金プラチナ短期相場観

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FOMC、テーパリング継続でも金相場は上昇

更新日:2014年1月30日(木)

29日、バーナンキFRB議長最後の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、予想通り月間100億ドルの資産購入額を削減し、650億ドルへと縮小することを決定。テーパリング継続は予定通りでもあり、全会一致の決定に。
予想どおりでも、予定通りでも、新興国通貨の弱さは予想以上。

インド中銀、トルコ中銀に続き、南アフリカ中銀も2012年7月以来5.00%に据え置き続けた政策金利を5.50%に引き上げ。フラジャイル・ファイブの一角でもある南アフリカも経常赤字と景気低迷、高インフレに苦しむものの、比較的インフレ率は高過ぎる訳でもなく、上昇傾向にあるわけでもない状態。ただひたすら通貨が弱く、アルゼンチンやトルコの余波を受け、同類と見なされた形でランド売り圧力と市場の圧力に屈した模様。
同類ながらもトルコ中銀の利上げ幅に大きく見劣りしたことで、利上げ発表後にわずかにランド高方向へ戻すもすぐさま売り再開の流れで安値更新へ。
そのトルコも大幅利上げの効果が長続きせず、再び売り込まれる展開。
そんな新興国通貨の混乱状態はリスク回避ムードを醸成し、大幅株安、円高の流れで金相場は上昇へ。

しかし、この市場のリスク回避に考慮して、テーパリングの一時停止や縮小幅の調整などという選択肢は、FOMCではなかった様子。ある程度新興国の状況には注意をはらいつつも、この程度の混乱で縮小ペースを緩めたりすれば、いつまでも同じことの繰り返し。
将来的なバブルの発生、破裂による混乱へのリスクに比べれば、この程度のリスク回避ムードは許容範囲、ということか。

NY金・日足チャート 2013/12/31 - 1/29NY市場、金相場は0.91%上昇し3日ぶりの反発。FOMCへの警戒感による小動きは夕方まで。欧州時間以降は新興国通貨安の流れ再開とともに上昇基調となり、1,260ドル台後半へと水準を切り上げ。FOMCで予定通りの100億ドル縮小が発表されると一時1,250ドル台半ばへと急落もすぐに切り返して反発、若干の乱高下をはさんで元の水準へ。1,250ドルが軽めのサポートラインとなりつつも上値も1,260ドル台のレジスタンスが相変わらず存在感。超えると1,290ドル近辺までの上値余地。

NYプラチナ・日足チャート 2013/12/31 - 1/29プラチナ相場は4日続落。下げ幅はわずか0.09%でとどまり、1,400ドルの大台ラインで下げ止まりの兆しも。リスク回避の流れに同調しつつも堅調な金に引っ張られるような、どっちつかずの状況に。下値目標水準1,370ドル近辺までの下落リスクを抱える状況が継続。

ドル円は0.64%の反落。金とは逆の流れで欧州時間に円高が進むと102円台前半へ。FOMC声明文発表時にはやはり小幅に乱高下し、下値目標101円80銭台に再びタッチ。これで円高方向へのエネルギーが放出された訳ではなく、むしろその圧力が高まりつつある感も。再び101円台に本格的に突入するようなら101円割れの可能性も。103円が軽めのレジスタンスラインに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/29終値とチャート

国内金価格は0.09%の小幅続伸。20日の4,381円を頂点、4,320円台を底辺とする三角保ち合いの様相も。3本の移動平均線と価格ラインも4,300-4,350円の間に集中し、上下どちらかをブレイクすると大きく動き出す可能性も。一般的には、昨年のドル円や日経平均のように、保ち合い以前のトレンドを再開する可能性のほうが高いものの、目先90日移動平均線が下落基調の金価格は下落圧力も高まりつつある状況。

プラチナは0.64%の下落で5日続落。年末年始の11日続伸による貯金をはき出して年初来安値を更新。12月20日の4,587円から1月21日の5,079円までの上昇幅492円の半値戻しとなる4,833円では下げ止まらず、次の目安は61.8%戻しとなる4,775円。
※参考:金プラチナ国内価格1/30とチャート

2014年1月30日(木)時点の相場
国内金4,339 円 1/30(木) ▲4(0.09%)
国内プラチナ4,822 円 1/30(木) ▼31(0.64%)
NY金1,262.2 ドル 1/29(水) ▲11.4(0.91%)
NYプラチナ1,408.1 ドル 1/29(水) ▼1.3(0.09%)
ドル円102.28 円 1/29(水) ▼0.66(0.64%)

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