年内利下げ3回、市場見通しも12月FOMCに同調して3月FOMCへ
更新日:2024年03月14日(木)
CMEフェドウォッチでは、今回3月FOMCでのFF金利据え置きは確実な状況となり、次回5月FOMCでも90%の確率で据え置きがほぼ確実視される状況に。
6月FOMCでは現状維持予想が30%台となり、1回めの利下げが濃厚、という状態に。
そして9月と11月、もしくは12月にも追加利下げ予想が優勢。
現時点での市場の思惑としては、6月以降年末までに0.25%×3回、合計0.75%の利下げがメインシナリオ。市場が予想する2024年末FF金利は450-475、中央値4.625%。
この回数、水準は
12月FOMC参加メンバーの予想中央値に同じ。
12月FOMC直前のタイミングでの市場予想としては5月から0.25%×4回、合計1.00%利下げとなっていました。
1ヵ月前の2月半ば時点での市場予想は、利下げ開始を6月に先送りも、年末までには0.25%×4回、合計1.00%利下げ。
その後の1ヵ月間では、
インフレ指標の高止まりや雇用情勢の強さなどの逆風のなかでも、複数のFRB高官によるハト派発言なども功を奏し、市場コンセンサスをFRBのメインシナリオ寄りに誘導することに成功した、とも言えるかもしれません。
ただ、最近では一部の地区連銀総裁からは、年内に利下げはあるが「急がない」、「緊急性はない」、「多くて2回」といった発言も。
12月時点のFRBの思惑と、現時点での市場の思惑がようやく一致した状態で迎える3月FOMCでは、利下げ慎重派勢力がFRB内にさらに拡大している可能性も警戒されます。
13日のNY金は+14.7ドル、0.68%の反発。2月安値(1996.4)から3月高値(2203.0)の23.6%戻し(2154.2)付近までの調整をわずか1日で終えて高値圏へと再浮上。前日NY引け後につけた安値2150ドル台半ばからの反発後、この日の時間外序盤は2160ドル台を維持して小幅揉み合い推移。ロンドン・NY市場にかけてはドル安の流れに連れて堅調推移、NY朝に2170ドルを超えるとNY午後には一時2180ドル台半ばまで上昇し、NY引けにかけては2180ドル近辺。2160ドルから2190ドルまでのレンジで高値保ち合いを形成してFOMC待ちへ。それ以前でも、上抜けると2210ドル近辺までを目安に一段高へ、下抜けると2140ドル近辺までが短期下値目安に。
NYプラチナは+16.7ドル、1.8%の反発。下ヒゲ陰線で下げ渋った前日の流れを受け、時間外序盤は920ドル台半ばを安値に小幅保ち合い。金に先行する形で徐々に堅調方向への流れとなってロンドン序盤に930ドル台、NY朝には940ドルの節目との攻防へ。一度は跳ね返されながらも930ドル手前で切り返して再トライに成功するとNY午後には940ドル台半ばへ。940ドルの節目を上抜けたことで上値トライ再開、短期上値目標は960ドル近辺まで。下方向には920ドル台がサポート、水平状態を維持する90日移動平均線(922.6)を割り込むようだと短期トレンド崩れへ、900ドルの大台近辺までが短期下値目安に。
ドル円は9銭のドル高円安、0.06%の小幅続伸。春闘集中回答日となったこの日、東京時間朝からトヨタの4年連続満額回答などを受けて日銀のマイナス金利解除への思惑が強まって円高圧力に。それでも147円60銭台から20銭台まで下げたところが安値となって下げ渋り、反発後には午後にも同水準まで下げて切り返し、90日移動平均線(147.37)にもサポートされる形となって東京市場終了時には147円半ばを回復、欧州時間にも堅調を維持して148円台を回復。ただし148円ラインが上限となる形で頭打ちの状態が続くとNY市場では軟調推移。次週の日銀会合でマイナス金利解除について議論するとの報道などもあり、NY午後には147円40銭台まで下落。ただ147円半ばでは底堅く、NY終盤には147円80銭台へと小反発。90日線が目先の下値サポートとなりつつあり、反発方向へは148円ラインへの抵抗感が強まる状況に。146円90銭の節目を割り込むようだと12月安値(140.26)から2月高値(150.88)の半値戻し(145.57)近辺までが短期下値目安。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/13終値とチャート
14日の国内金価格は+91円、0.81%の反発。2日ぶり、今年7回めの過去最高値更新。前日の下げ幅を帳消しにする急反発となり、11230円の節目割れに伴う短期下値目安11170円程度までを目指した調整への流れは11200円付近までにとどまり、急騰する9日移動平均線(11212)にもサポートされて切り返し。11280円の節目上抜けに伴う、次の最高値目標は11350円近辺。逆に反落となって11200円の節目を割り込むようだとあらためて調整局面入りへ、2月安値(10554)から最高値(11296)の23.6%戻し(11121)近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+86円、1.82%の大幅反発。今年高値を更新し、12月27日(4861)以来2ヵ月半ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均44円のほぼ2倍、今年3番めの急騰。上下動を繰り返しながら上値も下値も切り上げる上昇トレンド継続の流れで4780円の節目を上抜け、これに伴う短期上値目標4820円近辺にも到達。一服感と上昇トレンド継続の為には目先、反落必至の状況にも。中期三角保合い上抜けからの巻き戻しの勢いが強まり過ぎて4730円の節目を割れるようだとトレンド崩れへ、4670円程度までが短期下値目安に。短期的な行き過ぎと中期三角保合い上抜けの勢い持続で一段高へと向かえば12月高値水準4860円台が次の目標水準にも。
※参考:
金プラチナ国内価格3/14とチャート
2024年03月14日(木)時点の相場
国内金:11,296 円 3/14(木)
▲91(
0.81%)
国内プラチナ:4,824 円 3/14(木)
▲86(
1.82%)
NY金:2,180.8 ドル 3/13(水)
▲14.7(
0.68%)
NYプラチナ:944.9 ドル 3/13(水)
▲16.7(
1.80%)
ドル円:147.77 円 3/13(水)
▲0.09(
0.06%)
3/13(水)のその他主要マーケット指標
2月PPIも上振れ、利下げ慎重派のサポート材料に 03/15(金)米2月CPIは下げ渋り、ドル円も下げ渋ってNY金は9日ぶり調整 03/13(水)NY連銀消費者調査、2月インフレ期待は下げ渋り 03/12(火)急騰一服、日米金融政策動向睨みで国内金も乱高下局面へ 03/11(月)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン