フィリー指数も期待指数とともにマイナス圏へと急低下
更新日:2022年06月17日(金)
歴史的高インフレ抑制に向けてFRBによる歴史的大幅利上げを好感したように前日反発した米株は一転、この日は世界同時株安の様相となってリスク回避の流れに。
FRBの大幅利上げの翌日は、スイス国立銀行の予想外の利上げに英BOEの連続利上げなど、世界的高インフレ対策で世界同時利上げフェーズが急速に進行する状況にもなり、あらためてスタグフレーション懸念再燃の様相にも。
それを象徴するように、米経済指標ではピークアウトやボトムアウト、改善フェーズを終えて悪化傾向がスタートしている状況を示唆するような指標も続出。
既にピークアウトしている米住宅市場では、前日のNAHB住宅市場指数が2年ぶり低水準となったのに続き、この日は住宅着工件数が13ヵ月ぶり低水準、前月比では2年1ヵ月ぶりの急減。先行指標となる建設許可件数も8ヵ月ぶり低水準。
ほぼ完全雇用達成状態の労働市場では、失業保険申請件数の4週移動平均が4ヵ月ぶり高水準となり、上昇傾向が続いてボトムアウト懸念も高まる状況に。
ISM景況感指数に代表される、景況感を示す指標も既にピークアウトして徐々に悪化傾向へと向かい始める状況に。
この日発表された6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は-3.3となり、市場予想の5.0を下回って予想外のマイナス圏入り。3ヵ月続落でコロナ後最低、2年1ヵ月ぶりの低水準。
構成指数では新規受注、出荷、受注残などがいずれも2年前後ぶりの低水準に落ち込み、半年先の見通しを示す期待指数は-6.8。5ヵ月続落でマイナス圏へと急低下、2008年2月(-12.4)以来、14年4ヵ月ぶりの低水準に。
新規受注見通しも-7.4へと急低下でマイナス圏入り、1995年3月(-8.9)以来、27年3ヵ月ぶりの低水準。
受注残見通しは-32。10ヵ月連続マイナス圏での急低下で1979年1月(-32.9)以来、43年5ヵ月ぶりの低水準。
前日のNY連銀に続いて総合指数のマイナス圏入りとなり、地区連銀の製造業景況感ではピークアウトだけでなく、拡大縮小の節目割れへ、悪化傾向が進行し始めています。
16日のNY金相場は+30.3ドル、1.67%の続伸。上げ幅は今年の絶対値平均15.2ドルの2倍、3ヵ月ぶりで今年6番めの大幅高。6月10日(1875.5)以来、1週間ぶりの高値。FOMC後の時間外は1830ドル台での小幅揉み合い推移、ロンドン市場では米長期金利上昇とドル高の流れから一時1820ドル割れへと下押しも、NY市場で流れが反転。スイスや英国での利上げに続き、米国の住宅・雇用・景況感など一連の指標悪化などもあり、米10年債利回りは3.4%台から3.2%台へと急低下、ドルインデックスも105ポイント近辺から104ポイント割れへと急落し、欧米株は大幅安。リスク回避の流れでNY金は1840ドル台へと急騰、NY引け後には1860ドルにもワンタッチ。1810ドル割れで折り返した前日安値からの反発局面加速となり、二番底形成への可能性を維持して水平状態の200日移動平均線(1843.0)も上抜け、5月半ば以降の持ち合い形成水準を回復。1810ドルから1880ドルまでのレンジ半ばで方向感見極めの中立状態に。
NYプラチナは+26.5ドル、2.87%の大幅続伸で6月10日(971.0)以来、1週間ぶりの高値。時間外序盤の940ドル近辺からNY朝にかけて920ドル近辺まで下押し後に反発。NY午後には940ドル台を回復し、高値では950ドルの節目との攻防、上値を押さえられるとNY引けにかけては940ドル台へと小反落。目先、950ドルの節目から20日移動平均線(966.4)までがやや強めの抵抗帯にも、地合い回復と上値再トライに向けての重要な攻防水準。下方向へは910ドルが当面の下値サポート。これをを割れるようだと短期的には890ドル程度までの一段安も。ただし中期的に900ドル前後は昨年秋以降の安値圏として逆三尊を形成する重要なサポート。もしこの水準を大きく割り込んだ場合、中期的には一段安が警戒される重要水準。
ドル円は166銭のドル安円高、1.24%の大幅続落。前日の-160銭を超え、下げ幅としては今年の絶対値平均53銭の3.1倍超、5月12日(-169銭、1.3%)に次いで今年2番めの急落。水準としては6月6日(131.90)以来、10日ぶりの安値。FOMC後の安値133円50銭台からの反発基調はこの日の東京市場終了まで継続、高値では134円60銭台まで上昇し、東京午後には134円40銭近辺での小幅揉み合い推移。134円60銭台へと再上昇後に戻り売り、欧州時間にはスイス国立銀行の予想外の利上げを受けて世界同時利上げ加速への警戒感からリスク回避の株安・円高の流れも強まり132円30銭台まで、2円30銭程の急落。NY市場では一連の経済指標悪化もあり、NY午後には131円40銭台まで一段安。この日の高値から安値まで3円超の急落後にはNY終盤にかけて132円台を回復。この日の変動値幅319銭は今年の平均104銭の3倍超、今年最大でコロナショック時の2020年3月13日(382銭)以来2年3ヵ月ぶりの大幅変動。NY終値では3月末安値から6月高値の23.6%戻し(132.18)近辺に収束し、調整一服にも。今朝の東京市場では133円台へと大幅反発中。ピークアウトした5日移動平均線(134.05)が上値再トライに向けての攻防ラインにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/16終値とチャート
17日の国内金価格は-24円、0.28%安で3日ぶりの反落。上昇軌道を維持する9日移動平均線(8652)上抜けに失敗、強気のパーフェクトオーダー再構成をかけた重要ラインとの攻防状態となり、5月安値(8181)から6月高値(8859)までの38.2%戻し(8600)付近での保ち合い形成にも。8650円の上限を突破し、9日線も上抜けできれば上値トライ再開を目指す流れへ、8700円台回復が短期上値目標に。8580円の下限割れなら調整局面再開、下値目安は8500円割れへ。
週間ベースでは-68円、0.78%安で3週ぶりの反落。
プラチナ価格は-38円、0.86%の反落。中期三角保ち合い上抜けに失敗し、6月高値から水準を切り下げる流れのなかで、戻り局面からの反落も直近安値を下回らず、保ち合い形成の可能性を残しての下げ渋り。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(4412)を上抜けて4440円超へと反発できれば上値トライ再開への可能性、4500円台回復が短期上値目標に。4360円割れへと向かえば軟調局面再開、90日移動平均線(4306)から4300円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは-94円、2.09%の続落。
※参考:
金プラチナ国内価格6/17とチャート
2022年06月17日(金)時点の相場
国内金:8,620 円 6/17(金)
▼24(
0.28%)
国内プラチナ:4,400 円 6/17(金)
▼38(
0.86%)
NY金:1,849.9 ドル 6/16(木)
▲30.3(
1.67%)
NYプラチナ:951.1 ドル 6/16(木)
▲26.5(
2.87%)
ドル円:132.18 円 6/16(木)
▼1.66(
1.24%)
6/16(木)のその他主要マーケット指標
日銀現状維持で円高一服、米鉱工業生産も好調維持でドル高 06/18(土)異例の0.75%利上げで年末3.375%へ、2024年には利下げも 06/16(木)PPIは予想を下回って続落、CPI格差も11ヵ月ぶり水準へと縮小 06/15(水)FOMC直前、0.75%×2+0.5%×3=年末FF金利3.875%へ 06/14(火)
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