ハト派傾斜、12月FOMCドットチャートは2024年に利下げ3回
更新日:2023年12月14日(木)
9月から3会合連続でFF金利据え置きを決定した12月のFOMC。予想以上にハト派に傾斜?したと受け止めた市場は12月FOMC結果を受けて長期金利低下、ドル安で株高、金も急騰の展開に。
米10年債利回りは4ヵ月ぶり低水準となる4%ちょうど付近へ、為替もドル円では4ヵ月ぶりのドル安円高水準へ、NYダウは最高値更新となり、NY金は月初に先走って急騰した2000ドル台半ばへと上値再トライへ。
ドットチャートが示す2024年末のFF金利予想は4.625%。現状水準5.375%からは0.75%の利下げ。0.25%×3回分の利下げを想定。
前回9月FOMCでの2024年末予想5.125%からは-0.50%引き下げた格好。もっとも、ピーク水準が前回の5.625%から今回は5.375%へと引き下げられ、利上げ打ち止めの可能性も示唆されたことも含めてハト派傾斜の印象が強まった様子も。
2024年のコアPCE予想もは9月の2.6%から今回は2.4%へと一段と引き下げられ、インフレ鈍化が順調に進行するとの予想が背景に。
今回のFOMC予想どおりに来年、3回の利下げが実施されるなら、タイミング的には6月、9月、12月の利下げが有力視されそうなところ。
しかし、市場予想ではさらに前のめりとなっているようです。
12月FOMCの直前でのCMEフェドウォッチでは、2024年末までの利下げ予想は5月からの4回で4.375%へ。
これがFOMC後には、3月スタートで0.25%×5回、2024年末には3.875%へ。
FOMC予想以上に、市場はハト派に傾斜しています。
13日のNY金は+4.1ドル、0.21%高で5日ぶりの反発。アジア時間には一時1990ドル割れを試して11月21日(1979.9)以来、3週間ぶり安値をつけて切り返し、ロンドン・NY市場にかけては1990ドル台半ばを中心に小幅揉み合い推移。NY引け後にはFOMC結果を受けて急騰。2030ドル付近まで水準を切り上げ、パウエルFRB議長会見を経てハト派傾斜を好感する形で2040ドル台へと一段高。米長期金利低下とドル安の流れがもう一段続くようなら2050ドルの節目との攻防へも。勢いにまかせてこれを突破できればさらに一段高へも、11月高値圏、2070ドル台辺りまでが短期上値目標に。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(2017.6)が目先のサポート候補。
NYプラチナは-8.9ドル、0.96%の反落。930ドル台半ばで小康状態となったアジア時間を経て、ロンドン市場ではユーロ安ドル高の流れに連れて920ドル付近まで下落。NY市場では930ドル台へと反発も再び920ドル付近へと押し戻されてNY引け後のFOMCへ。金の急騰局面に追随すると930ドル台へと切り下げた抵抗水準を突き抜けて940ドル台へ。このまま940ドル台を維持できれば、さらに一段高トライへも、970ドル程度までが短期上値目標に。上昇軌道の20日移動平均線(923.0)が目先のサポート候補。
ドル円は256銭のドル安円高、1.76%の大幅続落で8月7日(142.48)以来、4ヵ月ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均66銭の3.9倍、先週7日(-3.18円、2.16%)以来1週間ぶりで今年3番めの急落。東京朝の145円10銭台から午後には145円70銭台、東京市場終了後には146円付近まで上昇も、前日高値手前で失速すると欧州・NY朝にかけては軟調推移となって145円70銭台へ。NY市場では米11月PPIが市場予想を下回ったことを受けて145円ちょうど付近まで急落。145円台前半での小幅揉み合い推移となってNY午後、FOMC結果確認で144円割れ、パウエルFRB議長会見で143円割れ。安値では142円60銭台まで下落、自律反発も143円20銭台までと限定的。今朝の東京市場では一時142円ちょうど付近まで下落する場面も。144円の節目割れに伴う短期下値目安143円に到達してオーバーラン。7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の61.8%戻し(142.84)も達成し、200日移動平均線(142.46)でサポートされるかどうか。下げ止まり切れない状態が続けば、7日安値(141.64)、さらには76.4%戻し(140.70)近辺も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/13終値とチャート
14日の国内金価格は+63円、0.62%高で3日ぶりの反発。最高値からの急落局面形成で想定可能な下値目安、10140円台到達でようやく一服の兆しとなり、ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(10101)手前で反発。FOMC後の流れは少なくとも24時間経過するまでは落ち着かない可能性もあり、NY金の堅調推移とドル安円高傾向の流れでは現状ここまででは前者優勢、ただし、いったん落ち着けば次週の日銀会合では円高リスクが単独で作用する可能性も。12月最高値(10819)から安値(10142)の23.6%戻し(10302)程度までが目先の一段高目安にも。10140円の節目割れの場合には10100円割れへ。
プラチナ価格は-53円、1.12%の反落。4670円の節目突破に伴う短期上値目標4730円近辺には少し届かず、21日移動平均線(4726)手前で失速、90日移動平均線(4693)も下抜け。4640円の節目を維持できない場合には中期下値サポート水準となる4570円程度までの一段安も。4720円超へと切り返すことができれば上値再トライへ、4770円程度までが短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格12/14とチャート
2023年12月14日(木)時点の相場
国内金:10,205 円 12/14(木)
▲63(
0.62%)
国内プラチナ:4,664 円 12/14(木)
▼53(
1.12%)
NY金:1,997.3 ドル 12/13(水)
▲4.1(
0.21%)
NYプラチナ:922.1 ドル 12/13(水)
▼8.9(
0.96%)
ドル円:142.92 円 12/13(水)
▼2.56(
1.76%)
12/13(水)のその他主要マーケット指標
NY金は6年、プラチナも5年連続上昇、でも今年は苦戦の12月 12/15(金)米11月CPIは予想通りの鈍化、コアCPIは8ヵ月連続低下 12/13(水)インフレ期待も鈍化継続、NY連銀消費者調査では平年並みに 12/12(火)大幅調整の国内金、12月の平均騰落率はマイナス転落の危機 12/11(月)
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