金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

9月の緩和縮小に向けて市場を惑わすFRB当局

更新日:2013年8月7日(水)

緩和縮小開始時期を巡るFRB当局者の発言で市場の不透明感が高まっています。アトランタ地区連銀のロックハート総裁(投票権なし)は、「早ければ9月に債券買い入れの縮小に着手する可能性があるが、下期に成長が加速しなければ先送りするかもしれない」とし、シカゴ地区連銀のエバンス総裁(投票権あり)は「FRBはおそらく年内に債券買い入れ縮小に着手するとの見方を示し、経済指標次第では9月に開始する可能性もある」との発言。
要約すると「早くて9月、遅くとも12月までの可能性は高いが経済指標による」と解釈できますが、先週の雇用統計でのやや低調な結果を受けて「先送り感」が高まっていた向きに対しては、「9月に債券買い入れの縮小に着手する可能性」がクローズアップされて伝わり、逆に早期縮小の可能性のほうがまだ高いと考える向きに対しては、「下期に成長が加速しなければ先送りする」リスクのほうがよりクローズアップされて伝わってしまったようです。

前者の流れを受けて軟調推移する欧米株や商品市場。NYダウも小幅ながら続落となり、金相場も同様で今年5月まで非常に高かったNYダウと金との逆相関関係は、このところ急速に弱まっています。5月末までの90日間の相関係数は-0.848、今朝時点の数値は-0.521へ。

後者の流れを受けるのが為替の米ドル。ドル円でもドル安円高方向へと軟調推移が続きますが、対ユーロなどでも同様の流れ。
この影響で、最近持ち直し傾向が強い日経平均に対して軟調推移が続くドル円の関係も、一時期の相関関係の強さは弱まりつつあります。5月までの90日間では0.956と非常に強い相関関係を示していたのが、今朝時点では0.788へと縮小
いずれも緩和縮小に向けた不透明感が大きく影響しているようです。

NY市場、金相場は1.5%の大幅下落で6日続落。7月18日以来となる1,280ドル台へ。1,300ドル丁度のラインがサポートとして役目をなさず、下値の節目となる1,270ドル台まで一時下落。1,350台への目標チャレンジは、今回わずかに及ばず、7月24日高値の1,348.7ドルで終了してしまった可能性大。流れは下方向へと傾きつつある状況。今年の続落最長記録は5月9日から17日までの7日続落。この記録を更新するようなら、下方向の節目を割れ、今年安値圏への再トライ懸念も。

プラチナも1.4%と大きく下げて続落。1,420-50ドル付近でのレンジ内で上下に振れる展開が継続。上昇圧力縮小中で下方向へのレンジ割れリスクがやや高まる状況にも。このまま下限割れなら1,300ドル台半ばまでの下落リスクが浮上。

ドル円は-0.57%の3日続落。97円台半ばではしっかり反発する底堅さも見られたものの、今朝方やや仕掛け的な売りで97円10銭辺りまで急落する場面もあり、とりあえずは7月25日時点で設定した下値目標値に到達した形。これで反発に向かうか、という流れでもなく、基本的には短期下落トレンド継続中。上方向には99円60銭がレジスタンスライン。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/6終値とチャート

国内、金価格は2.9%の大幅下落で3日続落。4,260円の節目を割れて下落の勢いが加速してしまった模様。しかし今回の下落圧力はそれほど大きくはなく、下値メドとしては4,140円近辺。大幅急落してしまった為に、多少の行き過ぎ程度で一旦落ち着く可能性も。しかしドル円の円高圧力がやや高く、弱気相場となっており、かつNY市場も弱気転換目前というリスクも。

プラチナも2.4%の大幅続落。最近注目していた90日移動平均線が大きな抵抗線となってしまった様子で4,700円の節目を突き抜け。短期トレンドも下方転換し、下値のメドは最大で4,460円近辺。レジスタンスは4,810円。
※参考:金プラチナ国内価格8/7とチャート

2013年8月7日(水)時点の相場
国内金4,157 円 8/7(水) ▼125(2.92%)
国内プラチナ4,644 円 8/7(水) ▼114(2.40%)
NY金1,282.5 ドル 8/6(火) ▼19.9(1.53%)
NYプラチナ1,427.8 ドル 8/6(火) ▼20.3(1.40%)
ドル円97.73 円 8/6(火) ▼0.56(0.57%)

8/6(火)のその他主要マーケット指標

主要産金会社は既に赤字。金相場は既に底値割れ? 8/8(木)

9月の緩和縮小に向けて市場を惑わすFRB当局 8/7(水)

夏枯れ相場 8/6(火)

米景気回復と量的緩和長期化と8月リスク 8/5(月)

ブレ始めた雇用統計とADP雇用の相関関係 8/3(土)


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