ISM価格指数に追随、コアCPIも6月は一段と低下へ?
更新日:2024年07月10日(水)
パウエルFRB議長はこの日、議会証言で「インフレ減速の証拠をさらに確認したい」と従来のスタンスを踏襲。最近のデータはインフレ面での「さらなる緩やかな進展」を示しているが、「さらなる良好なデータ」が見られれば、インフレ率が当局の2%目標に向けて低下しているという確信が強まる、と発言。
最近のインフレデータ、コアCPI、コアPCEはいずれも緩やかにインフレ鈍化への進展を示しています。これらに先行する形でISM製造業景況指数、非製造強景況指数の価格指数もインフレ鈍化進展を示しています。
2020年から2021年にかけて、ISM製造業景況指数の価格指数が急騰。これに追随する形でISM非製造業景況指数の価格指数も急騰。
少し遅れて2021年春以降、コアCPIとコアPCEも急騰しました。
ISM製造業・価格指数は2021年6月(92.1)にピークをつけ、その後しばらくは高水準での乱高下となり、2022年3月(87.1)に2番天井をつけて急低下。2022年秋には節目50割れへと急降下。
これに少し遅れてISM非製造業・価格指数は2022年4月(84.6)にピークアウト、2022年末には70割れ、2023年春にかけて60割れへと低下。
一方、コアCPIは2022年春から秋にかけて高止まり、ダブルトップを形成する形で最終的には2022年9月(前年比+6.63%)をピークに低下基調へ。
コアPCEも2022年春から秋にかけて団子天井を形成してピークアウト。
そして2023年後半以降はISMの価格指数は製造業も非製造業も下げ渋り、製造業の価格指数は4月に60.9まで上昇後、続落で6月には52.1へと急低下。非製造業でも今年1月には64.0、4月には59.2へと反発後、6月にかけて56.3へと低下。
ISM価格指数はここに来て再び低下基調再加速の兆し、という展開に。
コアPCEは2023年12月に3%割れも今年2-3-4月には+2.8%前後で下げ渋り、5月には+2.57%へと低下基調再開。
コアCPIも今年1-2-3月は+3.8%前後で下げ渋り、4-5月には+3.6、3.4%へと低下基調再開。
コアCPIは6月もISM価格指数に追随する形で「さらなる良好なデータ」となるかもしれません。
9日のNY金は+4.4ドル、0.19%の反発。時間外は2360ドル台半ばから2370ドル台半ばまでの小幅レンジで揉み合い推移、NY市場ではパウエルFRB議長の議会証言を受けてやや乱高下の反応。基本的には従来どおりの発言も、2360ドル台から2370ドル台後半まで上昇後には米長期金利上昇とドル高の流れに押される形で2360ドル割れへと急反落。前日安値をわずかに下回りながらも一時的に留まって切り返すとNY引け後には2370ドル台を回復。CPI前に小動きとなったこの日の変動値幅は22.3ドルで今年の平均32.1ドルの7割。引き続き2330ドルから2400ドルまでが目先の主要レンジとなり、足下では2360ドルへと下値を切り上げようかという展開にも。
NYプラチナは-14.5ドル、1.43%の続落で7月1日(988.7)以来、1週間ぶりの安値。前日安値1010ドル付近からの反発局面はこの日、アジア時間に1010ドル台半ばから1020ドル台半ばまで上昇して頭打ち。戻り売りの展開となってロンドン序盤には1010ドル台、NY市場では1010ドル割れから1000ドルの大台割れへ、しかし990ドル台前半までで折り返すとNY午後には1000ドルの大台回復をかけた攻防へ。ゆるやかに上昇し始めた20日移動平均線(993.2)にもサポートされた格好となり、この近辺で下げ止まれるかどうかが目先のポイントにも。これを維持できず、980ドルの節目を割り込むようだと流れも逆転、6月安値圏950ドル近辺を目安に下値トライへ。
ドル円は+47銭、0.29%の続伸。終値ベースで今年高値となった7月3日(161.70)以来、1週間ぶりの高値。東京市場午前には160円70銭台の安値から、日経平均の上げ幅拡大に連れる形で161円10銭台まで上昇。前日高値近辺で失速すると軟調推移となって東京市場終了直後には160円70銭台へと行って来い。しかし欧州時間から再び買い優勢、161円台を回復するとNY市場ではパウエルFRB議長の議会証言を経て米10年債利回り上昇にも連れて161円50銭台まで上昇。NY午後には161円20銭台まで戻して小康状態に。下限を160円80銭に切り上げて161円80銭までのレンジで保ち合いとなってCPI待ちへ。保ち合い上抜けとなれば一段高トライへ、短期上値目標は162円台後半まで、下方ブレイクなら調整へ、159円半ばまでが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/9終値とチャート
10日の国内金価格は+61円、0.46%の反発。最高値圏での乱高下状態となるなか、13350円の節目割れを回避しての切り返し、最高値圏での小幅保ち合いを形成。CPIが下げ渋って若干のドル高優勢の展開となれば、ドル円にサポートされて最高値更新トライへと向かう可能性も。その度合が強過ぎるとNY金の下げ幅拡大で保ち合い崩れへと向かう可能性も。13470円超へと最高値再更新なら短期上値目標は13550円近辺まで。13360円の節目割れなら調整目安は13270円近辺まで。
プラチナ価格は-84円、1.49%の続落で7月2日(5528)以来、1週間ぶりの安値。2日合計で2.8%超の大幅安となり、前日まで堅調に推移していた9日移動平均線(5614)を割り込んで9日線自体も下向きへ。流れとしては強気相場での堅調局面終息へ、5520円の節目を維持できるかどうかが目先のポイントに。これを割れると一段安トライへ、短期下値目安は5430円近辺まで。
※参考:
金プラチナ国内価格7/10とチャート
2024年07月10日(水)時点の相場
国内金:13,422 円 7/10(水)
▲61(
0.46%)
国内プラチナ:5,566 円 7/10(水)
▼84(
1.49%)
NY金:2,367.9 ドル 7/9(火)
▲4.4(
0.19%)
NYプラチナ:999.0 ドル 7/9(火)
▼14.5(
1.43%)
ドル円:161.29 円 7/9(火)
▲0.47(
0.29%)
7/9(火)のその他主要マーケット指標
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