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KOMTRAXが示唆する2021年末景況感、米中欧の三者三様
更新日:2021年12月22日(水)
米中欧・KONTRAX月次データ・前年比3ヵ月平均 2021年11月コマツ社製建設機械の月間平均稼働時間を示す、KOMTRAX月次データを前年比3ヵ月平均で見ると、米・欧・中3地域の景気動向のトレンドが見えてきます。
北米では2020年初から秋までの前年比-10%前後の落ち込みから、2021年春には前年比+8%まで急回復。その後はやや失速も、11月は前年比+3.0%。8ヵ月連続で前年同月を上回り、5ヵ月ぶりの高水準。年末に向けては伸び率再拡大。
ISM製造業景況指数がピークアウト後も60近辺で下げ渋り、11月には61.1へと反発していた状況、金融政策正常化へと舵を切った足下の状況にも一致します。

欧州では、2020年春の前年比-10%前後の落ち込みから、2021年春には前年比+10%超まで、北米を上回る勢いで急回復。しかし秋にかけては急失速。11月には前年比-0.2%。9月の-0.3%に続いて前年割れ。11月に限れば6年連続の前年割れ。年末に向けても低迷状態が継続。
ユーロ圏製造業PMIが60ポイント台のピーク水準から一段水準を切り下げながらも50台後半で下げ渋る状況にも似た推移となり、金融緩和継続を余儀なくされる状況にも一致。

中国では、2020年3月の前年比-30%の落ち込みから、2021年春先には前年比+40%台へと急回復。しかし5月以降は7ヵ月連続の前年割れ、6月以降の半年は-10%超、11月は-19.4%となって8ヵ月連続の低下、2020年3月(-30.5%)以来、1年8ヵ月ぶりの落ち込み。
財新の製造業PMIがこの夏以降は節目の50前後で推移し、11月は49.9へと再び節目割れへと反落した状況よりも、さらに低迷状態を示し、今週の利下げも頷ける状況のようにも。

KOMTRAXのデータでは欧米と比較して中国は上下に大きくブレやすいのが特徴ではあるものの、オミクロン株拡大による影響などが懸念される米欧の落ち込みと比較しても、中国の落ち込み度合いとその期間が長引きつつある状況が、何らかの兆候を示唆しているものではないことを願うばかりです。

NY金・日足チャート 2021/11/16 - 12/2121日のNY金相場は-5.9ドル、0.33%の続落。時間外は90-200日移動平均線(1791.4-1794.5)のダブル・サポートとの攻防から、ロンドン市場では1790ドル台後半へと小幅に一段水準を切り上げる形となり、NY朝には一時1800ドルの大台超え。しかし米10年債利回りが1.4%台後半へと上昇し、ドル高の流れも強まって失速、NY午後には1790ドル割れへと急反落。1800ドル台での上値の重さを確認し、90-200日線のダブル・サポートも崩れてダブル・レジスタンスへの警戒感も。下値は20日移動平均線(1783.5)近辺が目先のサポート候補にも、その下は1760ドルが比較的強めの、かつ重要なサポート。方向感は中立からやや上方向優勢を維持、上値再トライとなれば1830ドル近辺を目指す流れにも。

NYプラチナ・日足チャート 2021/11/16 - 12/21NYプラチナは+1.4ドル、0.15%の小反発。920ドル台での小幅保ち合いから、ロンドン市場で小幅に水準を切り上げて930ドル台半ばでの小幅保ち合いへ。下落基調の20日移動平均線(937.1)にも上値を押さえられ、NY市場では金の急反落にも連れて920ドル台へと逆戻り。NY引けにかけては930ドル再トライの様相にも、前日の下ヒゲからこの日は上ヒゲ長めの小さな十字線を形成し、保ち合いの様相にも。この日の変動値幅は16.1ドルにとどまり、今年の平均34.4ドルの半分以下、12月10日(15.4ドル)に次いで今年2番めの小動き。目先、抵抗感が強まる940ドルの節目を突破できれば980ドル台辺りまでを短期目標に上値トライへも。

ドル円・日足チャート 2021/11/17 - 12/21ドル円は47銭のドル高円安、0.41%の反発。11月末の急落以降の高値となり、11月25日(115.35)以来、4週間ぶりのドル高円安水準。東京・欧州時間の113円60銭台を中心に小幅揉み合い推移から、NY市場では上値トライへ。前日まで軟調推移が続いていた米株の反発基調が強まり、1.4%台前半での小康状態が続いていた米10年債利回りも1.4%台後半へと上昇基調となった流れに追随、114円台を回復するとNY午後には一時114円20銭まで上昇。NY終盤にかけては保ち合い上限114円10銭で上値を押さえられる形にも。今朝の東京市場では一時的に114円割れを挟んで再び114円10銭ラインとの攻防へ。これを上抜けることになれば上値再トライへ、短期上値目標は115円前後まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/21終値とチャート

22日の国内金価格は+16円、0.22%高で3日ぶりの反発。前日下落幅の半値戻しとなり、21日移動平均線(7143)割れを回避。その21日線を9日移動平均線(7145)が上抜け、並びだけは強気のパーフェクトオーダーに。21日線が下げ止まって上昇に転じることになり、その時点でもこの並びを維持できればもう一段の強気相場へ。そうなるためには7200円の節目超えが必須、そうなればまずは7240円近辺までが短期上値目標。NY金が上値トライへと向かうようなら7250円台へと一段高も。下値サポートは7150円、これを割れるようだと上値トライは腰折れ、7100円前後までの調整へ。

プラチナ価格は+25円、0.67%の続伸。12月13日(3779)以来10日ぶり高値となり、9日移動平均線(3731)を上抜けて弱気のパーフェクトオーダーを解消。小幅保ち合いレンジ上限、3750円に到達し、NYプラチナかドル円のどちらかの上昇圧力が強まれば上値トライの展開へ、短期上値目標は3800円の大台回復へ。下方向には3700円が比較的重要なサポート、割れると下値トライ再開となってまずは3630円程度までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格12/22とチャート

2021年12月22日(水)時点の相場
国内金:7,175 円 12/22(水) ▲16(0.22%)
国内プラチナ:3,750 円 12/22(水) ▲25(0.67%)
NY金:1,788.7 ドル 12/21(火) ▼5.9(0.33%)
NYプラチナ:927.8 ドル 12/21(火) ▲1.4(0.15%)
ドル円:114.09 円 12/21(火) ▲0.47(0.41%)
→12/21(火)のその他主要マーケット指標

←賃金上昇率<CPI=実質賃金減少→消費停滞懸念×8ヵ月 12/23(木)
→トルコでは通貨危機、景気減速の中国も利下げへ 12/21(火)
→バイデン政権の先行き不透明感が金価格を下支え? 12/20(月)
→6ヵ月続落のドイツ12月IFO景況感、製造業以外は急降下 12/18(土)

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