NY連銀消費者調査でインフレ期待は2ヵ月連続急低下も
更新日:2022年09月13日(火)
注目度が高まる米8月CPI発表直前、ここに来てインフレ期待は急低下。
8月のNY連銀消費者調査では、1年先のインフレ予想中央値は+5.75%(前月からは-0.47%)。6月には+6.78%まで上昇して過去最高を更新後、7月の+6.22%(前月比-0.56)を経て2ヵ月連続の急低下。昨年10月(+5.65)以来、10ヵ月ぶり低水準。
3年先のインフレ予想は+2.76%となり、7月の+3.18%からは-0.42%の急低下。過去最高を更新した昨年10月の+4.21%がピークとなり、直近4ヵ月は連続の低下。2020年10月(2.70)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。
ミシガン大の1年期待インフレも8月には+4.8%となり、7月の+5.2%からは-0.4%の急低下で8ヵ月ぶり低水準。5年期待インフレも+2.9%となって今年最低水準での横ばい推移となっており、消費者レベルで意識するインフレ予想は足下で急速に緩和されつつあるようです。
NY連銀の商品価格の1年先インフレ予想では、ガソリン価格が3月の9%台から6月の5%台まで急減速、7月の+1.46%を経て8月には+0.08%へと急低下。2013年以降の調査データでは最低水準へと低下したことが牽引役に。
食品は+5.83%となって1年4ヵ月ぶり低水準。過去最高となった3月の+9.58%からは大幅に緩和。
家賃は+9.62%でこれも1年4ヵ月ぶり低水準。ただし、過去最高となった4月と6月の+10.28%からの低下幅はわずか。
インフレ期待の低下は、実際のインフレ率低下に大きく寄与することにもなりそうですが、インフレ期待における家賃の高止まりも、そのままインフレ高止まりにもつながりそうです。
12日のNY金相場は+12.0ドル、0.69%の続伸で8月29日(1749.7)以来、2週間ぶりの高値。週明け時間外序盤には1730ドルの節目にいったん上値を押さえられ、1720ドル付近まで下落も先週末安値を下回らず、ロンドン市場にかけてはユーロドルの上昇に連れる形で反発。1730ドルの節目を超えると一段高、NY朝には1740ドル超えを試す展開となり、NY午後には1740ドル台後半まで上昇。20日移動平均線(1748.3)にも上値を押さえられ、1730ドルの節目超えに伴う短期上値目標1750ドル近辺にもあとわずかのところで失速すると、米10年債利回りが3.5%台半ばへと上昇した流れにも連れて1740ドル割れへと反落。NY引け後も1730ドル台半ばでは下げ渋る状態となり、多少の上昇余地を残す状態でCPI待ちへ。予想外のインフレ高止まりなどでドル高再加速となった場合には急反落の展開にも。1720ドルを割り込むようだと1700ドルの大台割れトライへ。
NYプラチナは+27.3ドル、3.11%高で6日続伸。8月18日(904.9)以来、3週間ぶりの高値。6日続伸は今年最長、昨年11月以来10ヵ月ぶり。先週末に880ドルの節目でいったん上値を押さえられ、週明け時間外も上値の重い展開でスタート。アジア時間には870ドル割れへと売られたものの、ユーロドルと金に追髄する形で反発。ロンドン序盤に880ドルの節目を超えるとNY朝には890ドル超え、NY午後には900ドルの大台を回復。高値では905ドルまでにとどまり、880ドルの節目超えに伴う短期上値目標910ドル近辺にはあとわずか。NY引け後も900ドル台を維持して上値目標再トライを試す展開にも。
ドル円は19銭のドル高円安、0.13%の反発。東京午前には142円30銭台まで売られ、午後には143円40銭台まで買われてこの日の高値。欧州時間にはユーロドルの急騰に連れてドル安の流れとなって142円台半ばへと急反落。米10年債利回りの低下基調にも連れ、NY市場にかけても軟調推移、NY午前には142円20銭台、午後には10銭台へと下値を切り下げ。NY終盤にかけて142円80銭台まで反発も今朝の東京市場では142円半ばへと再反落。CPIでのインフレ一服も意識され、ドル円の買い圧力も一服の様相にも。先週末安値となった8月安値(130.39)から9月高値(144.99)までの23.6%戻し(141.54)近辺までが目先の下値目安にもなり、これを下回るようなら38.2%戻し(139.41)近辺までの調整幅拡大にも。想定外のCPI上振れなどで144円10銭超へと切り返す展開となった場合には上値トライ再開、145円台へと高値更新トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/12終値とチャート
13日の国内金価格は+36円、0.42%高で3日ぶりの反発。前日下落分を取り戻し、6月高値(8859)から8月安値(8168)の61.8%戻し(8595)近辺で下値を支えられ、半値戻しは全値戻しも視野に高止まり状態にも。8600円から8700円までのレンジで高値保ち合いを形成し、上抜けできれば最高値圏手前、8700円台半ばまでが短期上値目標に。下限を割れると調整幅拡大へ、8月安値(8168)から9月高値(8698)の38.2%戻し(8496)から8480円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+110円、2.51%の反発で6月13日(4540)以来、3ヵ月ぶりの高値。6月高値(4682)と8月高値を結ぶ上値抵抗線を上抜け、6月高値と9月安値(4052)の半値戻し(4367)を達成し、半値戻しが全値戻しとなっての反落警戒感を吹き飛ばす勢いでの一段高。半値戻しなら全値戻しへの勢いを示唆するような状態にもなり、61.8%戻し(4441)も達成した現状、次に意識されるのは76.4%戻し(4533)。
※参考:
金プラチナ国内価格9/13とチャート
2022年09月13日(火)時点の相場
国内金:8,641 円 9/13(火)
▲36(
0.42%)
国内プラチナ:4,487 円 9/13(火)
▲110(
2.51%)
NY金:1,740.6 ドル 9/12(月)
▲12.0(
0.69%)
NYプラチナ:904.2 ドル 9/12(月)
▲27.3(
3.11%)
ドル円:142.83 円 9/12(月)
▲0.19(
0.13%)
9/12(月)のその他主要マーケット指標
米8月CPIは予想ほど鈍化せず、コアCPI再加速でドル円急加速 09/14(水)半値戻しは全値戻し、国内金・プラチナ価格の攻防 09/12(月)1日に2円も3円も動いてドル円は一時142円割れ 09/10(土)ECBの0.75%利上げも想定内、FRBは3会合連続0.75%利上げへ 09/09(金)
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