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外相会談に進展なし、米CPIは40年ぶり高インフレがさらに進展
更新日:2022年03月11日(金)
消費者物価指数(CPI)×NY原油 2022年2月トルコの仲介により、トルコ南部の地中海沿岸リゾート地アンタルヤで行われたウクライナとロシアの外相会談。停戦に向けて何らかの進展を期待する向きは決して多くはなかったものと推測され、理不尽な停戦条件一点張りのロシアと多少の妥協点も匂わせながら妥結点を探るウクライナとの交渉は案の定、全くの進展なし。
わずかに期待感を抱いていた向きの失望売りからリスク回避のドル買い、金買いがゆるかに再燃という展開に。

その流れはNY市場での米2月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、若干勢いを増す展開にも。
こちらも結果的には事前の市場予想どおりの結果ながら、40年ぶり高水準での一段高、高インフレはさらに一段と進展していることが確認され、さらなる進展さえ警戒される状況にも。

米労働省発表の2月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.87%となり、1月の+7.48%から一段と上昇。6ヵ月続伸で3ヵ月連続の7%台で1982年1月(8.39%)以来、40年1ヵ月ぶりの高水準。
コアCPIも前年比+6.41%となり、6ヵ月続伸で2ヵ月連続6%台、1982年8月(7.06)以来、39年半ぶりの高水準。

セクター別では食品が前年比+7.9%となって1981年以来の高水準となり、エネルギーも25.6%と高止まり。食品とエネルギー関連を除く商品価格は5ヵ月続伸で前年比+12.3%へと高騰。
エネルギー関連を除くサービス価格は6ヵ月続伸で+4.4%。
主要項目別では、中古車価格が前年比+41.2%と7ヵ月ぶり高水準へと一段高、航空運賃も+12.7%となって7ヵ月ぶり高水準、ガソリン価格は3ヵ月連続低下でも+38.0%と依然高止まり。
なお、NY原油価格は2月の月間平均で91.47ドル。3月は10日までの時点で111.90ドルへと跳ね上がっています。

指標発表後にはドル買いも進展、前日大幅調整となった金買いも進展しました。

NY金・日足チャート 2022/2/3 - 3/1010日のNY金相場は+12.2ドル、0.61%の反発。50ドル前後の急騰、急反落で行って来いとなった翌日は小反発でなんとか2000ドルの大台を維持した格好に。急落の余韻が残ったアジア時間には1990ドル近辺から1980ドル割れへと軟調推移、週初につけた今週安値1960ドル台の少し手前で下げ渋るとロンドン・NY市場にかけての反発で大台回復トライ。トルコで行われたウクライナ・ロシアの停戦協議で進展がなかったことなどが材料視され、NY市場では米2月CPIの結果を受けて高止まり。NY午後には2000ドルの大台ラインが下値サポートとなるよう足場固めの展開へ。短期的には2040ドル台までが主要レンジとなり、上限突破なら今年最高値圏2070ドル近辺再トライへ。2000ドルで足場が固まり切らない場合には1980ドル台が下値サポート、これを割れるようだと1月末安値から今年最高値の38.2%戻し(1964.9)から1960ドル近辺までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2022/2/3 - 3/10NYプラチナは-12.4ドル、1.12%の続落で3月3日(1080.8)以来、1週間ぶりの安値。40ドル前後の急騰、急反落で行って来いとなった翌日は反発し切れずに1100ドル割れ。1100ドル近辺から1080ドル台へと軟調推移継続の展開から、ロンドン市場で反発するとNY市場では金の堅調推移に追随する形で一時1110ドル超え、しかし1110ドルラインが抵抗線となる形で戻り売り。1080ドル近辺まで、30ドルほどの急反落後は1100ドルまでのレンジで小幅揉み合い状態に。目先は1080ドルが下値サポートとなるかどうか、20日移動平均線(1073.1)も下抜けるようだと1030ドル台まで水準を切り下げる可能性も。上方向には1110ドルが抵抗線とならなければ最大1150ドル台までが目先の主要レンジ上限にも。

ドル円・日足チャート 2022/2/4 - 3/10ドル円は28銭のドル高円安、0.24%高で4日続伸。1月4日(116.14)以来、2ヵ月ぶりのドル高円安水準。日経平均の大幅反発にも連れた東京朝には115円90銭近辺から116円トライ、午後には一時116円20銭近辺まで上昇。しかし欧州時間にかけて失速すると、予想どおりながら期待はずれとなったトルコでの外相会談を受けて115円80銭台まで下落。NY市場ではこれも予想どおりながらインフレ加速の米CPI結果を受けて再び116円20銭近辺まで急反発。その後は116円ラインでの足場固めを経て今朝の東京市場では116円20銭超え再トライ。今年最高値116円30銭台が射程圏内となり、インフレ材料やリスク回避などで強めの材料などがあれば短期上値目標116円半ばから、116円台後半へと上値を伸ばすような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/10終値とチャート

11日の国内金価格は+36円、0.44%の反発。今年最大の急騰の翌日に今年最大の急反落となり、上に行って来いとなった次の日はその5分の1にも満たない小反発。それでも結果的には8100円割れで下げ渋る形となって高止まり、とも言える状態に。8090円が目先の下値サポートとなり、これを維持できなくなるようだと調整幅拡大へ、1月末安値から最高値の23.6%戻し(8050)から8030円程度までが短期下値目安に。最高値更新で8300円超へと向かうようなら8400円が意識される展開にも。
週間ベースでは+277円、3.53%高となって6週続伸。4ヵ月ぶりの大幅高となり、今年ここまで10週のうち9週上昇。

プラチナ価格は-46円、1.05%の続落で3月3日(4303)以来、1週間ぶりの安値。3%超の急騰翌日に6%超の急反落、倍返しでは済まずに1%超の追加一段安。3月初旬の急騰分を帳消し、2月後半の保ち合い水準まで逆戻り。方向感はほぼニュートラル状態となり、短期的には一服感からの下げ止まりも、12月安値から3月高値までの38.2%戻し(4302)近辺が下値サポートにも。
週間ベースでは-13円、0.3%の小反落。
※参考:金プラチナ国内価格3/11とチャート

2022年03月11日(金)時点の相場
国内金:8,131 円 3/11(金) ▲36(0.44%)
国内プラチナ:4,330 円 3/11(金) ▼46(1.05%)
NY金:2,000.4 ドル 3/10(木) ▲12.2(0.61%)
NYプラチナ:1,095.2 ドル 3/10(木) ▼12.4(1.12%)
ドル円:116.13 円 3/10(木) ▲0.28(0.24%)
→3/10(木)のその他主要マーケット指標

←賃金上昇率中央値は過去最高、ゼロ賃金は13年ぶり低水準 03/12(土)
→世界のプラチナ需給-2021年第4四半期 03/10(木)
→ウクライナ危機で買われるドルと金、逆相関に決別 03/09(水)
→ロシアの世界シェア37%、供給不安のパラジウムは一時3300ドル 03/08(火)

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