雇用統計は8月も、8月は雇用統計も予想以上に低調
更新日:2025年09月06日(土)

米8月雇用統計は予想以上に低調。
雇用者数の伸びは7月に続いて予想を大幅に下回り、今週発表された米経済指標では8月ISN製造業景況指数、7月求人件数、8月ADP雇用に続いて悪化。
非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+2.2万人で市場予想の+7.5万人を大幅に下回り、7月の+7.9からも急減、6月は+1.4万人から-1.3万人へとマイナス圏へと下方修正。
ちなみに6月はADPの-2.3万人へと寄せる形での軌道修正。
NFPの3ヵ月移動平均は+2.9万人。5年1ヵ月ぶり低水準でコロナ後最低となった7月(+2.8)からわずかに反発。コロナ後最低レベルで下げ渋り。
また、
8月までの時点で年間平均は+7.5万人。コロナ禍の2020年、世界金融危機の2008-2009年を除けば2004年以降の22年間で最低。
失業率は4.3%。2021年10月(4.5)以来、3年10ヵ月ぶり高水準。U6失業率も8.1%で2021年10月(8.2)以来、3年10ヵ月ぶり高水準。黒人失業率も7.5%で3年10ヵ月ぶり高水準。
平均時給は前年比+3.69%。市場予想どおりで昨年7月(3.63)以来、1年1ヵ月ぶり低水準。2021年6月以降の4年3ヵ月では2番めの低水準。
長期失業者の割合は25.7%。3ヵ月続伸で2022年2月(26.7)以来、3年半ぶり高水準。
低調な結果を受けて利下げ観測がより強まり、これを好感する株と金は急騰で反応。しかし想定以上の雇用情勢悪化で景気悪化懸念も同時に強まる格好となって株は急失速。リスク回避で買われる安全資産の金は高止まり。

5日のNY金は+46.6ドル、1.29%の反発で2日ぶり、今年30回めの最高値更新。アジア時間には3600ドル割れの安値をつけて3610ドル台へと小反発、ロンドン・NY朝にかけては3610ドルを挟んで保ち合いに。予想外に低調となった米8月雇用統計を受けて3640ドル台へと急騰で反応、揉み合いながら高値では3650ドル台半ばまで上昇。ただしNY引け後にはドルの下げ渋りにも連れる形で3640ドル割れへと失速。3640ドルの節目上抜けに伴う一段高トライ急伸となり、短期上値目標3680ドル程度まで、もう少しの上昇余地も。3600ドルが当面の下値サポートとなり、これを割り込むようなら調整へ。8月20日安値(3353.4)から最高値(3655.5)の38.2%戻し(3540.1)辺りまでが短期調整目安に。
週間ベースでは+137.2ドル、3.90%高で3週続伸。3ヵ月半ぶりで今年3番めの大幅高。

NYプラチナは+10.1ドル、0.73%の反発。時間外には1380ドル近辺から1390ドル近辺へと小幅に上昇、NY朝には雇用統計に反応したNY金の急騰に追随して1410ドル台まで急騰。しかし直後には、小幅急騰後に急反落となった米株に追随する形で1380ドル近辺へと急反落。安値では一時1370ドル台半ばまで下げてNY午後には1380ドル台を回復して下げ渋り。上に行って来いとなって反発トライは失敗、引き続き1330ドルから1460ドルまでを主要レンジに、下限を1370ドルへと切り上げトライ。
週間ベースでは+16.2ドル、1.18%高で5週続伸。

ドル円は-105銭、0.71%の反落で9月1日(147.17)以来の安値。東京朝に1は48円50銭台の高値から148円近辺へと軟調推移、その後は148円10銭を挟んでの小幅揉み合い推移となって午後から欧州時間を通過。NY朝には雇用統計の低調な結果を受けて148円20銭近辺から147円前半へと急落で反応、その後もドル安の流れが続いてジリジリと下値を切り下げ、NY午後には146円80銭台まで下落。しかし146円90銭の節目割れで下げ渋るとNY終盤にかけて147円30銭台へと反発。147円80銭の節目突破に伴う短期上値目標152円台トライは失敗、巻き戻しの流れでは保ち合い下限割れを回避し、保ち合い回帰。次週、146円90銭から148円半ばまでのレンジを下方ブレイクとなれば142円近辺を目指す流れへ、逆に上方ブレイクへと切り返すことができれば153円トライへと向かう可能性も。
週間ベースでは+35銭、0.24%の小幅続伸。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/5終値とチャート
2025年09月06日(土)時点の相場
国内金:18,499 円 9/5(金)
▲6(
0.03%)
国内プラチナ:7,179 円 9/5(金)
▼190(
2.58%)
NY金:3,653.3 ドル 9/5(金)
▲46.6(
1.29%)
NYプラチナ:1,386.7 ドル 9/5(金)
▲10.1(
0.73%)
ドル円:147.39 円 9/5(金)
▼1.06(
0.71%)
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