金プラチナ短期相場観

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スペイン格下げ?支援要請?めぐる駆け引きの行方

更新日:2012年9月29日(土)

ムーディーズによるスペインの格付け見直し期限の9月末、警戒感の高まりからユーロやリスク資産は小動きながらやや下落する展開に。日本時間の土曜日朝に結果?は公表されず週明けに持ち越しの様子。
スペインの現時点での格付け「Baa3」が1段階でも引き下げとなれば、ジャンク級(投資不適格)。
スペインから欧州への支援要請があれば格下げの公算大とも見られます。
しかし、支援要請しなければECBによる国債買い入れ策は適用されません。
格下げでジャンク級となればスペイン債利回りは高騰するはずです。
整理すると、
(1)スペイン債利回り高騰、(2)格下げ、(3)支援要請
のデッドロック状態に陥っているようにも見えます。

(A)(2)格下げ→(1)利回り高騰→(3)支援要請
(B)(1)利回り高騰→(3)支援要請→(2)格下げ
(C)(3)支援要請→(2)格下げ→(1)利回り高騰
※なお、格付けが維持された場合でもいずれ利回りが高騰する可能性が高く、単なる時間稼ぎの後に(B)パターンとなりそうです。

この3パターンのうち、ムーディーズは(B)パターンを想定していたのではないかと考えます。トリガを引かなくて済むからです。
スペインのラホイ首相としては(C)のパターンは避けたいところです。みずから支援要請することは、厳しいEUからの財政緊縮条件をつきつけられるだけでなく、何より世間体の問題です。とすれば(B)か(A)なら・・・と思っているかもしれませんが、(B)は足元の利回り低下で小康状態、今しばらくはトリガが引かれそうにありません。ならば(A)、これにはムーディーズがどう出るか・・・

周囲はラホイ首相に早めの支援要請をけしかけます。(C)パターンです。利回りが高騰しようとECBによる無制限買い入れ策(OMT)でいずれは落ち着くだろうと踏んでいるのではないでしょうか。これが事態収拾に向けた、一番の近道だからです。
ラホイ首相が煮え切らない今、週明け早々、ムーディーズが悪役を買って出る可能性に要注意です・・・

NY市場、金は前日の大幅上昇から小反落、今後も大きな節目となりそうな1,770ドル台で9月を終了。当面の上値目標は一応1,820ドル。サポートラインは1,750、1,650。トレンドは下落。
プラチナは4日続伸で1,660台に。下落バイアスは縮小傾向で今月高値の1,710ドル再トライへ。サポートは1,620ドル。

2012年9月29日(土)時点の相場
国内金4,602 円 9/28(金) ▲51(1.12%)
国内プラチナ4,293 円 9/28(金) ▲47(1.11%)
NY金1,773.9 ドル 9/28(金) ▼6.6(0.37%)
NYプラチナ1,665.3 ドル 9/28(金) ▲19.4(1.18%)
ドル円77.95 円 9/28(金) ▲0.35(0.45%)

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