6月PCE=6.8%、40年5ヵ月ぶり高水準で利上げ圧力も高止まり
更新日:2022年07月30日(土)
米商務省が発表した6月PCEインフレは前年比+6.76%。ほぼ市場予想どおりながら、1982年1月(6.93)以来、40年5ヵ月ぶりの高水準。3月の+6.64%で一度はピークアウトしたかにも見えたPCEは再加速。
コアPCEも前年比+4.79%となり、市場予想の4.7%程度を上回り、4ヵ月ぶりの上昇で2ヵ月ぶり高水準。2月の+5.31%でいったんピークアウトした可能性は残るものの、低下基調もいったんストップして高止まり。
セクター別では商品価格が前年比+10.4%となって5月の9.6%を大幅に上回り、3月の+10.6%に次ぐ高水準へと再上昇。サービス価格は前年比+4.9%で前月まで4ヵ月連続+4.6%の横ばい推移から再加速。エネルギー関連が+43.5%で前月の+35.6%から一段と高騰。食品価格も+11.2%で13ヵ月連続上昇。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+4.34%。5月の+3.96%から一段と上昇、17ヵ月連続の上昇で1983年4月(4.47)以来、39年2ヵ月ぶりの高水準。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+5.27%。5月の+4.79%を上回って13ヵ月連続上昇、1982年11月(5.32)以来、39年7ヵ月ぶりの高水準。
米労働省が発表した4-6月期の雇用コスト指数は前期比+1.3%。市場予想の+1.2%を上回り、過去最大となった1-3月期の+1.4%に次ぐ高水準。
賃金上昇圧力の高止まりを示す結果となり、インフレ高止まりの状況と合わせて利上げ圧力も引き続き高止まり。
調整局面に入ってドル売りがやや急速に進行してきた流れは、一定の巻き戻しとなりました。
29日のNY金相場は+12.6ドル、0.71%高で3日続伸。7月1日(1801.5)以来4週間ぶり高値圏での一段高。3月高値(2078)から7月安値(1678.4)までの23.6%戻し(1772.9)到達後の一服状態は長くは続かず、時間外序盤から上値トライ再開となって1780ドル台へ、1780ドル台半ばで失速するとロンドン・NY朝にかけてはドル安の巻戻しが進行した流れに連れて1770ドル近辺へと調整。しかし米6月コアPCEや4-6月期雇用コスト指数の上ブレを受けてのドル高も長くは続かず、NY午後には1780ドル近辺へと反発。一定の反発をこなした状態となり、目先は月初の重要指標結果を受けてのスタグフレーション懸念の動向と米ドルの調整継続、もしくは巻戻し状況によって上下に振られる展開にも。サポート候補は23.6%戻しの1770ドルから1750ドル近辺、一段高の目安としては1800ドルの大台回復トライも。
週間ベースでは+54.4ドル、3.15%の続伸。2月28日からの週(+79.0ドル、4.19%)以来5ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。月間では-25.5ドル、1.41%安で4ヵ月続落。4ヵ月続落は2020年11月以来、1年8ヵ月ぶり。
NYプラチナは+13.0ドル、1.48%の反発。アジア時間には880ドル近辺から上値トライ再開、890ドルを超えると一時900ドル付近まで急騰。わずかに大台ラインに届かず失速するとロンドン市場では890ドル割れ、NY午前には一時880ドル割れも金の反発に追随する形でNY午後には890ドル近辺へ。短期上値トライ一服後の890ドルの抵抗感は変わらず、1回めの大台回復トライには失敗。目先、下げ止まりつつある20日移動平均線(857.6)から860ドル近辺がサポート候補、3月高値(1197.0)から7月安値(815.8)までの23.6%戻し(905.8)、900ドルの大台近辺が当面の抵抗帯に。これを突破できれば950ドル近辺から38.2%戻し(961.4)辺りまでが視野に。
週間では+22.6ドル、2.61%の続伸。月間では-5.5ドル、0.61%の小幅続落。
ドル円は98銭のドル安円高、0.73%安で3日続落。6月16日(132.18)以来、1ヵ月半ぶりの安値水準。東京朝に134円20銭台から60銭台まで反発し、この日の高値をつけて戻り売り。前日安値134円20銭近辺を割れると急降下、134円を割れて東京午後には133円付近、東京市場終了とともに132円50銭まで一段安。ひとしきり売り込まれた状態で下げ渋ると欧州時間には買い戻し優勢の展開へ、米10年債利回りの反発とともにドル高の流れとなってNY時間には134円60銭付近まで上昇もこの日の高値更新には失敗。PCEインフレ高止まりなどを受けての買いも限定的となり、NY午後には133円20銭台まで反落。水準的には5月安値(126.36)から7月高値(139.39)までの半値戻し(132.88)を達成しての反発も38.2%戻し(134.41)を維持できず。この38.2%戻しが引き続き戻りの目安となり、135円を回復できれば調整一服と反発への動きにも。下方向への行き過ぎ警戒水準としては6月半ばの押し目水準とも重なる61.8%戻し(131.34)近辺まで。
週間では-2.86円、2.1%の続落。下げ幅としては2020年3月23日からの週(-2.88円、2.6%)以来、2年4ヵ月ぶりの急落。月間では-2.51円、1.85%の反落。2019年8月(-2.42円、2.23%)以来、2年11ヵ月ぶりの大幅安。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/29終値とチャート
2022年07月30日(土)時点の相場
国内金:8,298 円 7/29(金)
▼31(
0.37%)
国内プラチナ:4,147 円 7/29(金)
▼44(
1.05%)
NY金:1,781.8 ドル 7/29(金)
▲12.6(
0.71%)
NYプラチナ:889.8 ドル 7/29(金)
▲13.0(
1.48%)
ドル円:133.23 円 7/29(金)
▼0.98(
0.73%)
7/29(金)のその他主要マーケット指標
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