金消費大国インド18位、中国16位、一人当たりの金消費1位は?
更新日:2023年02月09日(木)
インゴッドバーやコインなどの金投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要は、世界全体の金需要のうち70%前後を占め、世界最大の金消費大国は中国で10年連続世界一。2位はインド、2012年以前は世界一がインドで中国は2位。この2カ国で世界全体の金消費需要の半分程度を占める、世界の金消費大国ビッグ2。※
国別金消費需要の年間推移
ところが、一人当りの金消費需要を比較すると上位の顔ぶれは様変わり。
中国もインドも、一人当りの金消費需要ではトップ10にも及ばず、2022年順位は中国が16位(0.56グラム)、インドは18位(0.55グラム)。国別金消費需要の3位常連の米国も一人当りの金消費需要では2022年は12位。
国別金消費需要で4位が常連のドイツが一人当りの金消費需要でも6位にランクイン。2022年国別で5位のトルコも一人当りの金消費需要では8位にランクイン。国別6位のイランは一人当たりでは11位。国別7位のロシアは一人当りでは22位。国別で2022年8位に入ったベトナムは一人当りで15位。
国別9位のUAEは一人当たりでは2位。国別10位のサウジも一人当りでは9位にランクイン。
ちなみに国別で2022年31位の日本は一人当たりの金消費でも32位(0.03グラム)。調査対象国では最下位。
一人当りの金消費需要世界一はスイスで2022年は5.58グラム。2位のUAEが5.24グラムで追随。3位にはクウェートで3.92グラム。4位は香港の3.31グラム。
この上位4カ国は2021年も同じ順位、2020年は同じ4カ国で2位と3位が逆転。2013年から2019年までの7年間は同じ4カ国で香港、UAE、スイス、クウェートの順。
2010-2012年の3年間はトップ3がスイス、UAE、香港。4位にはサウジ、クウェート、シンガポールが入れ替わり。
世界の4大金市場と言われる香港、チューリッヒ(スイス)、ロンドン、ニューヨークのうち、ニューヨークとロンドンは人口比率の影響もあり、下位に低迷。「ゴールド・スーク」で有名なドバイの金市場がUAEの順位を押し上げ、ゴールド・ジュエリー嗜好の強い中東のなかでもUAEよりも人口が少ないクウェートも上位に入ってきているようです。
一人当りの金消費需要では、スイス、UAE、クウェート、香港が世界のビッグ4。
中国やインドを凌ぐ、真の金消費大国はこちらのビッグ4かもしれません。
8日のNY金相場は+5.9ドル、0.31%高で3日続伸。しかし3日合計の上げ幅は14.1ドルにとどまり、3日の急落幅の4分の1。1880ドル台から、ドル安の流れとなったロンドン市場では前日高値をわずかに上回り、しかし1900ドルの大台にわずかに届かず失速すると、NY市場ではドル高の流れにも連れて1880ドル台へと軟調推移。NY連銀ウイリアムズ総裁の「数年間は景気抑制的な高金利維持」発言、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁の「賃金上昇対策でもっと高金利に」発言、クックFRB理事も「金利を十分に景気抑制的な水準に」、ウォラーFRB理事も「想定より高い水準でより長く」など、一連のタカ派発言も影響。2日連続で下値も上値も切り上げながら、3日連続上ヒゲを残して上げ渋り。1900ドルの抵抗感が強まり、1870ドルまでの小幅レンジで保ち合いの様相に。下限を割れるようだと1850ドル近辺へ。
NYプラチナは+1.0ドル、0.1%の小幅続伸。980ドル付近から堅調推移となってロンドン市場では2日連続で上値を押さえられていた990ドルを突破して一段高、990ドル台後半まで上昇。1000ドルの大台目前で失速すると金の軟調推移にも連れてNY市場では980ドル台へ。NY引けにかけては980ドルを挟んでの上下動も、引け後には980ドル割れ。970ドルの下値サポートを維持できないようだと軟調局面再開、短期的には950ドル程度までが下値目安に。
ドル円は35銭のドル高円安、0.27%の反発。東京午前には131円を挟んでの上下動、午後には131円台前半での小康状態も欧州時間には130円半ばへと軟調推移。NY市場ではFRB関係者の入れ替わり立ち替わりでのタカ派発言にサポートされて131円50銭台まで上昇。130円台での足場固めを試しながら、132円台後半までのレンジで反発の勢いも強め切れない状況となり、次週のCPI待ちの様相にも。と同時に下げ止まり切れない20日移動平均線(129.79)の下げ止まり待ちも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/8終値とチャート
9日の国内金価格は+32円、0.37%の反発。8650円台の節目割れに伴う短期下値目安8600円前後に少し届かず、8617円で折り返し。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8599)の少し手前で反発し、ゆるやかな中期上昇トレンドも維持。ただし8610円台から8600円のサポート水準を割り込むようだと一段安へ、12月安値(8348)から1月高値(8857)の61.8%戻し(8542)近辺までが短期下値目安となり、中期トレンドにも黄色信号。
プラチナ価格は-22円、0.49%の続落で10月3日(4345)以来、4ヵ月ぶり安値圏で一段安。4510円台の節目割れに伴う短期下値目安、9月安値(4052)から11月高値(5076)の61.8%戻し(4443)にも到達。90日移動平均線(4717)も下落に転じて弱気パーフェクトオーダーの勢いを増す格好ながら、短期的にはここから先は過熱感も急騰圏入り、いつ下げ止まってもおかしくはないところだが。
※参考:
金プラチナ国内価格2/9とチャート
2023年02月09日(木)時点の相場
国内金:8,649 円 2/9(木)
▲32(
0.37%)
国内プラチナ:4,429 円 2/9(木)
▼22(
0.49%)
NY金:1,890.7 ドル 2/8(水)
▲5.9(
0.31%)
NYプラチナ:987.2 ドル 2/8(水)
▲1.0(
0.10%)
ドル円:131.45 円 2/8(水)
▲0.35(
0.27%)
2/8(水)のその他主要マーケット指標
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