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米雇用コスト指数下振れも、コアPCEは38年ぶり高インフレ
更新日:2022年01月29日(土)
米・雇用コスト指数 2021年第4四半期米労働省が発表した2021年第4四半期の雇用コスト指数(ECI:Employment Cost Index)は前期比+1.0%。市場予想の+1.2%を下回り、第3四半期の+1.3%からも低下。賃金や給与、福利厚生など企業が負担する雇用関連コストを示すこの指数の伸びが鈍化したことで、物価のインフレ緩和にもつながるとの連想から、一時ドル高の流れが急速に巻き戻されて米10年債利回りも急低下。
しかし、第3四半期の+1.3%は過去最高であり、水準的には依然として高水準の伸びを持続。4四半期平均では+0.98%となり、4四半期続伸で2004年第2四半期(0.98)以来、17年半ぶりの高水準。

また、この日同時刻に商務省が発表した12月の個人消費支出物価指数(PCE)は前年比+5.79%。11月の+5.72%からは上昇したものの、市場予想の+5.8%程度とほぼ同等の水準にとどまったこともドル高一服要因となった模様。なお、PCEはここまで13ヵ月続伸で39年5ヵ月ぶりの高水準。
コアPCEは前年比+4.85%となり、市場予想の+4.8%を若干上回り、4ヵ月続伸で1983年9月(5.13)以来、38年3ヵ月ぶりの高水準。

さらに、ダラス連銀発表のトリム平均PCE(PCE構成品目の上位と下位の一定割合を除いて算出)は前年比+3.05%。11ヵ月続伸となり、1991年7月(3.10)以来、30年5ヵ月ぶりの高水準。
クリーブランド連銀のメディアンPCE(PCE価格変動分布の中央50%台のみで算出)は前年比+3.61%。7ヵ月続伸で1991年5月(3.73)以来、30年7ヵ月ぶりの高水準。

注目すべきインフレ指標は2021年末時点では、いずれも歴史的高水準にあり、緩和の兆しもまだ見られない状況となっています。

NY金・日足チャート 2021/12/23 - 1/2828日のNY金相場は-8.4ドル、0.47%安で3日続落。1月6日(1789.2)の水準をわずかに下回って今年安値を更新、昨年12月15日(1764.5)以来、1ヵ月半ぶりの安値。アジア時間に1800ドルの大台回復をかけた攻防に敗れ、ロンドン時間に戻り売り。米10年債利回りが1.8%台半ばへと上昇し、ドル高の流れにも連れてこの日の安値1780ドル近辺まで下落、NY市場では1780ドル台半ばを中心に揉み合い推移。米第4四半期雇用コスト指数の下振れを受けて米10年債利回りが1.8%割れへと急低下、ドル高の巻き戻しにも反応は限定的となり、NY引け後になんとか1790ドル台を回復。FOMCを経て想定以上に高まる利上げ観測とドル高警戒感などから上値の重い状態が継続。安値でも年初7日の1781.3ドルをわずかに下回るも、1780ドル割れを回避してダブルボトムと下げ止まりへの可能性も残す状態にも。ただし90日移動平均線(1797.6)から1800ドルの大台が抵抗水準となるようだともう一段の下値警戒感も、その場合には昨年秋以降の安値水準1760ドル近辺が次の下値目安に。
週間ベースでは-45.2ドル、2.47%安で3週ぶりの反落。

NYプラチナ・日足チャート 2021/12/23 - 1/28NYプラチナは-15.2ドル、1.49%の続落で1月18日(979.5)以来、10日ぶりの安値。アジア時間に1020ドル台から1030ドルまで小幅反発も、これを維持し切れずにロンドン時間から戻り売り。1020ドルの下値サポートをあっさり割り込むと一段安の展開に、1000ドルの大台も割れて安値では990ドル付近まで下落。NY市場では大台維持をかけた攻防となっての揉み合いも、NY午後には米株の反発基調にも追随する形で大台回復、NY引け後には1010ドル近辺まで反発。結果的に1020ドルの節目割れに伴う短期下値目安1000ドル前後に到達し、90日移動平均線(995.7)にもサポートされての自律反発。90日線から大台維持が目先のポイントにも、維持し切れなくなるようだと年末年始の保ち合い水準960ドル近辺が意識される可能性も。
週間ベースでは-28.5ドル、2.75%安で3週ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2021/12/27 - 1/28ドル円は12銭のドル安円高、0.1%安となって3日ぶりの反落。FOMC後の堅調な流れはこの日の欧州時間まで継続。東京時間に115円30銭台から40銭台へと小幅に水準を切り上げると、欧州序盤には115円60銭台へと一段高となって1月10日(115.85)以来3週間ぶり高値圏での揉み合い状態に。しかし115円70銭が超えられない状態が続くと、NY市場では米雇用コスト指数の下振れに反応する形で米10年債利回り急低下とともにドル安急進となって115円40銭割れへと急反落。NY午後には一時115円10銭台まで下げながらもNY終盤には20銭台へ。上ヒゲ十字線を形成しての急騰局面一服となったものの、流れはドル高方向へと転換し、114円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標116円10銭台辺りを目指す流れも継続。
週間ベースでは+1.55円、1.36%高となって3週ぶりの反発。昨年10月以来、3ヵ月半ぶりの大幅上昇。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/28終値とチャート

2022年01月29日(土)時点の相場
国内金:7,281 円 1/28(金) ▼48(0.65%)
国内プラチナ:4,114 円 1/28(金) ▼19(0.46%)
NY金:1,786.6 ドル 1/28(金) ▼8.4(0.47%)
NYプラチナ:1,006.6 ドル 1/28(金) ▼15.2(1.49%)
ドル円:115.24 円 1/28(金) ▼0.12(0.10%)
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