米PCEインフレは上昇基調継続も想定の範囲内でドル高一服
更新日:2025年09月27日(土)

PCEインフレ指数は予想どおりの結果で波乱なし。
米商務省発表の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)、8月は前年比+2.74%。前月から+0.14%で4ヵ月続伸、1年4ヵ月ぶり高水準。なお、2020年以降のデータが全面改定。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+2.91%。前月から+0.05%、4ヵ月続伸で半年ぶり高水準。
いずれも市場予想に一致。
住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数、スーパーコアPCEサービス価格(SPコアPCEs)は前年比+3.33%。前月から+0.07%、続伸で半年ぶり高水準。
8セクタ別ではサービス価格が前年比+3.6%。7月の+3.5%から上昇。モノの価格は前年比+0.9%で7月の+0.6%から加速。
食品も+1.85%から+2.2%へと上昇し、エネルギー価格も-1.9%から-0.1%へと上昇。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+2.75%。7月から+0.08%の反発で1月(2.77)以来、7ヵ月ぶり高水準。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.28%。前月からわずかに+0.01%、小幅に3ヵ月続伸で12月(3.48)以来、8ヵ月ぶりの高水準。
PCEは先週の9月FOMCでの年末予想中央値3.0%に対して2.7%台、コアPCEは年末予想3.1%に対して2.9%台。いずれも順調に?上昇中。

26日のNY金は+37.9ドル、1.01%の続伸。3780ドルを挟んでの保ち合いとなった時間外、アジア時間に3760ドル台半ばの安値をつけてロンドン市場で徐々に下値を切り上げる展開に。NY朝には予想どおりとなった8月PCEの結果を受けたドル安の流れにサポートされて上値トライで3790ドル台へ。さらにミシガン大学消費者信頼感指数の9月確報値が予想を下回り、インフレ期待も下方修正されたことも好感する形で一段高、3800ドルの大台を回復して高値では3810ドル台半ばまで上昇。NY引け後には3810ドル近辺での小幅保ち合いが崩れて3790ドル割れへと失速。3760ドルが目先の下限となり、3820ドルまでのレンジで高値保ち合いを形成。次週、月末月初の指標結果を受けて下方ブレイクなら3700ドルまでが短期調整目安、上方ブレイクなら3860ドル程度までが上値目標に。
週間ベースでは+103.2ドル、2.78%高で6週続伸。6週続伸は2月以来、7ヵ月ぶりで今年2度め。

NYプラチナは+73.5ドル、4.80%の大幅続伸。2013年3月8日(1603.9)以来、12年半ぶりの高値。1月限はアジア時間序盤の1550ドル台が安値となり、1580ドル近辺へと水準を切り上げての保ち合いを経て、NY市場ではNY金の上昇局面にも追随する格好となって1600ドルの大台を回復。1610ドル台半ばの高値では上値を押さえられる状態が続くも下値は大台を維持し、NY引け後も1610ドル近辺。1510ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1550ドル近辺に到達してさらに一段高。RSIは79.4%と過熱感も限定的、1600ドルの大台を維持するようだと次に意識されるのは2013年高値圏、1700ドルの大台も。それでも目先の下値サポートは1480ドル。
週間ベースでは+187.0ドル、13.20%高で8週続伸。2020年3月23日からの週(+119.1ドル、19.13%)以来、5年半ぶりの急騰。8週続伸は少なくとも2012年以降では最長。

ドル円は-25銭、0.17%安で3日ぶりの反落。東京朝には9月東京都区部CPIが予想を下回ったことを受けて149円90銭台まで上昇、前日高値をわずかに上回り、8月1日(150.92)以来ほぼ2ヵ月ぶり高値をつけながら、150円の大台手前で上げ渋り。失速後も149円60銭台までのレンジで保ち合いとなって午後から欧州時間へ。NY朝にはPCEが予想どおりとなったことを受けて小幅に上下動、その後のミシガン大消費者信頼感指数とインフレ期待が予想を下回ったことで売り優勢となり、149円50銭近辺へと水準を切り下げての保ち合いに。短期的な流れとしてはドル高円安方向優勢となるなか、いったん150円ラインが目先の上限となる可能性も残して月末月初へ。
週間ベースでは+156銭、1.05%高で5週続伸。8ヵ月ぶりに52週移動平均線(149.23)を上抜け。5週続伸は昨年10月以来、11ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/26終値とチャート
2025年09月27日(土)時点の相場
国内金:19,749 円 9/26(金)
▲127(
0.65%)
国内プラチナ:8,090 円 9/26(金)
▲377(
4.89%)
NY金:3,809.0 ドル 9/26(金)
▲37.9(
1.01%)
NYプラチナ:1,603.5 ドル 9/26(金)
▲73.5(
4.80%)
ドル円:149.52 円 9/26(金)
▼0.25(
0.17%)
9/26(金)のその他主要マーケット指標
国内金価格は年間平均でも2022年の2倍、2011年の4倍 09/29(月)
米GDPなど軒並み上振れ、雇用情勢も改善示唆でドル高急伸 09/26(金)
サービス業が9月に急失速、ドイツIFO景況感は悪化 09/25(木)
ドイツのサービス業が好調、ユーロ圏9月PMIは16ヵ月ぶり高水準 09/24(水)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン