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「銀行同盟」
欧州では債務危機に伴う信用不安を解消する手段として、金融機関の監督や破綻処理、預金保険の仕組みなどをEU(欧州連合)内で一本化する構想が持ち上がっており、これを「銀行同盟」と呼ぶ。
EU域内の金融取引には国境がないのに、金融監督は各国個別に行われている。
物価安定の為だけに存在するようなECBにも、監督権限などない。
しかも、ECBは中央銀行でありながら、他国の中銀に存在するような「最後の貸し手」(中央銀行による特別融資)機能もない。英国のように別の機関が存在するわけでもない。(だからEFSFやESMが創設されることに。)
これは、もともと意図的に排除されていたようだ。もし金融危機が発生しても、原則として金融業界が自己責任で処理すべきとの考えが原点ではないかと思われる。
この欧州中央銀行制度のモデルとなったのは旧西ドイツの中央銀行制度なのだそうだ。
金融危機が発生した場合はその国で解決すべき、というのがドイツの基本的な考え方のようだ。
日本のペイオフのように銀行預金1,000万まで保証、といった預金保護制度も各国独自でバラバラの対応になる。
銀行が経営不振に陥って、預金保護制度で対応出来なければ政府が出動。これが続けば政府の財政もどんどん悪化することに。
スペインの銀行大手バンキアの経営不振による公的資金要請をきっかけに、国の財政不安を露呈したスペインでは既に財政赤字削減策進行中の為にお金を出せない状況。しかも国債を発行しようにも利回りが高騰して資金調達も困難に。
結局スペイン政府はEUに支援要請、最大1,000億ユーロの支援が決定した。
このような状況を繰り返さない為にも、通貨同盟に対応できる銀行同盟の実現が必要という見方が多い。6月末のEU首脳会議でその導入案を討議するとも言われており、財政状況が比較的健全な欧州北部の国々やドイツの反発も和らぎ、実現へ向けての歩み寄りもありそうだが、その道のりは長そうで早くても2~3年との見方も。
スペインの次の銀行救済には間に合いそうにない・・・
最終更新:2012年06月21日
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