物や川などが先細になることなどを意味する「taper」が語源。米国の量的金融緩和政策第3弾(QE3)における資産買い入れ規模を縮小していくことを指します。
2012年9月に米FRB(連邦準備制度理事会)は、景気刺激策として、住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドルづつ購入するQE3を決定、その後12月にはMBSに加えて長期国債も毎月450億ドルづつ買い入れる強化策を決定。これ以降、FRBは毎月850億ドルの資産を買い入れ続けます。
2013年に入ると労働市場の改善や景気回復が進んだこともあり、5月にFRBのバーナンキ議長が、年内にも、毎月買い入れ続けている資産の規模を縮小し始める可能性について言及。
これ以降、テーパリング(Tapering:QE縮小)開始時期や完全に終了する時期などに関する憶測や、その後の政策金利引き上げへの思惑などから市場が混乱し、新興国の株安・通貨安が進み、ドル高が進行する時期もありました。
2013年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、テーパリング(緩和縮小)が開始されるのではないか、という大方の市場予想に反して、現状維持が決定されました。材料不十分、財政問題懸念などが理由として挙げられました。
現時点でのテーパリング開始予想時期は、2013年末、もしくは2014年1月にバーナンキ議長の任期が終了することから、次期FRB議長に委ねるのでは、という予想もあります。
以上2013年10月2日作成
以下2013年12月19日追記
FRBは2013年12月18日のFOMCで、米経済や労働市場の見通しが改善していることを背景に、2014年1月から月額850億ドルの資産買い入れ額を100億ドル減らし、750億ドルとすることを決定。同時に、失業率が6.5%を下回ってからも相当の期間、特にインフレ見通しが目標水準の2.0%を下回る状況が続く場合、事実上のゼロ金利を維持する方針(フォワードガイダンス)を表明。
最終更新:2013年12月19日