11月FOMC直前、市場予想は年内4.625%、終着点は5月に5.125%
更新日:2022年11月01日(火)
CMEフェドウォッチで見るFF金利の市場予想は現状の3.00-3.25%(中央値3.125%)から、3.75-4.00%(中央値3.875%)へ。11月FOMCでは0.75%の利上げ確率が87.2%。1週間前の95%超からは低下も80%台後半を維持してほぼ確実な状況に。
問題は12月FOMCでの利上げ見通し。
10月31日時点での市場予想としては、0.5%利上げが47.9%で優勢。ただし0.75%利上げの46.0%とは僅差。どちらに転んでもおかしくない状況。
この結果、2022年末FF金利は4.375%(4.25-4.50)か、4.625%(4.50-4.75)のどちらか。
9月FOMCでの予想中央値4.375%どおりか、+0.25%かは五分五分の状況。
1週間前には、11月FOMCでは利上げペース減速についての検討も?との報道からハト派観測が強まったものの、週明けには逆に「ターミナルレートが想定よりも高くなる可能性」報道を受けてタカ派優勢へと軌道修正。市場予想も振り回される状況となってきました。
現時点では、2022年末が4.375でも4.625でも、来年2月には4.875%(4.75-5.00)への利上げが濃厚。さらに5月には0.25%の利上げで5.125%(5.00-5.25)。ただし確率は35.6%にとどまり、34.6%の4.875%(4.75-5.00)と接戦。可能性として、ターミナルレートは2023年半ばにかけて5.125%(5.00-5.25)、もしくは4.875%(4.75-5.00)のどちらかでほぼ五分五分。
そして2023年末には4.625%がやや優勢。
市場予想が固まらない状況が、為替市場の乱高下要因の一つとなっています。
31日のNY金相場は-4.1ドル、0.25%の小幅安で3日続落。10月20日(1636.8)以来、10日ぶりの安値水準。先週末NY市場でつけた安値1640.7ドルからの自律反発局面では、1650ドルにわずかに届かない状態が週明け時間外も継続。ロンドン市場ではドル高の流れに押される形となって戻り売り優勢の展開、NY市場では先週安値1640ドル維持をかけた攻防へ、NY引け後にこれを割り込むとそのまま1630ドル台半ばへと小幅に一段安。FOMCでのタカ派路線継続への警戒感とこれに伴うドル高基調が重しとなり、今年安値圏での保ち合いレンジ1630-70ドルの下限付近に。このまま下限割れとなれば一段安の展開へ、今年安値を更新して1600ドルの大台前後までが下値目安に。
月間ベースでは-31.3ドル、1.87%安で7ヵ月続落。7ヵ月続落は2018年4-9月の6ヵ月続落を超え、少なくとも2012年以降では最長。
NYプラチナは-19.0ドル、2.0%の続落。先週末安値945.7ドルからの小反発は週明け時間外序盤の950ドル回復で失速、上値トライ後の巻戻しの流れ再開となってロンドン市場までに940ドル割れ、NY市場では930ドル割れを試したところで下げ渋り。直近の節目で軽めのレジスタンスを形成していた水準が、いったんはサポートとして作用したような格好にも。これを維持できなくなれば、20日移動平均線(918.1)も通過する910ドル台がサポートに。これも割り込むようだと900ドルの大台割れへ、890ドル程度までが短期下値目安に。
月間ベースでは+71.0ドル、8.26%の続伸。2021年2月(+106.1ドル、9.83%)以来、1年8ヵ月ぶりの大幅高。
ドル円は126銭のドル高円安、0.85%の続伸で10月24日(149.03)以来、1週間ぶりのドル高円安水準。FOMC直前のブラックアウト期間にターミナルレート引き上げ観測報道が材料視され、週明け東京市場朝から米長期金利上昇とドル高優勢の流れに、週末の147円50銭近辺から148円トライとなった朝のうちに148円20銭台まで上昇。その後は東京市場終了にかけて147円70銭台までの調整をはさみ、欧州時間から長期金利上昇とドル買い再開でNY時間には148円80銭台まで上昇。今朝の東京市場では148円30銭台まで調整も、FOMC待ちでは146円20銭から149円20銭までの保ち合いレンジ内推移継続か。レンジ上抜けなら152円再トライへ、下抜けるようだと調整局面拡大へ、143円割れを試しに行くような展開にも。
月間ベースでは+3.95円、2.73%高で3ヵ月続伸。3ヵ月続伸は今年最長、昨年10月以来1年ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/31終値とチャート
1日の国内金価格は-14円、0.16%の反落で10月12日(8512)以来、3週間ぶりの安値。9月安値(8280)から10月高値(8726)までの半値戻し(8503)手前でいったんサポートされた格好にも。8500円の大台、90日移動平均線(8470)、61.8%戻し(8450)など複数のサポート候補も続くものの、短期的な流れとしては8550円の節目割れに伴う下値目安8430円程度までを目指す流れが継続。なお、この水準は9月半ばの保ち合い形成水準にも相当し、下げ止まるにも比較的都合の良い水準。
プラチナ価格は-66円、1.36%の続落。オシレータ系指標低下の逆行状態が示唆していた失速感とともに、
長期抵抗線候補にも跳ね返される形にもなっての一段安。短期上値目標4910円台辺りを目指す流れは巻き戻され、斜行三角保合い上抜けからも巻戻しへ。それでも4710円の下値サポートを維持できれば高値圏での保ち合い継続の展開にも。4870円超へと抜け出すことができれば4900円台半ば辺りまでを目指す流れにも。逆に4710円割れなら調整局面拡大、4620円程度までが下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格11/1とチャート
2022年11月01日(火)時点の相場
国内金:8,514 円 11/1(火)
▼14(
0.16%)
国内プラチナ:4,792 円 11/1(火)
▼66(
1.36%)
NY金:1,640.7 ドル 10/31(月)
▼4.1(
0.25%)
NYプラチナ:930.1 ドル 10/31(月)
▼19.0(
2.00%)
ドル円:148.74 円 10/31(月)
▲1.26(
0.85%)
10/31(月)のその他主要マーケット指標
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