NY連銀製造業景況指数8月は予想外の急低下で円高ドル高
更新日:2022年08月16日(火)
8月のNY連銀製造業景況指数は予想外の急低下。市場予想の5.0程度を大きく下回る-31.3。2ヵ月ぶりのマイナス圏への落ち込みでコロナショック時の2020年5月(-48.5)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。7月の11.1からは-42.4ポイントの急低下となり、過去最大の急低下となった2020年4月(-56.7)に次いで過去2番めの大幅悪化。
構成指数では新規受注が-29.6、出荷も-24.1。いずれも前月までの2ヵ月連続プラス圏からの急低下となり、コロナショック時の2020年5月以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
その他、入荷遅延も-0.9で2年3ヵ月ぶり低水準。期待指数は2.1となり、20年ぶり低水準となった7月(-6.2)からは上昇も2020年4月以降の2年5ヵ月間では2番めの低水準。また、設備投資も12.7で1年10ヵ月ぶり低水準。
インフレ関連指標では、仕入れ価格が55.5で2021年1月(45.5)以来、1年7ヵ月ぶりの低水準。6月の64.3から-8.8の低下で過去最高となった4月(86.4)からは30ポイント超の大幅低下。しかしコロナ後の急騰・高止まりからの低下も依然として高水準。2020年以前では2011年6月(56.1)以来、11年2ヵ月ぶりの高水準。
販売価格は32.7で1年4ヵ月ぶり低水準となった7月(31.3)からは小幅に上昇。しかしこれもコロナ後の急騰局面からの低下も依然高水準。2021年3月以前では(2001年7月以降で)過去最高。
インフレ高止まりが需要の急激な落ち込みにつながり、景況感指数の大幅悪化となった様子。
15日のNY金相場は-17.4ドル、0.96%の反落で8月5日(1791.2)以来、10日ぶりの安値。週明け時間外スタート直後に1819ドル付近まで小幅に上昇したのがこの日の高値となり、先週末高値にわずかに届かず失速すると軟調推移。ユーロドル主導でのドル高の流れにも連れ、ロンドン市場では1800ドルの大台割れトライ、NY朝にかけては一時1790ドル割れ。米8月NY連銀製造業景況指数が予想外の大幅下振れとなった直後には1800ドル台へと小幅に急反発も一時的。ドル安も一時的となって米10年債利回りも下げ渋った流れにも連れ、1800ドルへの抵抗感とともに1790ドル台半ばへと収束。1830ドル近辺までの上値余地に対しては1820ドル手前で失速して反落すると1800ドルの下値サポートもあっさり割り込み、短期下値目安1780ドル近辺にもあと少し。上方向へは1820ドルが当面の抵抗水準にも、突破できれば上値トライ再開、水平状態の200日移動平均線(1842.2)上抜けトライへ。下方向への行き過ぎ警戒水準として7月半ばの安値保ち合い水準、1730ドル近辺までが意識される可能性も。
NYプラチナは-25.8ドル、2.69%の大幅下落で8月9日(933.0)以来の安値。直近の短期上値目標950ドル台到達後の一服状態から、若干の行き過ぎトライを経てNY金の軟調推移に追随。時間外序盤に966ドルの高値をつけて反落するとロンドン序盤には950ドル割れ、NY朝には930ドル割れトライ。一時920ドル割れを試す場面もあったもののNY午後には930ドル台に戻して下げ渋り。NY引け後には再び930ドル割れの兆しも。このまま下値サポート930ドル割れなら調整局面拡大へ、900ドルの大台近辺までが短期下値目安に。切り返して960ドル超へと抜け出す展開となった場合には一段高へ、990ドル近辺までが次の上値目標にも。
ドル円は19銭のドル安円高、0.14%安で3日ぶりの反落。週明け早朝に133円60銭近辺まで小幅に上昇したのが高値となり、東京午前の時間帯は132円90銭台まで軟調推移。東京午後から欧州時間にかけては133円10銭台から50銭台までのレンジで保ち合い推移。NY朝には8月NY連銀製造業景況指数の大幅悪化を受けて急落、円高の流れが強まって133円を割れると132円50銭台まで下落。上昇軌道を維持する90日移動平均線(132.36)手前で下げ渋るとNY午後にかけて133円台を回復、NY終盤には133円30銭台へ。結果的に小幅陰線ながらも下げ渋って下ヒゲを残し、133円割れでの買い支え圧力の強さも。引き続き132円80銭から135円20銭までの保ち合いレンジを維持しながらも133円台が主要レンジにも。下限割れなら130円近辺再トライへ、上限突破なら137円近辺回復トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/15終値とチャート
16日の国内金価格は-110円、1.30%の大幅反落。8月4日(8303)以来の安値。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8478)上抜けに失敗、中期トレンド回復トライも失敗して短期上昇トレンドも急速に巻き戻し。8370円の節目割れに伴う一段安で21日移動平均線(8324)もわずかに下抜け、短期下値目安8300円近辺にも急接近。若干の下落余地を残しながらも右肩上がりの9日線を早期回復できれば上昇トレンド再開へも。
プラチナ価格は-154円、3.45%の大幅安で3日ぶりの反落。下げ幅としては今年の絶対値平均56円の2.75倍、今年7番めの急落。水準としては8月5日(4293)以来、10日ぶりの安値。4410円の節目上抜けに伴う短期上値目標4450円近辺到達後の一服から反落で勢い余って重要な節目、6月高値から7月安値の半値戻し(4376)を下抜け。これに伴う短期下値目安4300円近辺にもほぼ到達し、今年2月以降の保ち合いレンジ下半分での推移から抜け出して上半分への上方シフトにも失敗。再び中期保ち合いレンジ下半分に押し戻される格好に。
※参考:
金プラチナ国内価格8/16とチャート
2022年08月16日(火)時点の相場
国内金:8,322 円 8/16(火)
▼110(
1.30%)
国内プラチナ:4,308 円 8/16(火)
▼154(
3.45%)
NY金:1,798.1 ドル 8/15(月)
▼17.4(
0.96%)
NYプラチナ:933.6 ドル 8/15(月)
▼25.8(
2.69%)
ドル円:133.30 円 8/15(月)
▼0.19(
0.14%)
8/15(月)のその他主要マーケット指標
米7月CPI、中央値では高騰続き5ヵ月連続過去最高更新 08/17(水)大幅利上げ観測後退でドル円調整、国内金は三角保合い上抜け失敗 08/15(月)輸入物価指数も2年3ヵ月ぶり急低下、前年比ではPPI以下 08/13(土)PPIも7月は急減速、CPIとの格差も急縮小でピークアウト感も 08/12(金)
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