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異例の0.75%利上げで年末3.375%へ、2024年には利下げも
更新日:2022年06月16日(木)
FOMC・FF金利予想中央値 2022年6月0.75%利上げは1994年11月以来、27年7ヵ月ぶり。0.5%利上げを予告していたパウエルFRB議長はブラックアウト期間のCPI上ブレと、ミシガン大消費者信頼感指数の1年先インフレ期待が40年ぶり高水準へと再浮上、5年先インフレ期待も14年ぶり高水準へと急上昇したことを受けて急遽軌道修正。異例の0.75%利上げを報道ベースで市場に織り込ませる裏技でなんとか難を逃れた格好にも。

さらに次回、7月会合でも0.75%利上げの可能性を示唆しながらも、あくまで選択肢のひとつと軌道修正余地を残し、引き続き波乱対策とサプライズ回避で株価安定化対策にも抜かりなし。
先行き不透明感の一定程度解消にも寄与し、米株は大幅反発。NY金も一段安リスクを回避して一定の反発へと切り返し。

そして、FF金利の年末見通しは中央値で3.375%へ。2023年末予想中央値が3.625%となり、2023年には0.25%利上げ1回のみ、という計算に。
FOMCでの予想どおりとなることは過去にも1回もなく、外れることが前提ながら、万が一にもこれに近い状態となった場合には、2023年序盤に最後の利上げをして、打ち止め。2024年には0.25%の利下げを1回で3.375%へ。

利上げ見通しにおけるピーク水準とピーク時期が今後、徐々に明確化されていくことにもなります。市場コンセンサスがある程度固まり始めると、NY金の底打ちも意識されやすくなりそうです。

NY金・日足チャート 2022/5/11 - 6/1515日のNY金相場は+6.1ドル、0.34%高となって3日ぶりの反発。FOMC前日までの下値トライへの流れはいったん巻き戻し、時間外には1810ドル割れから戻りを試す展開となってロンドン市場までに1820ドル台を回復。NY午前には米10年債利回り低下に連れて1830ドル台後半まで上昇もNY引けにかけては1820ドル近辺へと逆戻り。NY引け後のFOMC結果は想定の範囲内、次回以降の見通しなどを含めるとややハト派的とも言え、長期金利低下とドル安、株高にも連れて1840ドル台へと急反発。しかし直近保ち合い下限、200日移動平均線(1842.9)なども集中する1840ドル台を維持できず、過去のサポートがレジスタンスに切り替わる格好にもなって1830ドル台へと小反落。それでも5月安値圏1810ドル近辺が目先の下値サポートとなって二番底形成への可能性を残しての反発の兆しとなり、あらためてこれを割れた場合でも短期的には1790ドル近辺までの下押しにとどまる可能性も。上方向へは200日線が地合い回復に向けての攻防ライン。

NYプラチナ・日足チャート 2022/5/11 - 6/15NYプラチナは+13.9ドル、1.53%高で7日ぶりの反発。6日続落で1ヵ月半ぶり安値をつけての下値トライ一服。FOMC直前というタイミングの悪さにも市場全体のリスク回避一服の流れに追随する形で910ドル近辺から反発基調。ロンドン市場で920ドル台、NY朝には940ドル台まで上昇も、NY引けにかけては920ドル近辺へと巻き戻し、FOMC後には930ドル台へと再浮上。目先は現状水準930ドル台以上を維持することができれば下値トライへの可能性も大きく後退。950ドル台から20日移動平均線(965.0)までが上値抵抗線候補に。

ドル円・日足チャート 2022/5/12 - 6/15ドル円は160銭のドル安円高、1.18%の大幅安となって9日ぶりの反落。6月7日(132.63)以来、1週間ぶりの安値。東京朝に前日高値をわずかに上回って135円50銭台まで上昇、23年8ヵ月ぶり高値を更新した後はFOMC前のポジション調整と警戒感から軟調推移。東京午後に134円50銭台まで下落すると欧州・NY午前までは134円半ばでの小幅揉み合い状態に。FOMC直後には0.75%利上げに反応して135円付近まで急騰も、パウエルFRB議長会見を経て軟調推移、NY終盤にかけて133円50銭近辺まで下落。今朝の東京市場で134円を回復すると134円50銭台へと押し目買いの様相に。目先、135円50銭超へと高値更新となれば137円トライの展開にも。高値更新できずに軟調な展開となった場合には3月末安値から6月高値の23.6%戻し(132.18)近辺までが調整目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/15終値とチャート

16日の国内金価格は+45円、0.52%の続伸。5月安値(8181)から6月高値(8859)までの38.2%戻し(8600)達成後の反発で、9日移動平均線(8638)が上昇軌道を維持しているうちにFOMC通過とともにこれを上抜け。パーフェクトオーダー再構成となって最高値更新再トライへの可能性も残した格好にも。上方向への攻防ポイントは保ち合い形成最高値圏8680-8730円。下方向へば8580円の節目を割れると調整再開、8500円割れへと一段安も。

プラチナ価格は+73円、1.67%高で3日ぶりの反発。中期抵抗水準で跳ね返された後の軟調局面での戻りを形成した状態。下げ止まって中期抵抗線再トライへと向かう為には4540円が当面の抵抗水準。これを突破できれば4600円台回復と4700円の大台も視野に中期抵抗線再トライへ。下方向へ4360円を割り込むようだと軟調局面継続、90日移動平均線(4303)と4300円割れへと一段安の展開へ。
※参考:金プラチナ国内価格6/16とチャート

2022年06月16日(木)時点の相場
国内金:8,644 円 6/16(木) ▲45(0.52%)
国内プラチナ:4,438 円 6/16(木) ▲73(1.67%)
NY金:1,819.6 ドル 6/15(水) ▲6.1(0.34%)
NYプラチナ:924.6 ドル 6/15(水) ▲13.9(1.53%)
ドル円:133.84 円 6/15(水) ▼1.60(1.18%)
→6/15(水)のその他主要マーケット指標

←フィリー指数も期待指数とともにマイナス圏へと急低下 06/17(金)
→PPIは予想を下回って続落、CPI格差も11ヵ月ぶり水準へと縮小 06/15(水)
→FOMC直前、0.75%×2+0.5%×3=年末FF金利3.875%へ 06/14(火)
→大幅利上げ<インフレ+リスク回避+円安=金価格高値再トライ 06/13(月)

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