急騰一服、日米金融政策動向睨みで国内金も乱高下局面へ
更新日:2024年03月11日(月)
最高値更新が続いて急騰局面を形成したNY金は今週、米CPIなどの主要指標確認を経て次週FOMC。前回CPIは予想外の下げ渋りでインフレ高止まり、利下げ先送り観測でドル円急騰でNY金は急反落。今回も同様の展開への警戒感も高まりつつあり、足下で急騰してきたNY金には大幅調整リスクも。当然のことながら、意外とそうでもなかった場合の反動リスクも。
次週、FOMCに先行して発表される日銀会合結果では、ここにきてにわかに高まるのがマイナス金利解除の前倒し警戒感。積み上がった円売りポジション巻き戻しへの格好の材料ともなり、先週はやや一方的に円高が進行。こちらは今週の春闘集中回答や連合の第1次集計結果を確認しての判断にも。マイナス金利解除決行ならもう一段の円高進行も、従来予想どおり4月へ先送りなら反動高へも。
先週末まで6日連続で過去最高値を更新したNY金は週末の2180ドル台半ばから週明け時間外には2190ドル台トライへと依然、堅調を維持。4日続落で147円近辺で週を跨いだドル円は今朝の東京市場で147円割れ。
11日の国内金価格は+38円、0.34%の反発。2営業日ぶりで今年5回めの過去最高値更新。12月高値(10819)から12月安値(10115)の161.8%戻し(11254)付近到達後の一服を挟んでこれをしっかり上抜け。11250円台の節目上抜けに伴い、高値保ち合いとはならず、一段高トライへ、短期的には11300円近辺までが上値目標に。巻き戻しの展開となって11230円の節目を割り込むようなら一定の調整へ、11170円程度までが短期下値目安に。
一目均衡表では基準線(10913)、転換線(11007)を大きく上回る水準での推移が続き、三役好転の強気相場が継続中。日柄的には今週、12-13日にかけて雲のねじれが生じる要注意日。既にこのねじれ付近で相場急変済で落ち着きを取り戻すか、あるいは一段高か、大幅調整か。最高値圏での乱高下警戒ウィークにも。
プラチナ価格は-22円、0.47%安で3日ぶりの反落。週末に上値トライ失敗で巻き戻しとなったNYプラチナは910ドル台半ばから週明け時間外は920ドル台へと下げ渋り。しかし、週末の状況を反映する形となった国内プラチナ価格も上値トライは失敗。4690円の節目上抜けに伴う短期上値目標4800円の大台回復を目指す流れは最初の関門、90日移動平均線(4701)突破で一段高が期待された状態からの巻き戻し。90日線割れへと押し戻され、中期三角保合い中間ライン付近での上値の重さを再確認。目先、4720円超へ上値再トライとなれば次の鬼門、2月高値と1月末高値4757円トライ、4760円までが短期上値目標に。
一目均衡表では基準線(4671)、転換線(4661)を上回り、薄くなった雲(4691-4706)の中に位置し、遅行線は26日前価格(4724)を下回り、一役好転、一役揉み合い、一役は逆転。中期三角保合い中間ライン付近での揉み合い状態を象徴する状態。しかし、気がつけば中間ラインから上の領域は空白地帯となって短期的には上値切り下げの構図に。12月高値(4861)から上値を切り下げる短期三角保合い上限ラインは現状、4700円近辺。このまま上値切り下げを受け入れて短期三角保合い継続か、これを抜け出して久々の中期三角保合い上限ライントライへと向かうことができるか、重要水準での攻防ウィークに。
※参考:
金プラチナ国内価格3/11とチャート
2024年03月11日(月)時点の相場
国内金:11,271 円 3/11(月)
▲38(
0.34%)
国内プラチナ:4,694 円 3/11(月)
▼22(
0.47%)
NY金:2,185.5 ドル 3/8(金)
▲20.3(
0.94%)
NYプラチナ:914.8 ドル 3/8(金)
▼8.6(
0.93%)
ドル円:147.06 円 3/8(金)
▼0.96(
0.65%)
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