米国のテーパリング(量的金融緩和の縮小)を警戒することによるタントラム(tuntrum:かんしゃく)。つまり、市場の波乱、混乱を招くこと。
2013年5月、バーナンキFRB議長(当時)の量的緩和縮小を示唆する発言をきっかけに、株価急落、長期金利上昇、商品価格も下落、新興国通貨売り、ドル売り円買いと、一般的に見られるリスク回避の流れ以上にパニック的な動きとなったことを指してこう表現されました。当時、国内ではバーナンキ・ショックとも呼ばれました。
それから2年経った2015年、量的緩和の縮小を既に完了した米国では、今度は2006年以来となる政策金利引き上げがスタートする可能性が高まり、テイパー・タントラムの再来を警戒する声も出始めています。
4月後半からのドイツ10年債利回りの急騰に牽引されるように、主要国の長期債利回りも上昇の兆しを見せ始め、米国経済指標の好結果を確認する度に警戒感も高まります。6月に入ると利上げを想定したドル買いの流れにも懸念発言、けん制発言も聞かれ始め、ドル円相場が急反落する場面も見られました。
2015年6月時点では年内利上げスタートが有力視され、年後半にかけてのテイパー・タントラムに警戒感も高まります。
しかし、2016年にはECBの量的緩和の縮小、日銀の量的緩和縮小の可能性も高まり始め、米FRBの利上げに加えてマネタリーベース縮小の可能性も出始めることも予想され、日米欧の世界三大中央銀行が揃ってテーパリングに向かう、トリプル・テイパー・タントラム(triple taper tuntrum)というさらなる警戒材料が待ち構えていることになります。
最終更新:2015年06月13日