FOMC議事要旨では時期尚早な利下げリスクを懸念
更新日:2024年02月22日(木)
FOMC議事要旨では、1月末のFOMCでメンバの大部分が時期尚早な利下げに懸念を表明していたことが明らかに。
早期利下げは高金利長期化よりもリスクが大きい、との見方も示唆。「インフレ鈍化のさらなる進行」を確認したいとし、利下げ開始タイミングについては不透明感も。
リッチモンド連銀のバーキン総裁はこの日、「一部セクターにおける物価上昇圧力がなお高過ぎる」ことへの懸念を指摘。ボウマンFRB理事は「(利下げが)今ではないのは確かだ」との発言。最近ではその他複数のFRB関係者からも早期利下げを否定する発言が続き、市場の思惑としても6月利下げ開始が優勢の状況に。
米国の消費者信頼感指数は、ミシガン大の2月速報では79.6となり、2年7ヵ月ぶりの高水準。インフレ鈍化と労働市場の力強さにサポートされて年末年始の急回復後の水準を維持してはいるものの、コロナ前2017年から2019年までの平均97.0にはまだまだ遠く及ばない状態。
この日欧州委員会が発表したユーロ圏の消費者信頼感指数も2月は-15.5。直近2年間では3番めの高水準ながら、2017-2019年平均-5.6を大きく下回る状態。
米欧ともにインフレ鈍化とともに消費センチメントの回復基調は進行中ながら、「インフレ鈍化のさらなる進行」を確認する必要があるため、消費センチメントの回復余地もまだまだ大きく残る状況となっているようです。
21日のNY金は-5.5ドル、0.27%安で4日ぶりの反落。アジア時間には2030ドル台半ばから2040ドル台まで上昇、前日高値をわずかに上回って1週間ぶり高値をつけて失速するとロンドン序盤には2040ドル割れ。NY朝には2040ドルを挟んでの保ち合いとなって下げ渋るも午後には米10年債利回り上昇を受けて軟調推移。NY引け後にはFOMC議事要旨を受けての小幅乱高下で2030ドル付近の安値をつけるも想定の範囲内で2030ドル台半ばへと巻き戻し。2月高値(2083.2)から安値(1996.4)の半値戻し(2039.8)を達成した前日からは上ヒゲを残しての小反落で一服状態に。2000ドルから2050ドル台までが引き続き目先の主要レンジ、上抜けなら2月高値(2083.2)圏トライへ、90日移動平均線(2017.4)近辺が下値サポート候補。
NYプラチナは-24.7ドル、2.7%安となって5日ぶりの反落。2月13日(878.9)以来、1週間ぶりの安値。アジア時間に910ドル近辺から910ドル台半ばまで上昇、前日高値と90日移動平均線(922.6)手前で失速するとロンドン・NY市場にかけて戻り売り。900ドルの大台を割れるとNY午後には890ドル割れで下げ渋り。結果的に先週の900ドルの節目上抜けに伴い、短期上値目標2月高値(933.8)近辺を目指した流れは90日線に上値を押さえられて折り返し、再び900ドルの大台割れへと逆戻り。870ドル台から920ドルまでが目先の主要レンジとなり、下限を割り込むようだと11月安値(843.1)近辺トライへと向かう可能性。あらためて上限を超えて90日線も突破できたなら一段高トライで960ドル台辺りまでが目標水準に。
ドル円は30銭のドル高円安、0.2%高で3日ぶりの反発。14日(150.61)以来、1週間ぶりの高値。東京市場では150円を挟んでの上下動、149円80銭台の安値をつけた午後から欧州時間には150円10銭台まで上昇。NY朝にかけて149円90銭台まで反落もNY午後には米10年債利回り上昇に連れて150円40銭付近まで上昇してこの日の高値。FOMC議事要旨には小幅に乱高下の反応も、概ね予想どおりで早期利下げに否定的な内容を好感、NY終盤にかけては高値圏再トライ。今年高値圏での小幅保ち合い状態が続き、149円90銭から150円90銭までが目先の主要レンジに。上抜けなら昨年高値圏トライで短期上値目標は151円台後半。下抜けの場合には20日移動平均線(148.87)近辺から148円台半ばまでまでが短期調整目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/21終値とチャート
22日の国内金価格は+40円、0.37%高で5日続伸。今年高値を更新し、過去最高値となった12月4日(10819)以来、2ヵ月半ぶりの高値。5日続伸は今年初で昨年8月以来、半年ぶり。勢いに欠ける状態のまま、反落警戒感を抱えながらもジリジリと水準を切り上げ、逆行状態をもろともせずに高値を更新しての一段高。流れを強引に捻じ曲げるような格好にもなって10690円台の節目を上抜けたことで一段高トライへの可能性も、短期上値目標は10770円程度まで。勢い余れば次週、最高値更新トライにも。
週間ベースでは+136円、1.29%の反発。
プラチナ価格は-88円、1.86%の反落で2月14日(4598)以来、1週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均41円の2.1倍、今年最大で2ヵ月半ぶりの急落。中期三角保合い上半分の領域再トライを諦めない粘り強さが見られたのもつかの間、中間ライン、90日移動平均線(4695)、9-21日移動平均線(4678-4674)などをまとめて下抜け。4700円の節目割れに伴う短期下値目安4640円程度にもほぼ到達。短期的には一服感も、3連休明けの行き過ぎ警戒水準として2月8日につけた今年安値(4584)圏も視野に。
週間ベースでは-54円、1.15%の反落。
※参考:
金プラチナ国内価格2/22とチャート
2024年02月22日(木)時点の相場
国内金:10,713 円 2/22(木)
▲40(
0.37%)
国内プラチナ:4,647 円 2/22(木)
▼88(
1.86%)
NY金:2,034.3 ドル 2/21(水)
▼5.5(
0.27%)
NYプラチナ:889.6 ドル 2/21(水)
▼24.7(
2.70%)
ドル円:150.29 円 2/21(水)
▲0.30(
0.20%)
2/21(水)のその他主要マーケット指標
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