米貿易赤字は4ヵ月連続縮小で9ヵ月ぶり低水準
更新日:2022年09月08日(木)
米商務省が発表した7月貿易統計によれば、7月の貿易赤字は706.5億ドル。市場予想の702億ドル程度より赤字幅は大きかったものの、6月の808.8億ドルの赤字からは12.6%の大幅縮小。過去最大の赤字となった3月の1069.2億ドルからは4ヵ月連続で赤字幅は縮小。昨年10月(-681.6億ドル)以来、9ヵ月ぶりの低水準に。
輸入が3299.4億ドルとなって2ヵ月連続減、過去最大となった3月(3511.5億ドル)を下回る状態が続いているのに対し、輸出は2592.9億ドルで過去最大。前月からは0.2%の小幅増ながら6ヵ月連続で過去最大更新。
輸出の拡大基調が続いて貿易赤字縮小となったことは、とりあえずは7-9月期の経済成長に貢献。引き続きスタグフレーション懸念緩和に作用し、大幅利上げとドル高サポート要因に。
なお、この日発表された中国の8月輸出は前年比7.1%増となり、7月の18.0%増から伸びが鈍化。輸入は前年比0.3%増で7月の2.3%から伸び率は鈍化。
米国の7月輸出は前年比では+21.1%となり、6月の+21.9%からわずかに低下、輸入は前年比+16.4%で6月の+19.7%からはやや鈍化。
しかし、直近1年間は輸出入ともに前年比では+20%前後での推移となっており、足下での米中の貿易状況は対象的で、中国の減速が目立ちます。
7日のNY金相場は+14.9ドル、0.87%の反発で8月30日(1736.3)以来、1週間ぶりの高値。前日の上ヒゲ陰線の勢いはこの日のアジア時間まで継続し、1700ドル付近まで下落。ドル高一服にもサポートされて大台割れを回避するとユーロドルの反発基調にも連れてロンドン序盤に1710ドル台、NY市場では1720ドル台へと反発。高値では1730ドルまで上昇し、NY引け後にも1730ドル台回復トライの動きとなり、ドル高調整とともに底入れ反発への可能性も示す状態にも。短期的には1720ドル台の節目を上抜けつつあり、もう一段の反発基調継続への可能性、1750ドル付近までが短期上値目標に。1710ドルが目先の下値サポートとなり、割り込むようだと反発基調は腰折れ、7月安値(1678.4)近辺を下値目安に下値トライ再開へ。
NYプラチナは+13.3ドル、1.59%高で3日続伸。8月29日(854.3)以来の高値。830ドル台後半から、アジア時間に830ドル割れの安値で切り返し、ロンドン・NY朝にかけては前日上値を押さえられた840ドル前後の水準での攻防へ。8月高値(974.6)から9月安値(796.8)までの23.6%戻し(838.8)をしっかり上抜けるとNY引けにかけては850ドル台へ。次の節目となる38.2%戻し(864.7)を超えると右肩下がりの20日移動平均線も推移する880ドル近辺が強めの抵抗線にも。これも突破できれば反発基調加速へ、900ドルの大台回復を目指す流れへも。
ドル円は97銭のドル高円安、0.68%高となって9日続伸。1998年8月26日(144.14)以来、24年ぶりドル高円安水準での一段高。9日続伸は4月以来、5ヵ月ぶりで今年2度め。それ以前は2014年7月まで、8年以上遡ることに。東京朝に143円台へと水準を切り上げると午後には144円30銭台まで上昇、欧州時間にかけて144円ちょうど近辺での小康状態を経てNY朝には145円付近まで上昇。145円台にはギリギリ届かなかったものの、一段高の目安、7月高値(139.39)から8月安値(130.39)までの161.8%戻し(144.95)に到達。145円ラインに上値を押さえられ続けた後、NY午後には米10年債利回り低下に連れてドル安の流れとなって144円割れへ。今朝の東京市場では144円台へと再浮上も、過熱感も高まる状況となり、パウエル発言がそれほど材料視されなければECBの大幅利上げで一時的にはユーロドルの反発基調などから一定の調整も。8月安値(130.39)から9月高値(144.99)までの23.6%戻し(141.54)辺りまでが目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/7終値とチャート
8日の国内金価格は+154円、1.8%高で4日続伸。6月30日(8740)以来、2ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均55円の2.8倍、6月13日(+171円、1.97%)以来3ヵ月ぶりで今年3番めの急騰。8460円台の節目上抜けに伴う短期上値目標8540円程度までに到達し、短期的には上昇一服の展開も予想されたものの、予想を上回るドル高円安ペースに押し上げられた格好。6月高値を起点に上値を切り下げてきた抵抗線上抜けによる中期トレンド好転に伴い、中期的な上値目標として想定された6月高値(8859)から8月安値(8168)までの61.8%戻し(8595)近辺、8600円台にいきなり到達、さらに一段高。過熱感もそれほど高くなく、行き過ぎの展開とも言い切れないものの、ドル円の大幅調整に連動する展開への警戒感も。8月安値(8168)からここまでの9月高値(8698)の38.2%戻し(8496)、8500円近辺までの調整は想定範囲。
プラチナ価格は+115円、2.72%高で4日続伸。8月17日(4370)以来、3週間ぶりの高値。4200円台回復の短期目標達成後も調整レスでの一段高となり、中期トレンド回復目安90日移動平均線(4283)も上抜け。過熱感も全くない状態で短期トレンドは好転しながらも、6月高値と8月高値を結ぶ上値抵抗線にはまだ届かず、中期的には4400円近辺が節目にも。目先は90日線超を維持できるかどうかが短期トレンド維持へのポイントにも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/8とチャート
2022年09月08日(木)時点の相場
国内金:8,698 円 9/8(木)
▲154(
1.80%)
国内プラチナ:4,345 円 9/8(木)
▲115(
2.72%)
NY金:1,727.8 ドル 9/7(水)
▲14.9(
0.87%)
NYプラチナ:847.2 ドル 9/7(水)
▲13.3(
1.59%)
ドル円:143.76 円 9/7(水)
▲0.97(
0.68%)
9/7(水)のその他主要マーケット指標
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