米7月CPI、中央値では高騰続き5ヵ月連続過去最高更新
更新日:2022年08月17日(水)
7月のインフレ指標では伸び率鈍化が目立ち、インフレピークアウトへの思惑と大幅利上げ観測後退が進行中。
しかし、見方によっては異なる状況も確認できます。
クルーブランド連銀が公表している「メディアンCPI」では、米労働省発表のCPIでの調査対象品目のうち、価格変動分布の中央、50%台の品目のみを対象にインフレ率を算出。
また、「16%トリム平均CPI」では、価格変動分布の上下8%ずつ(合計16%)をカットした品目でインフレ率を算出。
食品とエネルギー関連を除いて算出された米労働省オリジナルの「コアCPI」は7月には前年比+5.91%となり、6月の+5.92%からほぼ変わらず、39年7ヵ月ぶり高値となった3月の+6.47%てピークアウトした状態にもなっています。
これに対してメディアンCPIは7月に前年比+6.27%。6月の+5.95%からは0.32%上昇し、昨年8月から12ヵ月連続上昇、今年3月(+4.91)からは5ヵ月連続で(※1983年以降のデータで)過去最高を更新中。
16%トリム平均CPIは前年比+6.99%。6月の+6.93%からは0.06%の小幅上昇ながら、昨年2月から18ヵ月連続上昇、今年1月(+5.42)からは7ヵ月連続で過去最高を更新中。
PCEインフレでも6月までのデータでは似たような傾向を示しています。
特定品目に限定せず、しかし極端な値動きをする外れ値を除外して見れば、インフレピークアウトの兆しすら、まだ確認できません。
16日のNY金相場は-8.4ドル、0.47%の続落で8月3日(1776.4)以来、2週間ぶりの安値。1790ドル台での小幅保ち合いとなった時間外序盤につけた高値は1798ドルまで、前日割り込んだ1800ドルの大台ラインへの抵抗感を抱えたままでの小康状態から軟調気味の推移に。ロンドン市場ではユーロ安ドル高に連れて1790ドルラインとの攻防へ、NY朝には前日安値を下回って一時1780ドル台半ばまで下落も下げ渋り、NY午後には1790ドルとの攻防状態再開。1800ドルの大台割れに伴う短期下値目安1780ドル近辺にもほぼ到達したような状態にもなっての下げ渋りも、上値の重さも続く状態。利上げ見通しなどでタカ派傾斜材料がなければ1780ドル近辺再トライまでで一服、強めのタカ派材料などで売り圧力再燃となれば1730ドル近辺までが行き過ぎ警戒水準にも。反発方向へは抵抗感強まる1800ドルの大台を超えると1820ドルが抵抗水準。これも上抜けると反発基調再開、1850ドル近辺を目指す流れにも。
NYプラチナは-2.3ドル、0.25%の小幅続落で8月5日(924.7)以来、10日ぶりの安値。930ドルを挟んで上下10ドルずつの変動で保ち合い状態、ロンドン時間に920ドル付近まで下落も前日安値を下回らず、切り返したNY午前には940ドル台も一時的。NY午後には930ドル付近に収束し、下げ止まりつつある90日移動平均線(927.9)にもサポートされてほぼ十字線。節目の930ドルをなんとか維持した形にもなり、目先は960ドルまでのレンジで保ち合い形成の様相にも。930ドルを維持できなくなれば900ドルの大台ライン付近まで下値余地拡大へ。
ドル円は93銭のドル高円安、0.7%の反発で8月9日(135.15)以来、1週間ぶりの高値。東京朝の133円をはさんでの保ち合いから午後には133円台半ばで小康状態に。欧州時間にはドル高ユーロ安の流れにも連れる形で水準を切り上げるとNY午前には134円60銭台まで上昇。みずほ銀行の日銀当座預金の一部へのマイナス金利適用報道も円安材料となった様子。ただし右肩下がりの20日移動平均線(134.65)に上値を押さえられる形となってNY終盤には134円20銭近辺に収束。132円80銭から135円20銭までの保ち合いレンジ下限付近からの反発基調が続いてレンジ半ばを上抜け、20日線を突破できれば保ち合い上限トライへも。これを上抜けると137円近辺再トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/16終値とチャート
17日の国内金価格は+63円、0.76%の反発。8370円の節目割れに伴う短期下値目安8300円近辺に対しては8322円まで、少し届かず切り返し。ほぼ水平状態の21日移動平均線(8325)にもサポートされた形での反発も、上下動を繰り返しながら水準を切り下げる下落基調が続くなかでの戻り局面の範囲内。流れが変わる為には右肩上がりの9日移動平均線(8403)超えは必須。8440円の節目を突破できれば局面打開へ、90日移動平均線(8478)も上抜けて8500円台回復を目指す展開へも。8320円の節目割れなら下落基調継続、7月後半安値圏8230円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+62円、1.44%の反発。重要水準、6月高値から7月安値の半値戻し(4376)下抜けに伴う短期下値目安4300円近辺到達後の自律反発で重要水準付近を回復。今年2月以降の保ち合いレンジ下半分へと押し戻された状態からの切り返しで、ここまでほぼ素通り状態の上半分再トライへ。上半分回復後には4470円が短期的な上値抵抗水準、これも突破できれば6月半ばの戻り高値4540円近辺までが上値目標に。上半分回復トライに失敗すると下方リスク再燃、4300円の節目を割れると7月前半の戻り高値付近、4250円近辺までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格8/17とチャート
2022年08月17日(水)時点の相場
国内金:8,385 円 8/17(水)
▲63(
0.76%)
国内プラチナ:4,370 円 8/17(水)
▲62(
1.44%)
NY金:1,789.7 ドル 8/16(火)
▼8.4(
0.47%)
NYプラチナ:931.3 ドル 8/16(火)
▼2.3(
0.25%)
ドル円:134.23 円 8/16(火)
▲0.93(
0.70%)
8/16(火)のその他主要マーケット指標
米個人消費は7月も堅調維持、ドル高円安再開を下支え 08/18(木)NY連銀製造業景況指数8月は予想外の急低下で円高ドル高 08/16(火)大幅利上げ観測後退でドル円調整、国内金は三角保合い上抜け失敗 08/15(月)輸入物価指数も2年3ヵ月ぶり急低下、前年比ではPPI以下 08/13(土)
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