FF金利>コアPCE>1年インフレ期待=インフレ低下待ち
更新日:2023年02月11日(土)
ミシガン大消費者信頼感指数は2月速報値で66.4。1月の64.9から一段と上昇して3ヵ月続伸、昨年1月(67.2)以来、1年1ヵ月ぶりの高水準。現況指数が3ヵ月続伸で1年2ヵ月ぶり高水準となって総合指数を押し上げ、期待指数は1年ぶり高水準となっていた1月からは小幅に低下して一服状態。
消費センチメントの回復基調が持続していることが確認されてドル高をサポート、NY金の下押し圧力に。
1年先のインフレ期待が4.2%となり、1年9ヵ月ぶり低水準となった1月の3.9%から急反発したこともドル高をサポートしたようです。
ただし12月の4.4%には届かず、1年インフレ期待は昨年3-4月の5.4%をピークに低下傾向も持続中。
なお、12月時点ではコアPCEが前年比+4.42%、FF金利が4.25-4.50%。インフレ期待もコアインフレ率も、FF金利もほぼ同水準。
その後1年インフレ期待は3.9-4.2とやや水準を切り下げ、コアPCEインフレ率は1月分もまだ未発表、FF金利は2月に4.50-4.75%。
3者の関係性は現時点で、FF金利>コアPCE>1年インフレ期待。
本来なら、もう一段のインフレ低下を待って利上げ打ち止めへ、という期待感も高まるフェーズに入ってきた状態。
しかし、インフレ率は依然として歴史的高水準、1年インフレ期待の4.2もまだまだ高水準。
これらがさらに一段と低下していく必要があり、その為にはFF金利が12月時点で5.02%のPCEをも上回る必要性もありそうです。
さらには5.71%のコアCPI、6.45%のCPIすらも上回るか、これらの指標が一段と低下してFF金利を下回る必要もあるかもしれません。
テイラー・ルールに基づけばFF金利は8%まで引き上げるべき、との見方もあるようです。
FF金利とインフレ率との関係性とともに、コアPCEとの連動性が高まるミシガン大1年インフレ期待の推移も今後、注目されそうです。
10日のNY金相場は-4.0ドル、0.21%の続落で1月6日(1869.7)以来、1ヵ月ぶりの安値。前日NY午後からの軟調局面の勢いでアジア時間には1860ドル台前半まで下落。しかし1870ドルの下値サポート割れでは底堅く、ロンドン序盤には1880ドル台へと反発。上値も限定的となり、NY市場ではミシガン大消費者信頼感指数の好結果とインフレ期待上昇を受けて再度1870ドル割れを試す場面もあったものの、これも限定的となって1870ドル台を中心に小幅揉み合い推移。下押し圧力優勢の展開が続くなか、1870ドルの下値サポートを維持してなんとか耐える状態。これを維持できなくなれば1850ドル近辺まで下値余地拡大へ。重くなってきた1890ドル台の上限を突破できれば1920ドル近辺までを目標に反発局面形成へも。
週間ベースではわずかに-2.1ドル、0.11%の小幅続落。
NYプラチナは-12.4ドル、1.29%の続落で昨年11月3日(924.1)以来、3ヵ月ぶり安値圏での一段安。アジア時間には960ドル台から950ドル付近まで下げて前日からの急落局面一服、NY朝にかけて970ドル台まで上昇すると反発局面も一服。戻り売りとなって急反落、NY午後には950ドル近辺へ。970ドルの節目割れ後の展開では、970ドルの抵抗感を確認した上で短期下値目安950ドル近辺にしっかり到達。過熱感も高めながら、ほぼ水平状態の200日移動平均線(948.0)にもサポートされ、いったんは下げ止まりやすい状況も現時点では自律反発も極めて限定的。3ヵ月ぶりの200日線割れとなれば中期トレンド崩れとの攻防状態となり、短期的な行き過ぎ目安として11月初旬の安値圏920ドル台辺りまでが意識される可能性も。
週間ベースでは-28.5ドル、2.91%安で5週続落。5週続落は昨年4月以来、10ヵ月ぶり。15週ぶりの52週移動平均線(963.3)割れ。
ドル円は15銭のドル安円高、0.11%の小幅安で3日ぶりの反落。東京時間には131円半ばから131円80銭台まで上昇し、前日高値をわずかに上回りながらも132円手前での上値の重さも確認。欧州時間には次期日銀総裁人事報道を受けて乱高下。サプライズ人事から金融政策転換を警戒する向きの売り圧力で131円半ばから129円80銭近辺まで、2円弱の急落後には植田氏の情報も徐々に拡散、バランス派との見方もあり徐々に持ち直すと一時131円台半ばまで反発し、NY朝にかけては130円台後半で落ち着く状態に。NY市場ではミシガン大消費者信頼感指数の改善傾向持続とインフレ期待の上昇を受けてドル高の流れへ、130円台半ばから131円50銭台まで上昇。上昇に転じた20日移動平均線(130.08)にもサポートされ、連日の下ヒゲで130円台の足場が固まってきた様子も。次週CPIの結果次第で抵抗感が強まる132円トライも、突破できれば132円台後半の節目トライへ。
週間ベースでは+34銭、0.26%の小幅高で4週続伸。4週続伸は10月以来、4ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/10終値とチャート
2023年02月11日(土)時点の相場
国内金:8,610 円 2/10(金)
▼39(
0.45%)
国内プラチナ:4,383 円 2/10(金)
▼46(
1.04%)
NY金:1,874.5 ドル 2/10(金)
▼4.0(
0.21%)
NYプラチナ:951.8 ドル 2/10(金)
▼12.4(
1.29%)
ドル円:131.38 円 2/10(金)
▼0.15(
0.11%)
2/10(金)のその他主要マーケット指標
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