2012年流行語大賞~マーケット編~
更新日:2012年12月16日(日)
今年流行したキーワードのマーケット編で振り返る2012年マーケットでの主な出来事。
ネット上での言及記事などが多かったと思われるキーワードを、検索結果数でランキング集計してみました。
10位:466万件「リスクオン」
ユーロ危機などによるマーケットの危機感が増大し、対応策が発表されたり、経済指標などの好転により危機感が後退する度に「リスクオン」相場と呼ばれ、投資マネーはリスク資産へと流れました。
9位:605万件「リスクオフ」
リスクオンの逆パターン。危機感増大によりリスク資産から安全資産、
セーフ・ヘブンへと資金は流れます。今年は「リスクオン」よりも「リスクオフ」のケースが多かったことが順位に現れています。
8位:609万件「ギリシャ危機」
デフォルト懸念、緊縮策に苦しむ国内のデモや暴動、そして再選挙ではユーロ離脱懸念も浮上し、ユーロ債務危機に世界中が注目しました。ギリシャへの支援についてはECBやEU、IMFのトロイカ、独メルケル首相をはじめユーロ圏の首脳を交えて何度も何度も揉めました。
7位:850万件
「財政の崖」
年末になって注目度は高まっていますが、米FRBのバーナンキ議長が今年前半から指摘していた問題。ブッシュ減税の期限切れと政府支出の強制削減が年末に重なり、景気への大きな脅威となっています。
6位:1,010万件「OMT」
欧州債務危機による南欧重債務国支援を目的にECB・ドラギ総裁が9月に発表した、無制限に国債を買い入れる策、「
OMT(アウトライト・マネタリー・トランザクションズ)と自ら命名し、市場の不安を低減することに成功。当時はスペイン救済目的と見られましたが、スペインはいまだに支援要請はありません。しかし、施策の発表自体が欧州債務危機の当面の沈静化に大きな役割を果たしたようです。
5位:1,600万件「追加緩和」
ゼロ金利政策が続く米・欧州・日本では政策金利操作による景気対策を行うことができず、市場の流通資金を増加させる手法が用いられています。ほぼ同義語に「金融緩和」、「量的緩和」がありますが、いずれも件数は3分の1以下。何度も何度も緩和策を続けている為に「追加緩和」が定着したようです。
4位:1,930万件「欧州危機」
今年のメインテーマの一つ。ギリシャを発端に南欧諸国へと債務危機は拡大し、失業率の増加、経済成長率の低下、景気後退と危機はまだ続きますが、少しづつその対応も進み、これに関しては多少静かな年明けを迎えられそうな状況も。
3位:2,240万件「QE3」
米国の金融政策の代名詞として定着した感もありますが、2011年の量的緩和第2弾の時に「QE2」と呼ばれ始め、2012年に入ると追加施策として第3弾を期待する声が高まり、「
QE3」待望論は年初から続きました。9月にFRB・バーナンキ議長が発表したQE3では、MBSの買入を労働市場の見通し改善まで、実質無期限に続けるというインパクトのある政策に。
ECBの無制限、FRBの無期限として後に日本でもインパクトのある緩和策への待望論が高まることになります。
2位:2,740万件「ESM」
欧州債務危機への対応の為に設立された欧州版の基金、
欧州安定メカニズム。今年7月稼働の予定がドイツの違憲審査などによる遅れで結局10月から本稼働。
OMTはこの基金からの発動予定で今のところはお守り的な存在。
1位:3,330万件「円高」
日本国内で今年、圧倒的に使用されたキーワード。2007年夏以降続いた長期円高トレンドによる国内経済への悪影響も叫ばれ続け、昨年には3回も為替介入が行われ、今年に入ってようやく円高の流れが小康状態となりました。やや円安方向に傾き始めると、為替市場では円高トレンド終焉と言われ、政治の世界でも円高回避でデフレ脱却へ、と声高に叫ばれ始めています。
ランク外では、「バレンタイン緩和」が69万件、「デフォルト懸念」が137万件、「ユーロ離脱」が145万件、「
安倍トレード」が157万件、「近いうち解散」が207万件、などもありました。
来年は「円高」がランク外になることを祈っておきます・・・。
2012年12月16日(日)時点の相場
国内金:4,733 円 12/14(金)
▼18(
0.38%)
国内プラチナ:4,505 円 12/14(金)
▼35(
0.77%)
NY金:1,697.0 ドル 12/14(金)
▲0.2(
0.01%)
NYプラチナ:1,614.5 ドル 12/14(金)
▲1.7(
0.11%)
ドル円:83.48 円 12/14(金)
▼0.17(
0.20%)
12/14(金)のその他主要マーケット指標
自民圧勝でデフレ脱却と円高是正へ向けたスタート 12/17(月)売られ過ぎの円、総選挙後の週明けにはさらにもう一段の円安進行か 12/15(土)明暗分かれる日中の製造業、日銀は追加緩和へ 12/14(金)FRBのQE4、時間軸に代わる数値基準の導入に賛否両論 12/13(木)
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