タカ派鮮明でドル高円安再開、痛みを伴えば金の下げも限定的に?
更新日:2022年08月29日(月)
パウエルFRB議長がタカ派スタンス継続を明確にアピール、痛みを伴おうとも目標2%達成に向けた取り組みを断固推進することを明言したことで、ドル高円安の流れが再開。その流れは週末を挟んでも変わらず、むしろ週が明けて一段と再加速の様相にも。
週明け東京時間朝のドル円は137円50銭台から80銭台へと急騰スタート、その後も堅調推移となって1ヵ月ぶりに138円台に乗せるとジリジリと水準を切り上げて138円台半ばへ。NY金は1750ドルを割れ、徐々に軟調推移となって1740ドル割れへ。
29日の国内金価格は+5円、0.06%の小反発。ドル円の上昇分をNY金の反落で相殺、今のところパワーバランスは均衡状態となって値動きは限定的に、8400円から8440円までの保ち合いレンジを抜け出せず。緩やかに上昇する9日移動平均線(8409)に下値をサポートされ、さらにその下には21日移動平均線(8376)も上昇基調、上方向には90日移動平均線(8467)が緩やかに下降してレンジを縮小。ブレイク待ちのカウントダウン状態にもなり、週末の雇用統計までのどこかでバランスが崩れた方向へと抜け出すことにも。上方向へと抜け出すことになれば、8480円程度から8500円の大台回復も意識される可能性も。下方向へと抜け出すと8340円程度までが短期下値目安に。
日足一目均衡表では基準線を上回る転換線(8405)と雲の下限(8403)を上抜け、遅行線も26日前の価格水準(8234)を上回って二役好転。6月高値(8859)を起点に上値を切り下げる抵抗線、三角保ち合い上限ラインをわずかながら上抜けの兆し。しかし上昇圧力はそれほど強くはなく、むしろ失速気味にも。少し上には90日線も下降し始め、水平状態の雲の上限(8520)には少し距離も。
目先、大幅利上げ継続観測によるNY金の軟調推移が国内金価格にとってのは重石となる反面、その利上げ継続で痛みを伴うようになればサポート要因にも。その見通しの一端が示されることにもなる9月後半のFOMCに向けて、国内金価格は一目均衡表の雲の中での推移が続くような展開にも。
プラチナ価格は-67円、1.6%の反落で7月25日(4108)以来、1ヵ月ぶりの安値。7月安値から8月高値の76.4%戻し(4163)を大きく下回り、昨年12月安値起点の中期三角保合い下限ラインも下抜け。NYプラチナが先週末の850ドル台から週明け時間外スタートとともに一時840ドルまで急落。840ドル台半ばへと自律反発後も軟調気味に推移。売られ過ぎ感が強まるのは国内プラチナ価格も同様で、水準的にも今年2月以降の安値水準4100円前後(最安値は7月の4070円)に差し掛かり、いったんはサポートされやすい状態にも。ただしNYプラチナが830ドル程度まで下げた場合には4100円前後の重要水準最下限、2月以降の安値4070円近辺までの下値トライも。
日足一目均衡表では基準線の下で推移する転換線(4241)を大きく下回り、下降する雲の下限(4211)を下回り続け、遅行線も相対する価格水準(4117)を下抜けて三役逆転、弱気相場入り。7月安値(4070)を割り込むようだと一段安を警戒する状態にも。8月高値(4462)を起点に、6月高値から7月安値までの下落幅(612)分下落した場合の水準=3850円。中期的には1月につけた今年安値(3841)圏辺りまでが、下値警戒水準ということにも。
※参考:
金プラチナ国内価格8/29とチャート
2022年08月29日(月)時点の相場
国内金:8,428 円 8/29(月)
▲5(
0.06%)
国内プラチナ:4,112 円 8/29(月)
▼67(
1.60%)
NY金:1,749.8 ドル 8/26(金)
▼21.6(
1.22%)
NYプラチナ:855.3 ドル 8/26(金)
▼18.6(
2.13%)
ドル円:137.51 円 8/26(金)
▲1.02(
0.75%)
8/26(金)のその他主要マーケット指標
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