金プラチナ短期相場観
「結論を急ぎたくない」と中立姿勢のイエレンFRB議長の本音
更新日:2014年2月28日(金)
上院銀行委員会でのイエレンFRB議長の証言は予想通りの中立姿勢。タカ派寄りともハト派寄りとも受け取れる内容を織り交ぜて、ハト派と言われた自身の論調を抑え、FRB議長としての立場を慎重に全うし始めている様子。
最近の経済指標の下振れには、ある程度は寒波の影響があるものと思われる、としながらも断定を避け、どの程度が天候要因なのか、向こう数週間でより正確に把握するよう努めるとし、緩和縮小に関してはあらかじめ決まった軌道にはないものの、秋頃には終了見込みと現状のテーパリング継続も示唆。
経済指標下振れの主要因が天候ではなかった場合には、緩和縮小ペース見直しも排除せず、ただし「この件に関しては結論を急ぎたくない」とあくまで慎重姿勢を貫き通した形。
しかし、天候による影響はかなり大きいはずで、現在の緩和縮小ペースを継続することになる可能性は高い、とイエレンFRB議長は考えているようにも聞こえます。
来週末発表の2月分の雇用統計も寒波による影響も予想され、低調な結果となる可能性も高く、仮にそうなったとしても、3月18-19日のFOMCではさらに100億ドルの緩和縮小を決定する可能性はかなり高そうです。
NY市場、金相場は0.29%の小反発。ウクライナ情勢への警戒感もあり1,320ドル台半ばから1,330ドル台前半へと上昇。ハト派寄りとも受け取れるイエレン証言にさらに上昇も限定的。1,360ドル近辺を目指す上昇基調は継続。サポートライン1,310ドル台。
プラチナ相場は1.7%の大幅反発。1月23日以来の高値水準を回復し、終値ベースの今年高値1,463ドルが意識され、高値ベースの高値1,473ドル、当面の目標水準1,470ドル近辺も射程圏内に。サポートラインは1,420ドル台に切り上げ。
ドル円は101.80-102.70円のレンジ内推移継続のなかでの小幅安。ウクライナ情勢の不透明感によるユーロドルの下落に連れてドル円もリスク警戒の流れでレンジ下限割れとなる101円70銭台まで下落、しかしこれも一時的で米1月の耐久財受注が好結果となったことを受けて102円台へと反発。どちらかといえば上方向ブレイクの可能性のほうがやや高かったはずの状況から、やや下方向ブレイクの可能性のほうが高まりつつある様子も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/27終値とチャート
国内金価格は0.31%の小幅続落。4,620円の上値目標水準を目指す為には、9日移動平均線にちょうどサポートされたこのタイミングでしっかりと反発しておきたいところ。ここを割れるとやや減速感が高まる可能性も。サポートラインは4,480円。
週間ベースでは+17円(+0.38%)と小幅に4週続伸。月間では+252円(+5.89%)の大幅上昇で3ヶ月続伸。
プラチナは1.13%の大幅反発。9日移動平均線でしっかりと反発し、上昇基調の勢いを増して当面の上値メド5,000円近辺を目指す展開。サポートラインは4,870円。
週間では+81円(+1.67%)となり3週続伸。月間では+172円(+3.62%)の反発。
※参考:金プラチナ国内価格2/28とチャート
- 2014年2月28日(金)時点の相場
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国内金 : 4,534 円 2/28(金) ▼14(0.31%) 国内プラチナ : 4,926 円 2/28(金) ▲55(1.13%) NY金 : 1,331.8 ドル 2/27(木) ▲3.8(0.29%) NYプラチナ : 1,453.4 ドル 2/27(木) ▲24.3(1.70%) ドル円 : 102.12 円 2/27(木) ▼0.23(0.22%)
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