国内金価格の短期トレンド転換点
更新日:2022年05月16日(月)
北欧の中立国フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請する方針をこの週末に正式決定し、隣国の中立国スウェーデンでも与党が加盟支持を決定。NATO新規加盟には全30カ国の承認が必要となり、トルコが難色を示すというハードルは残るものの、ロシアのウクライナ侵攻を受けて軍事的世界情勢が変化する歴史的転換点が訪れようかという状況に。
マーケットではNYダウが21年ぶりの7週続落となり、歴史的高インフレに後手を踏んだFRBが歴史的ハイペース利上げを余儀なくされつつあり、その先の景気落ち込みを急速に織り込む形で米株は下落トレンドが継続中。こちらは既に転換点を過ぎた感もある2022年5月半ば。
5月後半へと折り返す週初、時間外のNY金は1810ドル近辺。先週末からわずかに反発の兆しも値動きは極めて限定的。ドル円は調整局面からの大幅反発となった週末の勢いが残る週明け、129円30銭台から50銭台へと上昇スタート。
16日の国内金価格は+11円、0.13%の反発。週末の大幅安からの戻りは限定的となって短期下落局面の範囲内。短期的には8400円の節目割れに伴う下値目安8350円程度を突き抜けての一段安後に下げ渋る状態でもあり、反発し切れない状態にも。1月末の今年安値(7244)から4月20日の最高値(8860)までの38.2%戻し(8243)到達後にさらなる一段安か、一定の達成感からの反発局面形成か、今後の流れを左右する転換点を迎えて方向感が定まらない様相にも。
日足・一目均衡表でも基準線(8549)と転換線(8441)を下抜け、切り上がる雲の上限ライン(8162)手前で下げ渋る状態。ただし遅行線は26日前の水準(8269)を下回って二役逆転状態。次回6月FOMCが開催される1ヵ月先の6月14日には雲の下限ラインも上抜けることになる38.2%戻し(8243)の水準は、弱気相場入りへの重要な転換点にも。
プラチナ価格も先週末の大幅安から+11円、0.26%の反発。930ドルから940ドル近辺へと反発スタートのNYプラチナにもサポートされながら戻りは限定的。乱高下状態が続く展開に短期的には堅調方向への流れが急速に巻き戻される状態にあり、9日移動平均線(4300)や21日移動平均線(4302)にも上値を押さえられた格好にも。この水準を突破できないようなら、4330円の節目割れに伴う短期下値目安4240円近辺までの下値トライ継続の可能性。
日足・一目均衡表では基準線(4299)を下回りながらも転換線(4273)を上回り、雲の下限(4292)にサポートされながらも上限(4328)までの狭いレンジで推移する薄くなった雲を上へ下へと上下動。遅行線も26日前の水準(4197)を現時点では上回りながらも乱高下状態の価格ラインとの揉み合い状態に。ちょうど雲のねじれ付近で三角保ち合いの先端部分にも到達し、上下どちらかへのトレンド形成に向け、今まさに転換点を迎えつつある状態にも。
※参考:
金プラチナ国内価格5/16とチャート
2022年05月16日(月)時点の相場
国内金:8,249 円 5/16(月)
▲11(
0.13%)
国内プラチナ:4,292 円 5/16(月)
▲11(
0.26%)
NY金:1,808.2 ドル 5/13(金)
▼16.4(
0.90%)
NYプラチナ:930.7 ドル 5/13(金)
▼0.7(
0.08%)
ドル円:129.26 円 5/13(金)
▲0.96(
0.75%)
5/13(金)のその他主要マーケット指標
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