金プラチナ短期相場観
トルコ中銀は大幅利上げで当面の危機回避へ
更新日:2014年1月29日(水)
トルコ中銀は緊急の金融政策決定会合で、政策金利(1週間物レポレート)を4.50%から10%へと大幅に引き上げることを決定。翌日もの貸出・借入金利も大幅に引き上げ、予想外の上げ幅で通貨防衛策に踏み切った形。この発表を受けたトルコリラの対ドルレートは3%ほど急落(トルコリラ高ドル安)し、市場はかなりポジティブにとらえているようで、新興国通貨安による混乱への懸念をとりあえずは緩和することに成功した様子。今朝のドル高・株高へも好影響。
先週21日、トルコ中銀は定例の金融政策決定会合で4.5%の政策金利据え置きを決定したばかりでした。
選挙を控えた政府の圧力に屈した形で景気回復を優先した結果、トルコリラ安の流れは止まらず、連日の過去最安値更新となり、リラ買いドル売り介入を余儀なくされてきた模様。アルゼンチンペソの暴落と外貨準備の減少が指摘されるなか、トルコリラも同しような状況で、市場の不安も高まりました。
今回もエルドアン首相が利上げに反対を表明していたにもかかわらず、トルコ中銀は、政府の圧力よりも市場の圧力に屈した格好です。
これで15日のブラジル中銀(10.00→10.50%)、28日のインド中銀(7.75→8.00%)に続き、新興国の利上げによる危機回避が進みます。
しかし、トルコでは汚職問題など国内政治への不信感や問題が大きく、小手先の金融政策だけではなく、根本的な構造改革に政府が取り組まなければ、今回の利上げ効果も長続きはしない、という見方もあります。
状況は違えど、金融政策に頼り、構造改革が進まない国は、他にもあります。
NY市場、金相場は1%続落。FOMC待ちで小動きのなか、米12月の耐久財受注の下振れに反応し10ドルほど上昇、この時点の1,262.3ドルがこの日の高値となり、直後の11月ケース・シラー米住宅価格指数の好結果に1,250ドル割れへと下落。12月以降何度もレジスタンスとなった1,250ドルの節目ラインでサポートされた状態。上方向には1,260ドル台の厚めのレジスタンス。下方向は1,230ドル台がサポートライン。
プラチナ相場は3日続落となる0.82%の下落。目先は下方向優勢の流れのなか、第一段階となる1,400ドル台へと下げて90日移動平均線付近でいったん下げ止まり。この近辺で反発出来なければ目標水準1,370ドル近辺を試す展開へ。
ドル円は0.38%の小幅続伸。リスク回避緩和の流れで欧州時間までに103円台回復も米耐久財受注の結果に102円60銭台まで下押しする場面も。今朝にはトルコ中銀利上げによる新興国リスク緩和の流れを受けて103円台前半へ。前日安値で目標水準101円80銭に達したことで、FOMCで予想外の結果とならない限り、下方リスクは大幅緩和となる可能性も。上方向へは104円60銭が節目に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/28終値とチャート
国内金価格は0.23%の小幅反発。4,320-4,390円のレンジほぼ下限からわずかに切り返したものの、方向感はほぼ中立、何かのきっかけで上下どちらへも振れやすい状態。上下の節目をブレイクするとそれなりの値動きとなる可能性。
プラチナは0.08%の小幅下落で4日続落。11月高値の4,840円から上昇幅の半値戻し4,833円の水準手前で下げ止まりのようにも見えるものの、NY市場の下げ基調により、さらに下押しの可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格1/29とチャート
- 2014年1月29日(水)時点の相場
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国内金 : 4,335 円 1/29(水) ▲10(0.23%) 国内プラチナ : 4,853 円 1/29(水) ▼4(0.08%) NY金 : 1,250.8 ドル 1/28(火) ▼12.6(1.00%) NYプラチナ : 1,409.4 ドル 1/28(火) ▼11.7(0.82%) ドル円 : 102.94 円 1/28(火) ▲0.39(0.38%)
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