金プラチナ短期相場観
雇用改善VS物価下落
更新日:2013年11月22日(金)
昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、10月初旬に一度増加したところから再び順調な減少傾向となり、雇用改善を示し、11月分の雇用統計が10月分に続く好結果となることを期待させます。同じ時間に発表された生産者物価指数は前月比マイナスが2ヶ月連続、前年比ではわずかな上昇が続く状態。先日の消費者物価指数でも前月比マイナスとなり、全般的に低インフレ状態が続きます。年内12月までのFOMCメンバー、セントルイス連銀のブラード総裁も「インフレ率が上昇する兆しは見られない」と懸念。
雇用改善なら緩和縮小へ、物価下落、低インフレ状態なら緩和継続という構図の綱引き状態は続きます。
そんななか、インフレ率もいずれ改善と先読みしているかのようにNYダウは終値ベースでも16,000ドル台へと高値更新。
そのNYダウとの連動性が高まることも多いプラチナ相場は、30日間の相関係数の推移を見ると、11月上旬までの相関関係の強い状態から、足元ではその関係性が急激に希薄化しています。
逆に、金との相関関係では一時期若干弱まっていた状態から、再び強い相関関係を取り戻しつつあります。
金相場の下落トレンドが強まる時期には、プラチナ相場はNYダウとの連動性を弱め、金への連動性を高める傾向がありそうです。
そして、足元上昇傾向にある米10年債と日本10年債金利の差とドル円相場の相関関係も高まっています。直近30日間の相関係数は0.802台へとその強さを示します。「できるだけ長期金利の上昇を抑制する」という黒田日銀総裁の発言も今後のこの関係性をサポートしそうです。
株価やドル円上昇の背景には、雇用改善継続に加えて、インフレ率の改善傾向も既に織り込み始めているのかもしれません。
NY市場、金相場は1.14%の続落。昨日朝時点からはほぼ横ばい推移も、改善傾向を示した新規失業保険申請件数などの結果に1,235ドルまで売られた後には、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の悪化で1,240ドル台へ急反発と狭い範囲のなかで強弱材料に敏感に反応。安値圏での買い支えも予想されるものの、下押し圧力が強い状況で下値メド1,200ドルちょうど前後を目指す展開。
プラチナ相場も0.56%の続落ながら昨日朝からはわずかに下げた程度。終値ベースでも目標水準1,390ドルにしっかりと到達した形。この近辺ではいったん下げ止まる可能性は高いものの、下落余地が残る金に連れ安となる可能性も。その場合のサポートライン候補としては9-10月の底値圏となった1,375ドル近辺。
ドル円は1.13%の大幅反発。1週間かけて100円の大台ラインでの足場固めを終え、ようやくドル高円安方向へと動き出した様子。1週間前に目先の目標水準としていた100円80銭台もようやくクリア。このまま円安方向への勢いが加速するとは限らないものの、上値余地は拡大し、最大で102円台後半から103円近辺までの可能性が高まったのではないか。当面のサポートラインは99円90銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円11/21 NY市場終値とチャート
国内、金価格0.74%の反発はドル円のサポート。これが逆に売られ過ぎの過熱感を少し冷ましてしまったことにも。一方的な円安が続かない限り、もう少し下落トレンド継続の可能性は高く、4,130円近辺までの下落メドを維持。しかし、10月2日の4,203円、15日の4,191円に続き、11月21日の4,190円で一旦反発した形となっていることはサポート材料。
週間ベースでは-89円(-2.06%)の反落。
プラチナも0.9%の反発。昨年高値4,711円付近を突き抜けて下落した直後、行き過ぎからの反発で4,710円台に戻した、という見方もできなくはないものの、金と同様にもう一段の下落余地が残る状態と見るほうが優勢か。目標水準は4,620円近辺。
週間では-126円(-2.60%)の反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/22とチャート
- 2013年11月22日(金)時点の相場
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国内金 : 4,221 円 11/22(金) ▲31(0.74%) 国内プラチナ : 4,714 円 11/22(金) ▲42(0.90%) NY金 : 1,243.6 ドル 11/21(木) ▼14.4(1.14%) NYプラチナ : 1,391.7 ドル 11/21(木) ▼7.9(0.56%) ドル円 : 101.15 円 11/21(木) ▲1.13(1.13%)
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