トルコでは通貨危機、景気減速の中国も利下げへ
更新日:2021年12月21日(火)
2020年春にはコロナショックで世界じゅうの中央銀行が一斉に緊急利下げや量的緩和など、極端な金融緩和政策を取り、2年近く経過した今、世界じゅうの中央銀行が金融政策正常化へと舵を切り始めています。
ところが、この流れに逆行するように利下げを続ける中央銀行も。
トルコ中銀では金利を否定するエルドアン大統領の圧力により、高インフレにもかかわらず今年後半に4会合連続利下げを敢行し、政策金利を19%から14%まで引き下げ。
これを否定するように市場は一斉にトルコリラ売り。
トルコリラは年初の1ドル=7.4リラ台から先週末時点で16.4リラ台まで、ドル/トルコリラのレートでは年初来上昇率121.2%の暴騰状態。
リラ安の歯止めが効かなくなったことで、トルコ政府は今週、リラ建て預金の保護政策導入を発表。
週明けには一時1ドル=18リラ台まで一段とリラ安が進行していた状態から急速に巻き戻され、今朝時点では13リラ台まで戻しているようです。
トルコリラの価値が暴落しても政府が保証する、ということであれば、今度は財政悪化が懸念されて格下げが警戒される可能性も出てきそうです。
そうなれば、リラ売り再燃ということにもなりそうです。
金融政策に関してはトルコのように特別ではない、中国でも今月利下げを敢行。
中国人民銀行は20日、政策金利である最優遇貸出金利(LPR:ロープライムレート)1年物を3.85%から3.80%へと引き下げ。利下げはコロナショック時の2020年4月以来、1年8ヵ月ぶり。
こちらは純粋に景気減速が懸念されています。
中国の景気減速だけでも世界への影響が懸念される上に、中国恒大のデフォルトによる他国への影響、不動産バブル崩壊の世界への波及も警戒されます。
20日のNY金相場は先週末終値から-10.3ドル、0.57%安となって3営業日ぶりの反落。週末NY引け後の1800ドル割れから、週明け時間外は大台回復してのスタートとなり、1790ドルの節目突破に伴う短期上値目標1830ドル台を目指す流れが少しづつでも進行するかとも思われたのもアジア時間まで。欧米でのオミクロン株拡大懸念などから株安の流れが急速に進行し、米10年債利回りも1.4%割れへと急低下したリスク回避の流れにサポートされての1800ドル台維持も、ロンドン時間から巻き戻しの展開となったことを受けて大台割れ。NY朝には大台ラインが抵抗線に切り替わる形となり、NY引けにかけては1790ドル台前半、90-200日移動平均線(1791.3-1794.2)のダブル・サポートとの攻防へ。短期上値トライに失敗し、1800ドル台が目先の上限となり、あらためてこれを上抜けることができれば1830ドル近辺までの上値再トライへも。下方向へはダブル・サポートを維持できなくなれば、10月後半以降の安値圏、1760ドル近辺の中期サポート水準が意識される可能性も。
NYプラチナは-8.1ドル、0.87%安で3日ぶりの安値。週明け時間外から株安に連れる形で軟調推移、930ドル台前半の高値からロンドン時間には920ドル割れ、NY朝にかけてはこの日の安値圏910ドル台での揉み合いに。一時910ドルを割れて切り返すとNY午後には920ドル台へと反発、NY引けにかけては920ドル台後半へ。日足形状は陰線ながらも下ヒゲを残して反発への可能性も示唆する状態にも。940ドルの抵抗水準と急降下中の20日移動平均線(941.5)を超えることができればもう一段の上値トライへ、980ドル台までが短期上値目標に。下方向には910ドルがサポート候補、890ドルの12月安値更新となった場合には一段安へ、850ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は10銭のドル安円高、0.09%の反落で12月13日(113.58)以来、1週間ぶりの安値。東京市場では株安の流れに連れてリスクオフのドル安円高、113円70銭台の高値から欧州序盤には113円30銭台まで下落。しかし保ち合い下限113円30銭付近では底堅く、欧州時間には米10年債利回りの反発基調にも連れて113円70銭付近まで反発。NY午後には米10年債利回りの伸び悩みにも連れて113円30銭台まで再反落も、再び節目水準でサポートされるとNY終盤にかけては113円70銭台へと再反発。今朝の東京市場では113円60銭台を中心に小幅揉み合い推移。113円30銭から114円10銭までの保ち合いレンジを維持しながらも、垂れてきた20日移動平均線(113.73)に抵抗感も。下限を維持できなくなれば下値トライへ、短期下値目安は112円台前半まで。上限突破へと切り返すことができれば115円近辺を目標に上値再トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/20終値とチャート
21日の国内金価格は-32円、0.45%の続落。NY金の上値トライへの兆しは東京市場の時間帯までにとどまり、欧州時間以降に巻き戻された流れに連れて失速。国内金価格も短期上値目標7250円台トライには失敗、巻き戻しの展開となって21日移動平均線(7154)付近まで反落。9日移動平均線(7142)も21日線超えには失敗し、強気のパーフェクトオーダー形成ならず。7200円の大台ラインが目先の抵抗水準となり、あらためて上抜けできれば7240円程度までの上値余地拡大も。下方向には7100円前後が比較的重要なサポート水準、これを割れるようだと下値トライ再開となって7000円の大台割れへ、6900円台半ば辺りまでが下値目安にも。
プラチナ価格は+19円、0.51%の反発。9日移動平均線(3740)には少し届かず、弱気のパーフェクトオーダー解消にも至らず。安値圏での揉み合い推移が続くなかでも、方向感としては徐々に反発方向へと向かいやすい状況にも。保ち合いレンジを微妙に縮小し、目先は3700円から3750円までで上下両睨みの状態に。3700円台後半へと上方ブレイクできれば3800円の大台回復トライへ、3700円の節目割れの場合には下値トライ再開、3600円台前半までが目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格12/21とチャート
2021年12月21日(火)時点の相場
国内金:7,159 円 12/21(火)
▼32(
0.45%)
国内プラチナ:3,725 円 12/21(火)
▲19(
0.51%)
NY金:1,794.6 ドル 12/20(月)
▼10.3(
0.57%)
NYプラチナ:926.4 ドル 12/20(月)
▼8.1(
0.87%)
ドル円:113.62 円 12/20(月)
▼0.10(
0.09%)
12/20(月)のその他主要マーケット指標
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