高値保合い維持をかけた国内金価格、真夏の攻防
更新日:2024年07月29日(月)
熱波到来で酷暑が厳しさを増す国内、「エアコン無しが普通」に驚きながら、良くも悪くもサプライズ連発で悲喜こもごもに盛り上がるパリ五輪。急速に盛り上がるのは米大統領選も同様、もはや過去の人となったバイデン大統領に替わり、民主党候補として急速に勢いを増すハリス副大統領。一方、共和党のトランプ前大統領は「強いドルが製造業に打撃」とドル安誘導を示唆する発言も、イエレン現財務長官は「そんな単純なものではない」と偏見発言を牽制。そんな真夏の1週間は日米英の金融政策会合に各国PMIや米ISM、雇用統計など重要イベントが続き、「強いドル」に変化の兆しとなりうる節目の1週間にも。FRBの次回利下げ示唆ならドル安方向へ、日銀の利上げ先送りなら円安方向への巻き戻し、なども予想され、その他指標結果とも複雑に絡み合い、市場にとっても過酷な真夏の1週間となる可能性も。
週明け時間外のNY金は2380ドル台から2400ドルの大台トライもいったんは跳ね返される展開。ドル円は153円60銭台から154円30銭台まで堅調推移後に153円20銭台まで反落。波乱の1週間を予感させるような慌ただしい週明け。
29日の国内金価格は週末から+229円、1.79%の大幅高で6営業日ぶりの反発。週末の下落分を取り戻し、7月17日の最高値(13743)更新後では初めての上昇。13000円の大台目前となり、最高値から7月安値(12770)の23.6%戻し(13000)をほぼ達成。反発局面が続くなら、38.2%戻し(13142)をクリアできれば半値戻し(13257)も意識される展開にも。逆に12770円の節目を割り込むようだと一段安トライへ、6月安値圏12680円近辺までが短期下値目安に。
一目均衡表では基準線と転換線(13257)を大きく下回り、雲の下限(12769)にサポートされて雲の上限(12928)を上抜け。遅行線は26日前価格(12964)との攻防が続くなかで一時的に上抜け。二役好転も、三役逆転と背中合わせの攻防状態。4月以降の高値保合いではレンジを拡大する逆三角保合い気味、波乱を示唆する形状。足下ではそのとおりの展開にもなりつつあり、高値保合い維持をかけた重要な攻防局面にもなりそうな一週間、国内金価格にとっても暑い、熱い真夏の攻防にも。
プラチナ価格は+44円、0.87%高で5日ぶりの反発。短期的には小幅反発後に大幅続落を繰り返す、典型的な強気の下落トレンド形成中の戻り局面。トレンド継続ならこの後、一段安へと向かう展開も予想され、5040円の節目割れなら4950円程度までが目先の下値目安。ただし、RSIも17.6%と過熱感も強まり、そろそろ下げ止まり警戒フェーズにも。反発方向へは急降下する9日移動平均線(5250)から90日移動平均線(5308)近辺までが抵抗帯となる可能性、その上に5350円の節目が当面の抵抗水準にも。
一目均衡表では基準線(5385)、転換線(5296)、雲の上限(5431)と下限(5369)をいずれも大きく下回り、遅行線も26日前価格(5412)を大きく下回ってその差も拡大。三役逆転の弱気相場の勢いが増す状況。中期的には2022年9月安値(4052)から今年5月高値(5877)までの半値戻し(4965)が当面のサポート候補に。
※参考:
金プラチナ国内価格7/29とチャート
2024年07月29日(月)時点の相場
国内金:12,999 円 7/29(月)
▲229(
1.79%)
国内プラチナ:5,084 円 7/29(月)
▲44(
0.87%)
NY金:2,381.0 ドル 7/26(金)
▲27.5(
1.17%)
NYプラチナ:944.4 ドル 7/26(金)
▼1.3(
0.14%)
ドル円:153.76 円 7/26(金)
▼0.27(
0.18%)
7/26(金)のその他主要マーケット指標
ゆるやかに低下する賃金上昇率と下げ渋る地区連銀賃金指数 07/30(火)6月PCEは予想どおり、上振れのコアPCEは2.6%で下げ渋り 07/27(土)悲観のドイツIFO景況感指数、7月は全業種急失速 07/26(金)米欧PMIは7月速報で明暗、米製造業PMIとユーロ圏PMIは失速 07/25(木)
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