造業景況指数の雇用指数が再び好調を示す状態となるまでは、FRBの緩和政策は続くことになります。
3連休明け、6日のNY金相場は先週末から+10.9ドル、0.61%高となって4営業日続伸。週明け時間外に1790ドルまで水準を切り上げ、この日の時間外もドル安の流れに連れて堅調推移、ロンドン時間にかけて1800ドルの大台を超えると、ドル高へと反転した流れにも米10年債利回りの低下基調を背景追い風に上値トライ継続。NY朝には米6月非製造業PMIとISM非製造業景況指数がいすれも予想を下回る低調となり、米10年債利回りも4ヵ月半ぶりに1.4%割れへと急低下となったこともあり、一時1810ドル台半ばまで上昇。6月中旬以降の保ち合い上限1790ドル超えに伴う短期上値目標1820ドル近辺にもあとわずかのところで上昇一服となり、ドル高の流れが続き、米10年債利回りの下げ止まりにも連れて戻り売り。NY午後にかけて1790ドル付近まで急降下。上に行って来いとなってNY引けにかけては自律反発で1790ドル台半ばへ。結果的に保ち合い上放れを維持しながらも1800ドルの大台で躓いた形となり、大台ラインが目先の抵抗とならなければ短期上値目標1820ドル近辺再トライの可能性。
NYプラチナは-3.7ドル、0.34%安となって4営業日ぶりの反落。先週末からは10ドル余り水準を切り上げ、この日の時間外は1100ドルの攻防からスタート。金の上値トライに追随する展開でゆるやかな上昇基調、ロンドン時間には節目の1110ドルの攻防となり、NY朝には一時1110ドル台後半まで上昇。金の失速に連れての反落局面では売り圧力が強まり、NY午後にかけて1075ドルまで、40ドル超の急落。その後の自律反発では1090ドル近辺までにとどまり、NY引け後には1080ドル台へ。結果的に保ち合いレンジ上限1110ドル超えからの戻り売りでレンジ下限1070ドル付近まで急落して下げ渋り、レジスタンスとサポートの堅さを確認した上下動。あらためて上抜けできれば1130ドル程度まで、下抜けなら1040ドル近辺までが変動目安に。
ドル円は34銭程のドル安円高、0.31%安となって3日続落。この日も東京朝に高値をつけて110円90銭台まで、111円に届かず軟調推移となって前日の十字線はトレンド継続を示唆していたことにも。欧州序盤まではドル安の流れで110円70銭台へ、欧州・NY時間にはドル高・円高の流れとなって110円50銭台まで一段安。米指標が低調となり、米株安の流れも重石となって反発の勢いも弱まり、NY終盤にかけては110円60銭台を挟んでの小幅揉み合い推移の展開に。目先、右肩上がりの20日移動平均線(110.49)を割れると春以降の上昇トレンド継続に黄色信号、40銭の節目を割れると短期的には調整局面入りへ、5月後半安値圏108円70銭近辺までが下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート
7日の国内金価格は-5円、0.07%の小幅安で5日ぶりの反落。急降下を続ける21日移動平均線(7011)の圧力に押される格好での上げ渋り。ただし短期的な流れは好転し始めた様子もあり、6940円の節目上抜けに伴う短期上値目標7000円前後を目指した流れもまだ継続中。21日線の圧力に屈することなく、短期目標到達とともに21日線上抜けとなれば、視界良好となって多少の行き過ぎの展開にも。短期行き過ぎ目安としては7050円程度まで。円高圧力がさらに強まるようだと苦しい展開にも。
プラチナ価格は-74円、1.72%安で4日ぶりの反落。右肩下がりの21日移動平均線(4280)をわずかに上抜けるやいなやの反落で再び下抜け。と同時に5月18日(4744)を起点とする右肩下がりの抵抗線を4度めのトライで上抜け、と思ったのも束の間、即反落で再び下抜け。それぞれ強めの抵抗線としての存在感を再認識させられる展開に。再び下降し始めた9日移動平均線(4242)も再び下抜けて弱気のパーフェクトオーダーも再々の完成。短期トレンド好転かに見えた流れも一筋縄では行かず、気がつけば三角保ち合いを形成して上下双方向待ちの状態に。4290円台の節目を超えると上値トライへ、4380円台辺りまでが上値目標に。4150円割れへと下放れの場合には4080円程度までの一段安も。
※参考:
金プラチナ国内価格7/7とチャート
2021年07月07日(水)時点の相場
国内金:6,972 円 7/7(水)
▼5(
0.07%)
国内プラチナ:4,220 円 7/7(水)
▼74(
1.72%)
NY金:1,794.2 ドル 7/6(火)
▲10.9(
0.61%)
NYプラチナ:1,084.0 ドル 7/6(火)
▼3.7(
0.34%)
ドル円:110.62 円 7/6(火)
▼0.34(
0.31%)
7/6(火)のその他主要マーケット指標
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