金プラチナ短期相場観

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公式ではなかった「相当な期間=6ヶ月」のイエレン発言

更新日:2014年4月10日(木)

3月19日、FOMC後のイエレンFRB議長会見で注目を集めた「相当な期間=6ヶ月」発言。QE3の終了見込みとなる今年秋から相当な期間、即ち6ヶ月後から米国の金融引き締め、つまり利上げフェーズが始まるのではないか、との思惑が台頭していました。これをきっかけに株価は軟調推移、ドルは買われ、最も素直に反応した金は大きく水準を切り下げる展開となっていました。

この裏付けを検証することになるFOMC議事要旨が今朝、早朝時間帯に公表されました。しかし、量的緩和政策終了後の利上げへのトリガに関する手掛かりはほとんど示されず、「相当な期間」の裏付けにかかわる記述はないことが判明。
イエレンFRB議長の「6ヶ月」発言は、FOMCでの検討内容からきたものではなく、一般論として発したものであり、しかしこれが若干言葉足らずで誤解を招いた形となっていたもの、ということになりそうです。
議事録によれば、政策金利の予測中央値の上昇が、今後の金融引き締めペースを過剰に示す恐れがあることも懸念していた模様。

2015年第2四半期の利上げ開始は、かなり早まった予想であり、せいぜい後半以降と見るべきで、しかも状況次第。さらに利上げのペースについても、現状からは、かなりゆっくりとしたものとなることが予想されます。
これを受けてNYダウは急騰し、前日比1%上昇、再び最高値圏へと近づきます。ドル円は逆に一時急落、ただし前日までの急落で下げ渋り。金も急反発とはなったものの、その戻りは今のところ限定的。
米国の利上げ前倒し観測が後退しとはいえ、いずれ到来する利上げフェーズをにらみ、米株ほど楽観的にはなりきれない金相場。中期的な上値も限定的、かもしれません。

NY金・日足チャート 2014/3/13 - 4/9NY市場、金相場は0.24%の小幅反落。3月後半に100ドル程下落し、4月に入って1,280ドルで切り返す流れとなり30ドルほど反発、目安となっていた1,310ドルに到達したことで値動きも一服。引け後のFOMC議事要旨を受けて再び1,310ドル付近へと反発。反発継続か反落か、短期的な流れが変わるかどうか重要な水準に達している様子。

NYプラチナ・日足チャート 2014/3/13 - 4/9プラチナ相場も0.19%の小反落。引け後の金の反発への連れ高は限定的。1,420ドル台のサポートラインから1,450ドル台のレジスタンスラインへと向かう流れへとゆっくりと傾斜中か。上抜けなら年初来高値更新トライへ、下抜けなら年初来安値更新トライの可能性。

ドル円・日足チャート 2014/3/13 - 4/9ドル円は0.18%の小反発。102円台割れの水準では、大きな買い圧力もあるようで何度も102円台へと戻す場面も。FOMC議事内容に反応して101円70銭台まで急落後も明け方にかけて102円台へ。しかし今朝は再び円高圧力が勝る状態となり102円割れへ。しばらくはこの水準での攻防が続きそうな様相も流れは下方向、目標水準100円80銭近辺までの下落余地。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/9終値とチャート

国内金価格は0.24%の小幅続伸。4,580円台のサポートライン割れリスクはいったん回避したものの、一度上抜けたレジスタンスライン4,620円にもまだ届かない状況。上値目標4,730円近辺までの上昇サインは点灯中ながら、このまま上げ渋るようなら4,580-4,620円のレンジでの仕切り直しとなる可能性も。円高進行でサポートライン割れなら3月末安値4,434円方向へ向かうリスクも継続。

プラチナも0.18%の小幅続伸。やはり5,090円の節目超え直後の反落からは持ち直し切れず、サポートラインも固まりきっていない状況。4月7日につけた今年高値5,116円を超えられない状況がしばらく続くようなら、5,180円付近の上値目標を目指す流れもいったんストップの可能性。
※参考:金プラチナ国内価格4/10とチャート

2014年4月10日(木)時点の相場
国内金4,605 円 4/10(木) ▲11(0.24%)
国内プラチナ5,048 円 4/10(木) ▲9(0.18%)
NY金1,305.9 ドル 4/9(水) ▼3.2(0.24%)
NYプラチナ1,438.9 ドル 4/9(水) ▼2.8(0.19%)
ドル円101.99 円 4/9(水) ▲0.19(0.18%)

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