米雇用急減、ネガティブ・サプライズでドル高一服、金急騰
更新日:2025年08月02日(土)

今週のADP雇用、GDPの上振れなどの好結果にサポートされた流れは、筋書きのないドラマのように、週末に巻き戻し。
米7月雇用統計はネガティブ・サプライズ。
雇用者数の伸びは市場予想の前月比+10.2万人に対し、+7.3万人。6月は前月時点での+14.7万人から+1.4万人へ、-13.3万人の下方修正。5月も前月時点の+14.4万人から+1.9万人へ、-12.5万人の下方修正。
2ヵ月合計で25.8万人の下方修正。
この結果、
年間平均では7月分発表時点で+8.5万人。2024年の+16.8万人から半減、マイナスに落ち込んだコロナショックやリーマンショックの時を除けば、2003年以来、22年ぶりの低水準。
ADP雇用とは直近の方向性でも乖離していた3ヵ月平均は+3.5万人となり、急激にADPに寄せてきた格好。水準的には2020年6月以来、5年1ヵ月ぶり低水準、コロナ後最低。
その他、平均時給は前年比+3.91%。市場予想の+3.8%を上回り、11ヵ月ぶり低水準の6月(3.77)から反発、5ヵ月ぶりの高水準。
労働参加率は62.2%。2022年11月(62.1)以来、2年8ヵ月ぶりの低水準。
長期失業者の割合は24.9%。前月から+1.6%の大幅続伸で3年5ヵ月ぶりの高水準。
7月のISM製造業景況指数も予想外に低調で9ヵ月ぶり低水準、5ヵ月連続の節目50割れ。雇用指数は6ヵ月連続の節目50割れで1年ぶりの低水準。
トランプ大統領のプレッシャーに、パウエルFRB議長は動じなかったものの、雇用情勢の実態は既に動揺し始めていた様子。
株式市場では「雇用統計ショック」となり、トランプ大統領の矛先は労働省労働統計局(BLS)局長にも・・・

1日のNY金は+51.2ドル、1.53%の反発で7月22日(3443.7)以来、10日ぶりの高値。3340ドル台を中心に保ち合い推移となって時間外を通過、NY市場では米7月雇用統計のネガティブ・サプライズを受けて3350ドル付近から3400ドル近辺へと急騰。NY午後には3400ドルを挟んでの揉み合い、NY引け後には3410ドル台半ばへと一段高。20日移動平均線(3356.0)を上抜けての急騰で6月前半には抵抗帯となった3400ドル近辺も上抜けトライへ。この水準がサポートとなれば高値圏再トライへ、3450ドルの節目を上抜けると3500ドル超へと最高値更新トライを目指す展開にも。
週間ベースでは+64.2ドル、1.92%高で3週ぶりの反発。7月は月間で+40.9ドル、1.24%高で3ヵ月ぶりの反発。

NYプラチナは+17.8ドル、1.37%高で9日ぶりの反発。アジア時間には1300ドル近辺での小康状態、ロンドン序盤には1270ドル付近までの一段安トライ。6月24日(1271.1)以来、1ヵ月超ぶりの安値をつけ、今年安値(878.3)から今年最高値(1511.4)の38.2%戻し(1269.6)近辺でげ渋るとNY朝には雇用統計後のNY金の急騰に追随。1300ドルを回復するとNY午後には1310ドル台、NY引け後には1320ドル台から1330ドル回復トライへ。やや一方的な急落局面でRSIも20%半ばまで下げたところからの反発でRSIも30%台へ。1290ドルが当面の底値とならない場合には1250ドル近辺までを目安に一段安トライへも。
週間ベースでは-105.9ドル、7.44%安で3週続落。2023年11月以来、1年8ヵ月ぶりの急落。7月は月間で-43.9ドル、3.27%安で3ヵ月ぶりの反落。

ドル円は-344銭、2.28%の大幅安で3日ぶりの反落。7月24日(147.01)以来、1週間ぶりの安値。下落率は今年の絶対値平均0.55%の4.1倍、今年最大で2023年1月12日以来、2年7ヵ月ぶりの急落。東京午前には前日高値を上抜けて150円90銭台まで上昇。3月28日(151.21)以来、4ヵ月ぶり高値をつけながら、151円目前で上げ渋ると午後から欧州時間にかけては150円半ばへと水準を切り下げて小幅揉み合い推移。NY朝には雇用統計に150円50銭台から148円前半へ、2円超の急落で反応。さらにISM製造業景況指数も予想を下回る低調となったことで148円近辺から147円50銭近辺へと急落。その後は148円近辺に戻して下げ渋るも、NY終盤にはクーグラーFRB理事の辞任報道もあり、147円30銭近辺へと一段安。目先、146円半ばの節目を維持できない場合には一段安トライへ、短期下値目安は144円半ば。下げ止まりに向けては20日移動平均線(147.72)回復がポイントにも。
週間ベースでは-28銭、0.19%の続落。7月は月間で+6.80円、4.72%の反発。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/1終値とチャート
2025年08月02日(土)時点の相場
国内金:17,404 円 8/1(金)
▲174(
1.01%)
国内プラチナ:6,866 円 8/1(金)
▼8(
0.12%)
NY金:3,399.8 ドル 8/1(金)
▲51.2(
1.53%)
NYプラチナ:1,316.9 ドル 8/1(金)
▲17.8(
1.37%)
ドル円:147.36 円 8/1(金)
▼3.44(
2.28%)
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