金プラチナ短期相場観
年内の緩和縮小先送りでドル高牽制
更新日:2013年7月11日(木)
日本時間早朝に公表された前回6月のFOMC議事録では、資産買い入れ縮小については、その時期は近づいてはいるものの、その前に労働市場の見通しにさらなる改善が必要、という大勢の流れが示されました。「その時期」に関しては、年内の買い入れ終了支持派と来年にかけても継続すべき派とに分かれ、市場で言われる9月縮小開始論もトーンダウン。
その後のバーナンキFRB議長講演後の会見では、当面の金融緩和策継続方針を示し、「失業率6.5%達成で自動的に緩和縮小開始となる訳ではない」発言も。
これをきっかけにドル売りが急伸。主要通貨に対しても、新興国通貨に対しても、金に対しても売られる展開でドル高の巻き戻し。はからずも、バーナンキFRB議長発言が進み過ぎた米ドル全面高への牽制に。
金にしても、株価にしても、金利や円安にしても、偏り過ぎたマーケットの流れは必ず是正される、ということのようです。
NY市場、金相場は終値ベースでは0.12%の小幅上昇で3日続伸。短期トレンドも好転。引け後にはFOMC議事録公表とバーナンキ議長発言を経て大きく上昇。1,280ドル台まで上値を伸ばし、小さめのダブルボトムのネックライン1,260ドルの抵抗線を突破。本日のNY終値まで維持できれば上昇シグナル点灯で上値目標は1,310ドル。
プラチナも終値ではほぼ横這い推移ながら時間外での金の急騰に連れ高となり一時1,390ドル台まで上昇。高値が徐々に切り下がる嫌な流れを断ち切るように、上昇目標1,410ドルへと大きく踏み出す可能性が高まりました。1,320ドルがサポートライン。
ドル円は1.48%の大幅反落。大きく水準を切り下げる展開でサポートラインの99円80銭割れ。下値メドは98円60銭。しかし今朝のドル急落局面で既に98円30銭台まで下落して目標到達。99円台半ばまで戻して落ち着き始めた様子。もう一度98円台まで下押しする可能性にも要警戒か。上値抵抗は101円20銭。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場7/10終値とチャート
国内、金価格は1.3%上昇で3日続伸。昨年5月から8月までの上値抵抗線となっていた4,300円の節目ラインが目前。ここを突破し、ドル円が落ち着けば上昇目標4,380円到達への可能性も高まることに。サポートラインは4,140円。
プラチナは4日続伸となり第1目標の4,700円も射程距離。すぐ上に位置する昨年高値4,711円をしっかりと超えることが出来れば第2目標4,820円への期待も。4,510円がサポートライン。
※参考:金プラチナ国内価格7/11とチャート
- 2013年7月11日(木)時点の相場
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国内金 : 4,282 円 7/11(木) ▲53(1.25%) 国内プラチナ : 4,682 円 7/11(木) ▲60(1.30%) NY金 : 1,247.4 ドル 7/10(水) ▲1.5(0.12%) NYプラチナ : 1,368.1 ドル 7/10(水) ▼0.5(0.04%) ドル円 : 99.64 円 7/10(水) ▼1.50(1.48%)
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