米2月CPI鈍化は想定どおり、中央値では2ヵ月連続過去最高
更新日:2023年03月15日(水)
米労働省発表の2月CPIは前年比+6.04%。市場予想の+6.0%にほぼ一致し、8ヵ月続落となって2021年9月(5.39)以来、1年5ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+5.54%。これも市場予想の+5.5%にほぼ一致。5ヵ月続落となって2021年12月(5.45)以来、1年2ヵ月ぶりの低水準。
いずれも鈍化傾向が続き、水準も想定レベルながら依然高止まり。
セクタ別では、エネルギー関連を除くサービス価格(ウェイト58.08%)が前年比+7.3%。1月から+0.1%で7ヵ月続伸、近年(※少なくとも2018年以降)最高水準を更新。
項目別では帰属家賃(ウェイト25.39%)が前年比+8.0%。1月から+0.2%で22ヵ月連続上昇。賃貸住宅(ウェイト7.52%)も+8.8%。1月から+0.2%で19ヵ月連続上昇。
クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+7.20%。3ヵ月続伸で2ヵ月連続の過去最高更新。
16%トリム平均CPIは前年比+6.48%。過去最高となった9月の+7.31%から5ヵ月続落、2022年4月(6.20)以来、10ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀発表のスティッキーCPIでは前年比+6.71%。12月の+6.73%に次ぎ、40年余りで2番めの高水準。
全体的にはインフレ鈍化傾向は継続、しかし見る角度によってはインフレ加速の一面も。
とりあえず3月FOMCでの0.25%利上げはほぼ確実、という状況に。
14日のNY金は-5.6ドル、0.29%安で4日ぶりの反落。時間外序盤の1919.4ドルがこの日の高値となって前日高値とほぼ同水準、急騰後に2日連続1920ドル付近で上値を押さえられての小幅調整。米10年債利回りが3.5%台から3.6%台へと反発基調となったものの、ドル安からの巻き戻しが限定的となったこともあり、ほぼ1905ドルが下限となって10ドル程のレンジで保ち合い推移。NY市場では市場予想どおりとなった米2月CPIの結果を受けて下押し圧力が若干強まった場面では1900ドルの大台をわずかに下回るも一時的、NY引け後も1900ドル台後半での推移。1920ドルが目先の上限となって上昇局面一服の様相にも。上限突破へと向かえば2月高値から安値の76.4%戻し(1936.4)近辺までが一段高の目安に、調整局面拡大となれば2月安値から3月高値(1919.5)の23.6%戻し(1893.8)、38.2%戻し(1878.0)辺りまでが下値目安に。
NYプラチナは-7.6ドル、0.76%安で5日ぶりの反落。急騰局面を形成し、980ドルの節目超えに伴う短期上値目標1010ドル到達後の一服感から調整。この1010ドルが目先の上限となる形で時間外序盤からゆるやかに軟調推移。アジア時間に1000ドルの大台割れを試すと若干の保ち合いを経て、ロンドン・NY市場にかけては1000ドルの大台ラインがレジスタンスに。NY午前に980ドル台前半まで下げた後は990ドルを挟んでの保ち合い推移も、NY引け後には990ドル割れ。調整局面拡大となれば、2月安値(903.9)から3月高値(1012.0)の38.2%戻し(970.7)近辺までが目安に。1000ドルから1010ドルの抵抗水準を突破できたなら1030ドル付近までが上値目標に。
ドル円は102銭のドル高円安、0.77%高となって4日ぶりの反発。東京朝の133円近辺が安値となり、前日までの急落からの反発局面形成へ。東京市場では134円が上限となり、東京市場終盤には133円10銭台まで下押しも欧州時間には134円30銭台まで反発。NY朝の米2月CPI結果には小幅乱高下も徐々に反発局面再開となり、高値では134円90銭台まで上昇。ただし右肩下がりの90日移動平均線(134.42)に上値を押さえられる形となってNY終盤には134円台前半へ。金融危機不安の緩和が続き、インフレ高止まり懸念再燃となれば徐々にドル高基調再開方向にも、地合い回復に向けては90日線を上抜けて上昇軌道の20日移動平均線(135.40)上抜けが分岐点にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート
15日の国内金価格は+50円、0.56%高で4日続伸。3日連続で過去最高値を更新。金融危機不安によるドル安円高、金高の調整局面ではNY金の調整幅が限定的となって国内金を押し上げ。短期上値目標と想定可能な行き過ぎ目安を突き抜けての一段高となり、N計算値適用で安直に算出した高値目安8946円(=2月末安値(8619)から3月初旬高値(8839)までの値幅(220)を3月9日(8726)に加算)にも到達。9000円の大台トライもチラつきながらも短期的にはオーバーラン状態が継続中。2月安値(8605)から3月高値の38.2%戻し(8837)近辺までが当面の調整目安にも。
プラチナ価格は-11円、0.24%安で5日ぶりの反落。リスク回避局面一服での小幅調整局面となり、4610円台の節目手前で折り返しての小幅反落。ただし昨年3月高値と6月高値、10月初旬高値と今年3月高値を結ぶ中期抵抗線にも上値を押さえられた格好にもなり、比較的強めのレジスタンスとなる可能性も。突破できれば上値トライ再加速へ、4680円程度までが短期上値目標にも。
※参考:
金プラチナ国内価格3/15とチャート
2023年03月15日(水)時点の相場
国内金:8,980 円 3/15(水)
▲50(
0.56%)
国内プラチナ:4,594 円 3/15(水)
▼11(
0.24%)
NY金:1,910.9 ドル 3/14(火)
▼5.6(
0.29%)
NYプラチナ:997.3 ドル 3/14(火)
▼7.6(
0.76%)
ドル円:134.24 円 3/14(火)
▲1.02(
0.77%)
3/14(火)のその他主要マーケット指標
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