直訳すると「したたり落ちる」という意味となるtrickle down(トリクルダウン)。語尾にtheory(理論)やeffect(効果)をつけてtrickle-down theory、trickle-down effectなどと表現される場合には、「トリクルダウン理論」という経済理論を現す言葉に。富裕層を優遇すると、そこから富がしたたり落ちて貧困層へも波及し、経済状況が改善する、とされる仮説。
この考え方には諸説あり、先進国経済には必ずしも当てはまらない、有効ではない、という見方もあるようです。
2012年末からスタートした安倍政権のアベノミクスでは、金融緩和の効果により、2013年には21%の円安が進行し、日経平均は56%の上昇。2014年末の衆院解散総選挙前までには2年間で36.9%の円安、日経平均は67.1%もの上昇となり、富裕層での経済状況改善は進行しました。
しかし、富裕層から一般層、貧困層へとしたたり落ちる効果は見られず、アベノミクスの効果はない、との不満も出始め、野党側の格好の攻撃対象ともなりました。
それでも選挙では(他に選択の余地がなかったこともあり)与党続投を選択した日本国民は、この後の安倍政権の動向とアベノミクスの行方とともに、トリクルダウンの効果を検証することになります。
最終更新:2014年12月15日