利上げ打ち止め優勢で8月CPI経由9月FOMCへ
更新日:2023年09月05日(火)
8月雇用統計を無事?通過し、9月FOMCに向けて残る重要指標は次週の8月CPIのみ、という状況で迎えた9月第2週。週明け時点でのCMEフェドウォッチによれば、9月FOMCでのFF金利据え置きは従来から変わらず、ほぼ確実。
そして年内と来年3月までは据え置き優勢。
年内は据え置きが60%前後、利上げが30%台、12月については利下げが5%。
8月CPIが予想以上の上振れとなり、FRB高官からのインフレ警戒と利上げ示唆発言が出てこない限りは、年内据え置きの確率は高まることにもなりそうです。
年明け、1月には据え置き50%台に対して利上げ20%台、利下げ予想も10%台となり、やや流動的に。
3月には据え置きが中央値ながら40%に低下、利上げ10%台に対して利下げは30%台と目線は既に下向き。
現時点では来年5月以降に利下げ開始が優勢となり、中央値では2024年末のFF金利予想は4.375%(425-450)。
なお、6月FOMC時点でのFRB予想中央値は4.625%で、市場予想との差は0.25%。1ヵ月前にはその差0.50%で市場は早期利下げを織り込んでいましたが、現時点では市場予想がFRB予想に寄せてきた格好に。
とりあえず9月FOMCでの利上げ見送りの可能性は高そうですが、その先についてはインフレ動向と雇用情勢次第で追加利上げ観測再燃の可能性も残されます。利下げ開始時期を見通すことは非常に困難ですが、9月FOMCでは2024年末FF金利予想値の改訂版が示され、市場予想においても、その後の利下げ開始時期見通しの基準となります。
4日は米国がレイバーデイの祝日でNY市場は休場。週明け時間外のNY金は1960ドル台から1970ドル台前半まで上昇して反落、4日の時間外は1960ドル台半ばから再開。NYプラチナは970ドル台前半から960ドル前後へと軟調推移。
ドル円は21銭のドル高円安、0.14%の続伸で8月28日(146.52)以来、1週間ぶりの高値。東京朝の146円ちょうど付近が安値となり、146円10銭台を中心に小幅揉み合い推移となって東京市場を通過、欧州時間序盤に146円40銭台へと水準を切り上げると30銭近辺までの小幅下押しをはさんでNY時間には40銭台で値動きも縮小。146円30銭の節目をわずかに上抜け、高値保合い上抜けの兆しとなり、もう一段の上値トライへと向かいやすい状況に。ただし146円50銭台が目先の抵抗水準にもなりやすく、これもしっかり突破できれば昨年10月高値圏付近、149円近辺までが当面の上値目標に。
5日の国内金価格は+19円、0.19%の続伸。8月31日(9986)の過去最高値にほぼ並ぶ、過去2番めの高値。米長期金利の高止まりとドル高円安基調が止まらず、NY金の軟調推移をカバー。流れとしては堅調な局面を形成し、勢いに任せてこのまま最高値更新へと向かいやすい状況となる反面、為替とNY金の僅かな値動きが国内価格の大幅変動へと還元されやすい状況にも。目先、9990円超へ最高値更新となれば、短期的には10050円程度までが上値目標。9930円の下値サポートは小さなダブルトップのネックラインにも相当、割れると9870円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は-26円、0.53%安で3日続落。8月28日(4818)以来1週間ぶり安値圏での一段安。堅調推移が続く9日移動平均線(4863)を割り込み、8月安値(4461)から高値(4965)の23.6%戻し(4846)近辺にも急接近、トレンド維持に向けてはそろそろ調整一服となっても良さそうな水準にも。わずかに下降し始めた90日移動平均線(4793)を割り込むようだと短期トレンド逆転に加えて中期トレンドにも黄色信号。
※参考:
金プラチナ国内価格9/5とチャート
2023年09月05日(火)時点の相場
国内金:9,985 円 9/5(火)
▲19(
0.19%)
国内プラチナ:4,853 円 9/5(火)
▼26(
0.53%)
NY金:1,967.1 ドル 9/1(金)
▲1.2(
0.06%)
NYプラチナ:968.7 ドル 9/1(金)
▼5.7(
0.58%)
ドル円:146.48 円 9/1(金)
▲0.21(
0.14%)
9/1(金)のその他主要マーケット指標
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