5月0.5%利上げ織り込み国内金価格は高止まり
更新日:2022年04月04日(月)
歴史的高インフレが続く米国では、ほぼ完全雇用レベルまで回復してきた雇用統計の結果を踏まえ、5月FOMCでの0.5%利上げを織り込む動きが急速に進行?かと思いきや、70%近辺まで織り込んだ1週間前からほぼ横ばい推移。ウクライナ情勢や逆イールドへの警戒感なども影響してか、膠着状態となってきた様子も。とは言え、複数のFRB高官から0.5%利上げを肯定する見解も示され、直近では数少ないハト派の代表格、サンフランシスコ連銀デイリー総裁もこの週末に「5月会合での0.5%利上げ論拠強まる」発言。
地政学リスクに利上げ加速観測が交錯する状態に横ばい推移傾向が強まるNY金は先週末の1920ドル台を維持しての小幅保ち合い状態で週明け時間外をスタート。利上げ開始に伴い円安基調が急速に進行しながらも125円到達を機に国内での悪い円安警戒論によって調整、それでも利上げ幅拡大観測で円安再開の兆しもあるドル円は122円半ばでの攻防状態が先週末から継続中。
急速に価格水準を切り上げてきた国内金価格もここに来て一服状態。ボリンジャーバンドもレンジを急縮小、ただし調整幅も限定的となっての高止まり。足下では、
ウクライナ危機で注意すべき想定可能な国内金価格の高値目安の1番め、8257円がサポートに切り替わった状態にも。もう一段の調整進行なら、1月末安値(7244)から最高値(8397)までの23.6%戻し(8125)辺りが次のサポート候補にも。
4日の国内金価格は-24円、0.29%安で3日ぶりの反落。上昇軌道を維持する9日移動平均線(8296)を2週間ぶりに割り込んで強気相場崩れに。8250円から8300円までが目先の主要レンジとなって保ち合い形成の様相にも。主要経済指標の発表が少ない今週は、多数のFRB関係者の発言によって5月FOMCに向けたマーケット世論誘導も予想されそうな週にも。短期的な方向感としては調整圧力のほうがわずかに優勢か、下限割れなら8200円割れへ。16日(7988)から最高値(8397)までの半値戻し(8193)近辺までが短期下値目安。8300円超えへと反発できれば8370円前後までが上値目標に。
NYプラチナも先週末の990ドル付近での小幅保ち合い状態のまま週明け時間外をスタート。国内プラチナ価格は3月の乱高下から足下の軟調気味の推移も、ボリンジャーバンドはレンジ拡大状態のまま横ばい推移。しかし20日移動平均-2シグマラインがわずかに垂れ始め、軟調局面を示唆。中期的には昨年5月から9月までの下げ幅の61.8%戻し(4286)が地合い回復に向けての重要な攻防ラインにも。
4日のプラチナ価格は+13円、0.31%の反発。短中期的には3月高値(4678)を中心に2月高値(4372)と3月末高値(4351)とで三尊天井を形成中、ネックラインとなる3月安値(4099)を下回るとさらに大きく水準を切り下げる可能性も。その反面、3月安値(4099)を中心に3月初旬安値(4185)と4月安値(4184)とで逆三尊形成の可能性も。ただし短期サポート4180円を割れると逆三尊崩れとなって短期的には一段安へ、4130円近辺までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格4/4とチャート
2022年04月04日(月)時点の相場
国内金:8,269 円 4/4(月)
▼24(
0.29%)
国内プラチナ:4,197 円 4/4(月)
▲13(
0.31%)
NY金:1,923.7 ドル 4/1(金)
▼30.3(
1.55%)
NYプラチナ:988.6 ドル 4/1(金)
▼7.2(
0.72%)
ドル円:122.57 円 4/1(金)
▲0.88(
0.72%)
4/1(金)のその他主要マーケット指標
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