米耐久財受注は8月も好調、長期金利とドルも高止まり
更新日:2021年09月28日(火)
米商務省が発表した耐久財受注の8月速報値は前月比+1.8%。市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの高水準。7月分が前月比-0.1%から+0.5%へと上方改定されたことで、5月以降4ヵ月連続の増加。輸送用機器を除いた数値では前月比+0.2%となり、市場予想の+0.5%を下回ったものの、3月以降6ヵ月連続の増加。
GDPにおける設備投資の算出に用いられるコア資本財(航空機を除く非国防)の出荷は前月比+0.7%となり、これも3月以降6ヵ月連続の増加。また、民間設備投資の先行指標とされるコア受注(非国防資本財から航空機を除いた数値)は前月比+0.5%、これも3月以降6ヵ月連続の増加。
なお、コア受注を前年比で見ると+15.76%となり、7月の前年比+14.99%を上回る水準。前年比では昨年7月以降、14ヵ月連続の増加となり、今年3月以降は6ヵ月連続の前年比2桁増。
米製造業の好調ぶりは米FRBの金融政策正常化に向けた流れを後押しし、この日も1.5%付近まで上昇した米10年債利回りと、ドルインデックスでは今年高値圏へと上昇してきたドル高の流れを下支え。長期金利とドルの高止まり状態も続きます。
なお、この日はFRB関係者の発言も相次ぎ、次期FRB議長との声もある(あった)ハト派のブレイナード理事は、「労働市場はまもなくテーパリングの(自身の)基準を満たす可能性」があることに言及し、「供給制約が長引く中でインフレ高進のリスクを高めかねない」との懸念も表明。
パウエル議長も28日の上院銀行委員会での証言テキストで「ボトルネックの影響は予想より大きく、長く続いている」ことを認めた上で、「やがてインフレ率は当局の長期目標2%に向け鈍化する」との従来どおりの見解も。
さらに、この日は私的な証券取引などが取り沙汰されていたダラス連銀カプラン総裁(今年・来年も投票権なし)とボストン連銀のローゼングレン総裁(来年投票権)が退任を表明。タカ派で早期利上げ支持を表明し、9月FOMCのドットチャートで2022年利上げ予想9ドットのうちの2名が退任することとなり、ややタカ派寄りに傾斜していた感もあるFOMCの今後の情勢に変化の可能性も。
27日のNY金相場はわずかに+0.3ドル、0.02%の小幅続伸。先週末の反発基調を受け継ぐ形で週明け時間外も上値トライ、ただしアジア時間に1760ドルまで10ドル弱の上昇で失速。米10年債利回り上昇とドル高の流れとなったロンドン市場にかけては急反落の展開となって1740ドル台半ばまで下落。しかし1740ドル台では下げ渋る展開となってNY市場では一時1750ドル台後半まで反発する場面も。上下双方向へ小幅に行って来いとなって方向感喪失状態の十字線を形成。短期トレンドは下向きのまま、1730ドル前後の短期下値目安再トライの可能性を残しながらも1740ドル台が徐々に底堅くも。上方向には1760ドルの抵抗感が強まる状態もレンジ上限は1780ドルまで、これを超えると流れも好転、1800ドル台回復トライへも。
NYプラチナは+1.7ドル、0.17%の小幅高で3営業日ぶりの反発。NY金の上値トライに追随したアジア時間には20ドル程の急騰となって一時1000ドルの大台にワンタッチ。ロンドン市場にかけての反落局面では980ドル付近まで、元の水準へと逆戻り。NY市場では保ち合いレンジを980ドル台から980ドル付近へと収束し、NY引け後には980ドル割れ。結果的に1000ドルの大台ラインでの抵抗感を確認し、下値は20日移動平均線(971.2)付近でサポートされるかどうか。大台突破できれば9月高値1020ドル台を目指す流れにも。
ドル円は27銭のドル高円安、0.24%高となって4日続伸。7月2日(111.03)以来、3ヵ月弱ぶりの高値。週明け東京市場朝には先週末高値110円80銭が超えられず、110円50銭台まで軟調推移。これがこの日の安値となって、下げ渋ると欧州時間からは押し目買い、110円80銭を突破するとNY朝にかけては111円ラインとの攻防へ。米10年債利回りが一時3ヵ月ぶり高水準となる1.5%まで上昇したことにもサポートされたものの、上値も重く111円10銭には届かず。今朝の東京市場でも111円ちょうどをはさんでの攻防状態が継続。攻防状態を抜け出すことができれば短期上値目標、今年高値更新トライへの流れが加速する可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/27終値とチャート
28日の国内金価格は+9円、0.13%の続伸。9月16日(6894)以来の高値圏で反発基調継続。ただし、短期的な流れは軟調方向優勢のまま、なんとか底打ちの可能性も示す形で反発の動きとなったばかりの状態。膠着状態で方向感喪失気味のNY金が再び下値トライへと動き出せば、追随する展開に。6770円台を維持できなくなれば6860円台を目指した反発基調は腰折れ、6700円近辺を目安に下値再トライへ。
プラチナ価格は-5円、0.13%安で4日ぶりの反落。流れとしては反発基調優勢の状況ながら、急落後の急反発となってやや息切れ状態。押し目らしい押し目形成にも至らず、上値再トライに向けては適度な調整も必要に。NYプラチナが1000ドルの大台にぶつかって反落した流れがもう一段進行することになれば、押し目形成にも。適度な調整にとどまって押し目買いとなれば3850円台辺りを目安に一段高の展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/28とチャート
2021年09月28日(火)時点の相場
国内金:6,825 円 9/28(火)
▲9(
0.13%)
国内プラチナ:3,801 円 9/28(火)
▼5(
0.13%)
NY金:1,752.0 ドル 9/27(月)
▲0.3(
0.02%)
NYプラチナ:981.6 ドル 9/27(月)
▲1.7(
0.17%)
ドル円:111.01 円 9/27(月)
▲0.27(
0.24%)
9/27(月)のその他主要マーケット指標
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