ユーロ圏消費者信頼感指数、7月は過去最低に
更新日:2022年07月21日(木)
欧州委員会が発表した7月のユーロ圏消費者信頼感指数は-27.0。市場予想を下回り、5月の-23.8からも低下して続落、コロナショック時の最低2020年4月(-24.5)も下回って過去最低。
なお、欧州債務危機の時の最低は2012年12月(-21.5)、リーマンショック後の世界金融危機での最低は2009年2月(-22.3)。
米国ではミシガン大発表の消費者信頼感指数が6月に過去最低となって危機感が高まりましたが、7月速報では小反発となって一安心という状態に。しかしユーロ圏では一段安となって米国とは逆行。インフレ高騰に苦しむ状況としては米欧ともに同様に厳しい状況ながら、エネルギー問題では自給可能な米国に対し、ロシア頼みだったツケが回ってきたユーロ圏では大問題。対中国貿易量の多いユーロ圏では中国の景気減速の影響も高まる状況に対して、米国は対中依存を低下方向へと試行錯誤。
さらに、金融政策でも先行する米国は今月も0.75%利上げが確実視される一方で、ECBはようやくマイナス金利解除へと向かう状況となり、大勢としてはドル高ユーロ安の流れが続くことも輸入物価高騰抑制につながる米国に対して、ユーロ圏では輸入物価高騰が続いてインフレ高騰要因の一つに。
この日発表されたドイツの6月生産者物価は前年比+32.7%。過去最高となった5月の+33.6%からは小幅鈍化も、米国の6月PPI(前年比+11.29%)の3倍の伸び。
6月確報時点では、フランスが-21.0となって2020年4月(-21.8)以来、2年2ヵ月ぶり低水準、ドイツは-19.9となって2009年4月(-20.6)以来、13年2ヵ月ぶりの低水準となっていました。
近年、ほぼ常時フランスの数値を上回ってきたドイツの消費者信頼感指数は、7月に大幅低下が見込まれ、フランスを下回ってユーロ圏の過去最低を牽引していた可能性もありそうです。
20日のNY金相場は-10.5ドル、0.61%安となって3日ぶりの反落。昨年3月30日(1686.0)以来、約1年4ヵ月ぶりの安値。大幅利上げに対する警戒感も残るECB理事会の前日、そのECB総裁を経て首相まで登り詰めたドラギ首相の信任問題などから政権崩壊の危機にあるイタリア政局不安、ロシアからの天然ガス供給を巡るエネルギー問題などを背景に前日までのユーロ買い戻しが反転。NY市場でユーロドルが再び1.02ドル割れへと下落した流れにも追随する形となり、1710ドル近辺での保合いが崩れるとNY引け後には1700ドルの大台割れ、一時1690ドルまで下落して自律反発も限定的に。大台ライン付近での足場固めに失敗した形にもなり、このまま大台回復できなければ昨年8月安値(1677.9)近辺、1680ドル前後までが短期下値目安に。反発方向へは1710ドルが節目となり、上抜けできれば1740ドル近辺までの回復トライへも。
NYプラチナは-12.4ドル、1.44%安で4日ぶりの反落。840ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標860ドル台到達後の一服感から、右肩下がりの20日移動平均線(869.7)にも上値を押さえられての反落。時間外には860ドル付近から870ドル近辺まで上昇も、何度か試した20日線超えトライに失敗すると、ロンドン・NY市場にかけてはユーロドルとNY金の反落にも追随、NY引け後の840ドル近辺まで一方的に下落。短期的には底打ちの可能性を高めながらも短期下落トレンドからの脱却にはいったん失敗した形にもなり、包み線のようなチャート形状を残して反落の可能性が優勢となる状況にも。目先は810ドル台から860ドルまでのレンジで底値保合い形成の様相にも。860ドル超へと切り返すことができればトレンド転換トライへ、880ドル近辺までが短期上値目標に。
ドル円は9銭のドル高円安、0.07%の小幅続伸。東京朝の138円10銭台を中心に方向感なく小幅上下動、東京市場スタートとともに前日高値付近138円30銭台まで上昇したのが高値となり、午前中のうちに反落すると138円割れ、午後には一時137円90銭近辺まで下げてこの日の安値。欧州・NY時間にかけては振幅幅を縮小する形でNY午後には138円20銭台に収束。この日の変動値幅は47銭、今年の平均108銭の4割、今年7番目の小動き。主要中銀の金融政策会合待ちで動意縮小状態に。ただし日銀の無風、ECBの0.25%利上げ、FRBは0.75%利上げを織り込む状態が大勢となり、サプライズがなければ大幅変動には至らない可能性。それでも139円超へと抜け出すようなら上値トライ再開、140円台を目指す展開へ。調整圧力が強まれば137円割れも、136円80銭の節目も割り込むようならもう一段の調整となって135円半ば辺りまでが下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/20終値とチャート
21日の国内金価格は-84円、1.01%の反落で5月19日(8181)以来、2ヵ月ぶりの安値。急降下してきた9日移動平均線(8318)に押し込まれ、8280円から8370円までの保合いレンジ下限を大きく割り込む形に。FOMC前に早々と下落トレンド脱却に失敗、短期下値目安8200円近辺まで、もう少しの下落余地も残す状況に。少し行き過ぎると中期ダブルトップのネックライン8180円近辺、中期トレンド転換点となりうる重要水準もチラつく状況にも。8320円が反発方向への節目、上抜けると8400円台回復トライへ。
プラチナ価格は-102円、2.42%安で3日ぶりの反落。4130円の節目上抜けに伴う短期上値目標4220円近辺に到達し、一服感からの反落も勢い余って2日分の上げ幅をほぼ帳消し、せっかく上抜けた9日移動平均線(4160)を再び下抜けて弱気のパーフェクトオーダー再開。このままズルズルと4110円の節目も割り込むようだと、今年2月以降の中期下値サポート4100円近辺も割れて下値再トライへ、短期的には4000円の大台ライン前後までが下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格7/21とチャート
2022年07月21日(木)時点の相場
国内金:8,234 円 7/21(木)
▼84(
1.01%)
国内プラチナ:4,117 円 7/21(木)
▼102(
2.42%)
NY金:1,700.2 ドル 7/20(水)
▼10.5(
0.61%)
NYプラチナ:846.5 ドル 7/20(水)
▼12.4(
1.44%)
ドル円:138.27 円 7/20(水)
▲0.09(
0.07%)
7/20(水)のその他主要マーケット指標
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